あらすじ
第二十一話では、宮廷内の複雑な人間関係と愛憎劇に焦点が当てられています。高湛 は蕭喚雲の駆け落ちの誘いを断り、兄の高演 に蕭喚雲をかばったことで殴られてしまいます。しかし、高湛 はそれを喜び、兄が蕭喚雲に本気である証だと感じます。鬱皇后が亡くなり、婁貴妃が新たな皇后となります。蕭喚雲は真相を知り、阿湛のために復讐を決意します。
一方、陸貞は宮廷で懸命に働き続け、楊姑姑から辞職して家に帰るよう勧められますが、それを断ります。そして、彫刻磁器の技術を学び始め、ついに朱尔庭に認められ弟子入りします。同時に、陸貞は長広王と沈嘉敏の親密な関係に気づき、心中で不満を抱きます。
ネタバレ
高演は高湛 に全ては母の過ちだと説明する。蕭喚雲は高湛 に抱きつき駆け落ちしようと持ちかけるが、高湛 は拒絶する。それを見た高演は高湛 を殴り、喚雲をそんな風に扱うなと叱責する。高湛 は兄が自分のために怒ったことを喜び、喚雲との縁は既に尽きたと告げ、高演に喚雲を連れて帰るよう促す。
高湛 は喚雲に自分を忘れ、叔嫂としての情しかないと誓う。鬱皇后が亡くなり、婁貴妃が皇后の座につく。蕭喚雲は鬱皇后が婁氏に殺されたことを知り、高湛 が復讐のために都に戻らなかった理由を悟る。そして、高湛 と自分のために仇を討つことを誓う。
陸貞が文を書いていると楊姑姑がやってきて、高湛 が長広王であろうと気にせず暮らすよう諭す。陸貞は高湛 に騙されたことだけでなく、彼から継母に全てを奪われたと聞かされていたこと、そして彼と共にいれば危険が伴うことを明かす。楊姑姑は陸貞に辞官して静かに暮らすよう勧めるが、蕭貴妃がもう陸貞を狙わないと元福から聞いた陸貞はそれを拒む。
婁青薔は陸貞に、長広王に助けられたこと、そして陸貞が長広王を狙っていたことをわざとらしく話す。陸貞は否定し、太液池での出会いは陛下の指示だったと説明する。婁青薔はそれが皇帝の計らいだと理解し、陸貞が蕭貴妃と王璇を出し抜いたことを褒める。
婁青薔は陸貞に買入伝票の確認を頼む。楊姑姑は婁青薔が陸貞を信用していると指摘する。陸貞が理由を尋ねると、前回の調査で司宝司だけが問題なかったため、婁青薔は陸貞の会計能力を利用しようとしているのだと楊姑姑は説明し、陸貞に注意を促す。
陸貞は朱尔庭に焼き物の彫り職人のことを尋ねる。朱尔庭に見せられた焼き物を見て、陸貞はそれらが朱尔庭の作品だと気付く。陸貞の熱心な頼みで、朱尔庭は彼女に技術を教えることに同意する。
陸貞は焼き物の彫刻を作るが、納得がいかない。玲瓏の言葉で閃いた陸貞は、玲瓏に連れられて玉彫刻の職人の元を訪ねる。焼き物と玉彫刻の技術を学んだ陸貞は、陶片に彫刻を施す。朱尔庭は陸貞の才能を褒め、弟子として受け入れる。
陸貞が鉛筆で練習していると、丹娘がやってくる。長広王の身分を隠していたことを陸貞に許してもらい、罰として好物の酥を食べることを禁じられる。丹娘は陸貞の後をついて回り、許しを請う。
陸貞は内侍府で朱尔庭に会っている時、長広王と長公主が戻ってきたことを偶然耳にする。そして、沈嘉敏と親しげにしている長広王を見て、陸貞は怒ってその場を去る。
第21話の感想
第21話は、それぞれの登場人物の複雑な感情が交錯する、見応えのあるエピソードでした。高湛 と蕭喚雲の切ない別れは、高湛 の深い苦悩と喚雲の強い意誌を浮き彫りにしました。高演の怒りは、弟への愛情と喚雲への同情が入り混じった複雑な感情を表しており、三人の関係性の深さを改めて感じさせます。高湛 が喚雲を突き放すシーンは、彼の復讐への強い決意と、愛する人を守るための苦渋の選択を物語っており、胸が締め付けられるようでした。
一方、陸貞は宮廷内で著実に力をつけていきます。婁青薔との駆け引きは、陸貞の機転と冷静さを際立たせ、今後の展開への期待を高めます。朱尔庭に弟子入りする場面は、陸貞の向上心と才能を示す印象的なシーンでした。一見順風満帆に見える陸貞ですが、高湛 との再会は彼女に大きな動揺を与えます。沈嘉敏との親密な様子にショックを受ける陸貞の姿は、彼女がまだ高湛 への想いを断ち切れていないことを示唆しており、今後の二人の関係がどうなっていくのか、目が離せません。
つづく