あらすじ
第二話では、陸貞の家族内における立場と彼女が直面する試練が主に描かれています。陸家の仕入れを取り仕切る権限を握ったことで、夫人と陸珠から嫉妬の目を向けられる陸貞。特に、陸珠に大切にしていた首飾りを譲るのを拒んだことから、二人の確執は深まります。
そんな中、陸貞は高湛 が商人の姿で町に入るのを手助けし、彼女の知恵と優しさが垣間見えます。しかし、陸家に突如として不幸が訪れます。父の老陸が急死し、夫人はこの機に陸貞に濡れ衣を着せ、家産を乗っ取るために彼女を池に沈めて殺そうと企てます。
絶体絶命のその時、陸貞は遺言書によって真実を明らかにします。小環は罪を認め、自ら命を絶ち、危機は一時的に回避されます。しかし、趙安とその妹は陸貞を脅威とみなし、更なる行動を企てます。
陸貞は身の安全を守るため、家を出て李家の次男がいる守備府に助けを求めます。こうした一連の出来事は、複雑な人間関係だけでなく、陸貞の強さと機転を際立たせています。
ネタバレ
乳母の心配をよそに、陸貞は家業の仕入れに忙しく、嫁入り道具の準備ができていない。結婚に興味がない陸貞は、父と共に商売を続けたいと甘える。
陸夫人は、陸貞が趙安の仕事を奪い、巨額の資金を管理していることを嘆く。一方、娘の陸珠にはわずかな額しか与えられていない。陸珠は姉の陸貞を擁護するが、陸夫人は陸貞を妾腹の子と罵る。陸珠は母方の叔父が不正をしていると訴えるが、逆に平手打ちを食らう。
陸珠は陸貞の紅珊瑚のネックレスを欲しがるが、陸貞は拒否。父は陸貞を叱り、外出を禁じる。陸貞は下人の服に著替え、窯の様子を見に行く。父は陸珠に同じ紅珊瑚のネックレスを買ってやるが、店主は麝香に浸されたそのネックレスは陸珠には合わないと忠告する。
柔然人が都への入城を禁じられる中、陸貞は彼らを助ける。高湛 は陸貞に助けを求め、大食商人に扮して入城する。家令は、紅珊瑚のネックレスは趙安が陸貞の嫁入り道具として贈ったものだと父に報告する。陸珠は母に、姉を陥れたのかと泣きながら問いただす。
父は紅珊瑚の件について陸貞に問うが、陸貞は過ぎたことだと水に流す。父は陸夫人を罰すると約束する。
趙安とその姉は、遺言書作成のために文官が屋敷に呼ばれたことを知り、趙安は文官を問い詰める。長広王高湛 の葬儀で、長公主は悲しみのあまり倒れる。皇太后は高湛 を皇太弟に任命し、高湛 は聖旨を受ける。皇帝は喜び、高湛 を抱きしめるが、皇太后は製止する。高湛 は皇帝を支え、大斉の復興に尽力すると誓う。
皇太后は側近に命じ、後宮に美女を集め皇子を産ませ、高湛 の皇太弟の地位を廃そうと企む。趙安は姉に、遺言書の変更で陸貞が有利になるため、彼女を殺すべきだと提案する。
父は陸貞に、役人に頼んで結婚を延期させたと伝える。喜ぶ陸貞に、父は亡き母の遺愛の簪を贈る。その時、父は胸を押さえ、倒れてしまう。
陸夫人は陸貞を捕らえ、自分が淹れたお茶で父が死んだと責める。一族の長老たちは陸貞が犯人とは思わないが、陸夫人は父の遺言書を提示する。そこには、陸家の全財産を陸貞が相続すると記されていた。陸夫人は陸貞を池に沈めるよう命じるが、陸珠が止めに入る。
陸貞は遺言書の不審な点に気づき、長老たちは茶を運んだ下女の小環を捕らえる。小環は自分が陸氏の主人を殺したと自白し、柱に頭を打ち付けて死ぬ。一族の名誉を守るため、長老たちは事件の幕引きを図る。
趙安は姉に、陸貞は危険な存在だと訴える。姉は既に先手を打っていると告げる。陸珠は姉に、母と叔父が七十歳過ぎの王氏に陸貞を妾として嫁がせようとしていると伝え、逃げるよう促す。陸貞は家を出て、役人の李氏のもとへ向かう。
第2話 感想
第二話は、陸貞の過酷な運命の始まりを描いており、息もつかせぬ展開に目が離せませんでした。父の死、濡れ衣、そして家からの逃亡と、次々と降りかかる不幸に胸が締め付けられます。
特に印象的だったのは、陸貞の強い芯です。理不尽な非難にも屈せず、冷静に状況を分析し、自らの無実を証明しようと奮闘する姿は、まさにヒロインの鏡と言えるでしょう。また、商才に優れ、家業を支える彼女の姿は、現代社会でも共感を呼ぶのではないでしょうか。
一方、陸夫人の悪辣さは際立っていました。娘の陸珠を道具のように扱い、陸貞を陥れるために手段を選ばない姿は、まさに悪役の典型です。彼女と陸貞の対比が、物語に緊張感を与えています。
つづく