あらすじ

第12話は、陸貞りくていが宮中で直面する危機と転機を描いています。劉捕頭が陸貞りくていの身分を見破り、彼女は窮地に立たされます。同時に、高湛こうたん陸貞りくていへの想いは深まり、様々な困難を解決する手助けをします。陸貞りくていは女官試験に向けて懸命に準備を進めますが、沈碧しんへきの脅威と策略にも悩まされます。沈碧しんへきは海捕文書を使って陸貞りくていの正体を暴こうとし、更には殺人罪で彼女を陥れようとします。しかし、危機一髪の時、陸貞りくてい楊姑姑ようこく丹娘たんじょうの助けを得ます。そして驚くべきことに、高湛こうたん は密かに陸貞りくていのために官籍を偽造し、宮中での地位をより確かなものにします。

ネタバレ

劉捕頭は偶然陸貞りくていを見つけ、彼女が指名手配犯だと気付く。陸珠りくしゅ李公子りこうしと華やかな結婚式を挙げるのを見て、陸貞りくていは涙を流し、気を失ってしまう。高湛こうたん が駆け寄り、彼女を支えた。高湛こうたん陸貞りくていは手をつないで街を歩き、忠叔ちゅうしゅく元禄げんろくが後をついていく。高湛こうたん は宝石店で珠花を買い陸貞りくていに贈る。忠叔ちゅうしゅくは尾行に気づき、相手をうまく引き離した。

高湛こうたん が買い物をしている間、店主は二人を夫婦だと勘違いし、高湛こうたん は思わず笑みを浮かべる。闔閭門に著くと、二人は別々の道を行かなければならない。陸貞りくてい高湛こうたん に、また会いに来てくれるよう頼む。その時、陸貞りくていは急に振り返り、長広王ちょうこうおう殿下を知っているか尋ね、太妃から託された信物を見せた。高湛こうたん はそれを預かり、長広王ちょうこうおうに会ったら渡すと約束する。

楊姑姑ようこくは、太妃が亡くなってから陸貞りくていが女官の試験勉強を怠けていると指摘する。陸貞りくていは受験する意思を伝え、内侍府へ申し込みに行くと言う。婁尚侍しょうじに推薦を頼むつもりだと知った楊姑姑ようこくは、太后たいこうの側近である婁尚侍しょうじを頼ることに不安を抱く。

高湛こうたん忠叔ちゅうしゅくに、太妃の信物は契胡の狼牙令であり、契胡の勢力を象徴するものだと明かす。太妃は復讐を望んでいたのだ。劉捕頭は上司に、陸貞りくていが宮女になっていると報告する。沈大人しんたいじんは引き続き指名手配を続け、陸貞りくていを捕まえれば大きな手柄になると命じる。婁尚侍しょうじ陸貞りくていに、女官になれば太后たいこうに気に入られ、自分が儀式を執り行うと告げる。

沈碧しんへきは急いで父に会い、指名手配書を見て陸貞りくていだと確信する。父は陸貞りくていから情報を聞き出し、宮外に出ていた証拠を掴んでから内侍局に告発するよう指示する。

高湛こうたん忠叔ちゅうしゅくに、狼牙令が役に立ったと伝え、契胡の十数部族の忠誠を示す書状を見せる。元禄げんろくは、陸貞りくていが女官試験の勉強に励んでいると高湛こうたん に報告する。丹娘たんじょう陸貞りくていに、沈碧しんへきに突き飛ばされたこと、そして自分の正体を知られていると話す。陸貞りくていは宦官に賄賂を渡し、沈碧しんへきが毎月十五日に沈大人しんたいじんと密会していること、そして沈碧しんへきが指名手配のことを他言無用とされていることを知る。

陸貞りくてい楊姑姑ようこくに全てを打ち明け、助言を求める。楊姑姑ようこくは、沈碧しんへきがどれだけ自分のことを知っているのか探るよう勧める。陸貞りくてい沈碧しんへきを脅し、沈碧しんへきは父に手紙を書かせるが、宦官はそれを送るのを拒否する。陸貞りくていが妹に手紙を書き、宦官に託すが、門番の侍衛に止められる。宦官はとっさに手紙を飲み込んでしまう。沈碧しんへき陸貞りくていが虚勢を張っていただけだと嘲笑う。

沈碧しんへき司正しせい司へ行き、陸貞りくていを殺人罪で訴える。陸貞りくていは急いで侍衛に高湛こうたん を探すが、「高湛こうたん 」という人物はいないと言われる。すぐに司正しせい司の役人が陸貞りくていを連行する。

司正しせい司で陸貞りくていは必死に弁明するが、沈碧しんへきは一歩も引かない。役人は陸貞りくていの官籍を探すが、見つからない。その時、陳丹娘たんじょう陸貞りくていの官籍を持ってくる。役人は沈碧しんへきを誣告罪で咎め、十五回の杖刑に処す。

陸貞りくてい丹娘たんじょうに、なぜ太妃が自分の官籍を持っているのか、誰が指示したのかと問いただすが、丹娘たんじょうは何も認めない。その時、元禄げんろくが現れる。高湛こうたん は自分が官籍を作ったことを認め、本物だと断言する。これからは、陸貞りくていは故陸襄大人の次女として認められる。陸貞りくてい高湛こうたん への感謝の気持ちでいっぱいになる。

第12話の感想

第12話は、陸貞りくていの窮地と高湛こうたん の献身的な愛が際立つエピソードでした。指名手配犯としての正体が暴かれそうな危機的状況の中、陸貞りくていは再び涙を流します。陸珠りくしゅの幸せな結婚を目の当たりにし、自身の境遇との差に打ちひしがれる姿は、彼女の辛い立場を改めて痛感させます。そんな彼女を支える高湛こうたん の優しさは、見ている者の心を温かくします。街中でのデートシーンや珠花のプレゼントなど、二人の仲睦まじい様子は、これまでの苦難を乗り越えてきた絆を感じさせ、微笑ましいものです。

しかし、幸せな時間も束の間、陸貞りくてい長広王ちょうこうおうの信物に関する重大な秘密に触れ、再び陰謀に巻き込まれていきます。楊姑姑ようこくの心配、婁尚侍しょうじとの出会い、沈碧しんへきの執拗な追及など、様々な出来事が彼女の運命を翻弄していきます。特に、沈碧しんへきの策略によって窮地に立たされる陸貞りくていの姿は、見ていてハラハラさせられます。

つづく