あらすじ

第十七話は、陸貞りくていの宮中での苦難と蕭喚雲かんうんと皇帝の確執を中心に展開します。蕭喚雲かんうん陸貞りくていを殺そうとしたことで皇帝と激しく衝突し、その結果皇帝は病に倒れてしまいます。その後、皇帝は陸貞りくていを守ろうという意思を示し、彼女の安全のために宮廷の外へ出すことまで考えます。貴妃きひ王璇おうせんの助言を受け、鳳印を返還することで皇帝との関係修復を試みます。

一方、宮中では元旦の祭天儀式の準備が進められていました。蕭喚雲かんうんはこの機会を利用して自らの地位を誇示しようとしますが、陸貞りくていは鎮国十二步揺を巧みに扱い、皇太后たいこうが祭天の儀式で尊厳を取り戻す手助けをします。

ネタバレ

喚雲かんうんが宮中で大騒ぎをし、皇帝は激怒。貴妃きひの振る舞いを叱責し、失望を露わにした。貴妃きひは、皇帝の心には自分がいないと仮論し、陸貞りくていを殺すとまで言い放った。その時、皇帝は突然発作を起こした。

貴妃きひは剣を抜いて陸貞りくていを殺そうとしたが、皇帝は陸貞りくていに逃げるよう命じた。侍衛たちは貴妃きひの指示で陸貞りくていの逃亡を阻止しようとしたものの、最終的には貴妃きひの命令に従い、陸貞りくていを杖刑にしようとした。皇帝はそれを阻止し、陸貞りくていを殺すなら自分を先に殺せとまで言った。陸貞りくていはなんとか逃げ出し、青鏡殿に戻って泣き崩れた。

青薔せいしょう太后たいこうにこの一件を報告し、貴妃きひは自分の過ちに気づいているものの、皇帝は彼女に会おうとしないと伝えた。陸貞りくていの頭部に怪我があると知った太后たいこうは、青薔せいしょうに雪蛤膏を届けさせた。青薔せいしょうは、太后たいこうに認められた陸貞りくていは幸運だと語り、臘梅ろうばい陸貞りくていが殴られたことを修文殿に広めるよう命じた。

皇帝は一人で酒を飲んでいたところに、高湛こうたん陸貞りくていの様子を尋ねてきた。陸貞りくていは司宝司に閉じこもっており、高湛こうたん は心配していた。元福げんぷくから陸貞りくていの怪我は頭部だけで他は無事だと聞くと、皇帝は高湛こうたん陸貞りくていを見舞うよう勧めた。しかし高湛こうたん は、陸貞りくていは誇り高いので簡単には自分の気遣いを受け入れないだろうと考えた。

皇帝は自責の念に駆られ、陸貞りくていを守るために宮外に出すことを考えた。高湛こうたん は、これからはもっと陸貞りくていを守り、二度と辛い思いをさせないと決意した。陸貞りくてい高湛こうたん の深い愛情を見て、皇帝はなぜ自分と蕭喚雲かんうんはあんな風に仲良くできないのかと嘆いた。

皇帝が許してくれないことに、蕭喚雲かんうんは激怒していた。王璇おうせん貴妃きひに頭を下げて謝罪し、事が落ち著いてから陸貞りくていをどうにかするよう進言した。王璇おうせんの言葉に従い、貴妃きひ阮娘げんじょうに鳳印を皇帝に渡すよう命じた。その後、皇帝は貴妃きひを訪ね、自分の非を認めた。

玲瓏れいろう陸貞りくていに、明日、各宮女司の長官たちが太后たいこう貴妃きひと共に元旦の祭天について話し合うと伝えた。例年、祭天の儀式は太后たいこうが執り行っていたが、今回は蕭喚雲かんうんが担当することになり、太后たいこうは激怒し、礼部尚書れいぶしょうしょに賄賂を受け取ったのかと詰問した。蕭喚雲かんうんは、祭天は後宮で最も位の高い女性が執り行うべきだと仮論し、梁国りょうこくの公主である自分が太后たいこうより位が高いことを暗に示した。それを聞いて太后たいこうは咳き込んだ。

青薔せいしょう太后たいこうに、開国の趙皇后ちょうこうごうが祭天で使用した鎮国十二歩揺を使って正統性を示すよう進言した。貴妃きひは司宝司に十二歩揺を 含光殿に届けるよう命じた。この難題に、陸貞りくてい玲瓏れいろうに十二歩揺を六時間土に埋め、その後掘り出して累金鳳冠を新しく作り直すよう指示した。

陸貞りくていは新しくなった鳳冠と処理した歩揺を持って太后たいこうに謁見した。説明を聞いた太后たいこうは鳳冠を受け取り、歩揺は陸貞りくていに持ち帰らせた。太后たいこうは目の前の女官が陸貞りくていだと気づき、その美貌を絶賛し、貴妃きひよりも美しいと褒めた。

祭天の儀式で、貴妃きひが得意げにしているところに、真新しい鳳冠をつけた太后たいこうが現れ、大臣たちは「倍当」と歓呼した。王尚儀おうしょうぎ貴妃きひに、司宝司を通して太后たいこうに歩揺を渡して困らせようとしたのに、陸貞りくていの裏工作で失敗したと訴えた。貴妃きひは諦めず、元旦の三朝命婦朝賀の際に、釵環首飾を贈ることを決め、司宝司にその準備を命じた。

高湛こうたん陸貞りくていを見つけ、歩揺の件は彼女の仕業かと問い詰めた。陸貞りくていは認め、貴妃きひにいじめられているので我慢ばかりしていられない、それに太后たいこうもいざという時は助けてくれると約束してくれたと説明した。高湛こうたん陸貞りくていの手を掴み、どうやって太后たいこうと繋がったのか問い詰め、太后たいこうに近づくのをやめるよう警告した。二人は言い争ってしまった。

第17話の感想

第17話は、陸貞りくていと蕭喚雲かんうんの対立がさらに激化し、宮廷内の緊張感が高まるエピソードでした。蕭喚雲かんうんの嫉妬と怒りは頂点に達し、ついに陸貞りくていを殺そうとするまでに至ります。皇帝の病の発作、陸貞りくていの逃亡劇、そして皇帝が身を挺して陸貞りくていを守るシーンは、緊迫感に満ち溢れていました。

一方、このエピソードでは、陸貞りくてい高湛こうたん の絆の深さも描かれています。高湛こうたん陸貞りくていを心配し、彼女を守ることを誓います。二人の強い信頼関係は、宮廷内の陰謀や争いの中で、一筋の光のように感じられました。

また、太后たいこうの存在感も際立っていました。彼女は陸貞りくていの才能と美貌を認め、陰ながら彼女を支援します。太后たいこう陸貞りくていの関係は、今後の物語の展開に重要な役割を果たしていくことでしょう。

つづく