あらすじ
第19話は、蕭喚雲、陸貞、そして高湛 の三人が織りなす複雑な愛憎劇を描いています。高湛 が他の女性を愛していることを知った蕭喚雲は深い悲しみに沈み、王璇は慰めようとしますが、彼女の心には届きません。
一方、意識を失っていた陸貞は長広王に助けられ、修文殿で静養していました。目を覚ました陸貞は、自分の命を救ってくれた人物が誰なのか分からず戸惑いますが、偶然にも手がかりを見つけます。
その後、高湛 と陸貞は再会を果たします。高湛 は必死に自分の気持ちを説明し、真実を伝えようとしますが、過去の欺瞞行為が陸貞の心に深い傷を残しており、彼女は彼の言葉を信じることができません。そして、宮廷での生活から離れることを決意します。
最後に陸貞は、思い出が詰まった玉佩を丹娘に託し、高湛 に自由にしてくれるよう頼みます。高湛 は彼女の許しを請いますが、陸貞の心はすでに決まっていました。
ネタバレ
蕭喚雲は宮中で一人悲しみに暮れていた。高湛 が他の女性を愛しているという事実を受け入れられず、王璇に慰められながらも、陸貞への嫉妬と高湛 への不信感を露わにする。かつての愛の誓いを思い出し、なぜ新しい恋人ができたのかと問い詰めるように泣き叫ぶ。王璇は男の心変わりはよくあること、権力こそが永遠だと諭すが、蕭喚雲は高湛 の天下取りを助けるのは自分だけだと自信を深める。
一方、宦官から蕭貴妃の様子を聞いた皇帝は、今日の出来事を口外無用と命じる。元禄は丹娘に、陸貞が長広王に助けられ、修文殿で療養中だと伝える。丹娘は喜びの涙を流し、すぐに陸貞の元へ駆けつけようとするが、元禄に止められる。
目を覚ました陸貞は、命の恩人が誰なのかを知りたがるが、周りの宮女たちは口を閉ざす。皇帝が助けてくれたのかと疑うも、見知らぬ宮女たちが世話をすることに違和感を覚える。その頃、長広王は忠叔と共に義兄の使いと会い、陸貞が意識を取り戻したと聞き、すぐに見舞いに行かせ、自分が陸貞を救ったと伝えるように指示する。
眠れない陸貞は宮女に安神香を用意してもらう。宮女が眠りに落ちた後、陸貞は偶然、剣と隠された観音像を見つけ、過去の記憶が蘇る。部屋を出てみると、そこは長広王の寝宮ではなく修文殿だった。通りかかった王尚儀から、長広王が陸貞をここに連れてきたこと、そして今の状況の危うさを告げられる。陸貞は高湛 が自分を助けたと信じているため、王尚儀の言葉に疑問を抱く。
陸貞を見つけられない長広王は、部下に捜索を命じる。ついに高湛 が陸貞と再会し、二人は抱き合う。陸貞は高湛 の正体を問い詰めるが、説明しようとしたところで宮女が現れ、邪魔をされる。高湛 は陸貞への愛が本物だと訴え、かつて彼女が贈った腰帯を見せるが、陸貞は裏切られた悲しみを拭えず、腰帯を返してもらい、もう二度と関わりたくないと言い放つ。
陸貞は高湛 に自分を解放し、普通の女官として生きていくことを願う。高湛 はそれを拒み、許しを乞う。苦悩の末、陸貞は思い出の詰まった玉佩を丹娘に託し、元禄に渡すように頼む。長広王は都を離れる前に、皇帝に陸貞の面倒を見るよう頼むのだった。
第19話の感想
第19話は、陸貞と高湛 のすれ違いがもどかしく、見ていて胸が締め付けられるような展開でした。高湛 の愛は本物であるにもかかわらず、正体を隠していたこと、そして蕭喚雲の存在が、陸貞の心を深く傷つけていることが伝わってきました。陸貞の悲しみや怒りは当然のことでしょう。特に、高湛 が腰帯を見せても陸貞の心が揺るがないシーンは、彼女の強い意誌と、裏切られたことへの深い失望を感じさせ、印象的でした。
一方、蕭喚雲の悲しみもまた、切ないものでした。愛する人に裏切られたという点では、陸貞と同じ立場でありながら、彼女は権力に固執することで心のバランスを保とうとしているように見えます。この対比が、二人の女性の異なる性格を際立たせていました。
また、長広王の陸貞への想いが、この複雑な三角関係にさらに影を落としています。彼が陸貞を救出したことで、事態はより複雑化し、陸貞と高湛 の仲はますます引き裂かれていくようです。今後、長広王の存在がどのように物語に影響していくのか、目が離せません。
つづく