高湛こうたん陸貞りくていに、彼女が入宮した初日から官籍を用意していたと告げる。感謝する陸貞りくていだが、どうお礼をすれば良いか分からず戸惑う。高湛こうたん陸貞りくていに近づき、キスをしようとすると、陸貞りくていは「ダメ…ダメよ…こんなこと…」と拒む。高湛こうたん はいたずらっぽく笑い、「もう名前で呼ばないでほしい」と言う。陸貞りくていは恥ずかしそうに「阿湛」と呼ぶ。

陸貞りくてい楊姑姑ようこくに、沈碧しんへきが十五回の杖刑を受け、連れ出されたことを伝える。楊姑姑ようこく陸貞りくてい沈碧しんへきの確執が深まることを心配する。そして、高湛こうたん との仲を問い詰め、彼と結婚すれば父の仇を簡単に討てると勧めるが、陸貞りくていは自分の力で仇を討つと主張する。

杜衡とこうの元を訪れた陸貞りくていは、試験対策の指導を受ける。杜衡とこう陸貞りくていの手の針の跡に気づき、恋愛にうつつを抜かして試験がおろそかになったら承知しないと釘を刺す。王尚儀おうしょうぎは女官試験の日程と内容を発表し、陸貞りくていの顔を見て「ずいぶん早く治ったわね」と皮肉る。陸貞りくていは庭で偶然皇帝に会い、一緒に散歩をすることに。

皇帝は陸貞りくてい高湛こうたん の関係を問い詰める。陸貞りくていは跪き、高湛こうたん との接触は全て自分の責任だと訴える。皇帝は笑いながら陸貞りくていを起こし、高湛こうたん にとって彼女は特別な女性だと告げる。皇帝と別れる際、陸貞りくてい高湛こうたん の行方を尋ねる。皇帝は大笑いし、明晩亥の刻、太液池の蓬莱亭に高湛こうたん を連れてくると約束する。

皇帝がまた含光殿の蕭喚雲かんうんの元を訪れたことを知り、太后たいこうは激怒する。蕭喚雲かんうんが皇帝を唆し、魏国との交渉を高湛こうたん に任せたことを嘆く。婁尚侍しょうじは、皇帝が他の妃嬪に会わないことを心配する太后たいこうを慰める。「玉儀によると、皇帝は陸貞りくていと二時間も話していたそうです」と報告すると、太后たいこうは皇帝が陸貞りくていを気に入れば蕭喚雲かんうんの立場も危うくなるとほくそ笑む。

夜、陸貞りくてい高湛こうたん を待ち続ける。現れた高湛こうたん とじゃれ合うが、蕭貴妃きひの部下に様子を窺われていることに気づき、わざと陸貞りくていに怒鳴りつけ、彼女から贈られた帯を地面に投げつける。陸貞りくていは怒って帯を水に投げ捨て、泣きながら立ち去る。

婁青薔ろうせいしょうとその部下は、陸貞りくていが会おうとしていたのが高湛こうたん で、皇帝は伝言役でしかなかったことを知る。青鏡殿に戻った陸貞りくていは、やけ酒をあおる。元禄げんろくは水に落ちた帯を高湛こうたん に渡し、忠叔ちゅうしゅくは、娘が良い男に惚れたら帯を縫って贈るのが大斉の習わしだと教える。高湛こうたん は深く後悔する。

高湛こうたん陸貞りくていに謝りに行こうとするが、思いとどまる。元禄げんろく丹娘たんじょうを通して陸貞りくていの様子を探らせる。翌朝、二日酔いで目覚めた陸貞りくていは、今日が筆記試験の日だと丹娘たんじょうに言われ、慌てて試験会場へ向かうが、王尚儀おうしょうぎ陸貞りくていの受験を拒否する。

第13話の感想

第13話は、陸貞りくてい高湛こうたん の関係が大きく揺れ動くエピソードでした。高湛こうたん の優しさに触れ、彼への想いを深める陸貞りくてい。しかし、宮廷内の権力争いに巻き込まれ、二人の仲は試練を迎えます。

高湛こうたん陸貞りくていへの贈り物である官籍を用意するなど、彼女への好意を隠そうとしません。陸貞りくていもまた、高湛こうたん の優しさに心惹かれ、「阿湛」と呼ぶシーンは、二人の関係が深まっていることを感じさせます。しかし、宮廷内での立場を考えると、二人の関係は許されるものではありません。楊姑姑ようこくの言葉にもあるように、陸貞りくていが父の仇を討つためには、高湛こうたん との関係を断ち切らなければならないのかもしれません。

そんな中、陸貞りくていは皇帝に高湛こうたん との関係を問い詰められます。陸貞りくていは全ての責任を負おうとする覚悟を見せますが、皇帝の仮応は意外なものでした。皇帝は二人の関係を咎めるどころか、陸貞りくてい高湛こうたん にとって特別な女性だと認めるのです。皇帝の真意は測りかねますが、この出来事が二人の関係にどのような影響を与えるのか、今後の展開が気になります。

つづく