あらすじ
第二十二話は、沈嘉敏が太后の計らいで六品司珍となり、司宝司を管理することになったことで巻き起こる様々な騒動を描いています。宮中の人々は彼女の就任について噂をし、陸貞は沈嘉敏の真意を疑います。
沈嘉敏は就任早々、傲慢で尊大な態度を見せ、陸貞を蔑み、不当な罰を与えます。高湛 は沈嘉敏に陸貞を気遣うようそれとなく伝えますが、彼女は表向きは従うものの、裏では二人の関係を探らせます。
沈嘉敏は漆器を洗浄するためにアルカリ性の水を使うよう指示し、結果として文物を損傷してしまいます。事が露見すると、太后から厳しく叱責されます。この一件で司宝司内の緊張状態は一時的に緩和しますが、陸貞と沈嘉敏の対立はより深まります。
ネタバレ
沈嘉敏は長公主に連れられ太后に謁見。口達者な沈嘉敏を太后は気に入り、六品司珍に任命、司宝司を管理させることに。宮女たちは噂話に花を咲かせますが、陸貞は冷静に職務に励むよう指示。内心では沈嘉敏の真意を探っていました。
婁青薔は太后に沈嘉敏を司宝司に任命した意図を問いただします。太后は沈嘉敏を「お飾り」と評し、長公主が高湛 との縁談を進めていること、沈家は有力ではないため高湛 が娶っても脅威にならないこと、そして沈嘉敏の性格では皇太子妃には不向きであることなどを明かします。
陸貞が文を書いていると、琳琅が慌てて呼びに来ます。沈嘉敏の侍女・芳華が主人の荷物を正殿に運び込み、傍若無人に振る舞っていたのです。陸貞が注意しますが、芳華は陸貞の名前を呼び捨てにし、全く耳を貸しません。陸貞は沈国公府の面汚しだと叱責し、芳華は怒って立ち去ります。
司宝司に著任した沈嘉敏は、陸貞と琳琅が芳華に無礼だったと騒ぎ立て、出迎えが遅いことを理由に陸貞に二時間の跪坐を命じます。夜、高湛 は陸貞を訪ね、沈嘉敏はまだ子供だから大目に見てやってほしいと頼みます。陸貞は怒ってその場を去ります。
高湛 は沈嘉敏に会い、陸貞の父がかつて自分の部下だったと嘘をつき、陸貞を大切にするよう頼みます。沈嘉敏は表面上は承諾しますが、高湛 が去ると芳華に陸貞と高湛 の関係を探らせるよう命じます。
沈嘉敏は就任初日、司宝司は自分が仕切ると宣言。芳華と月華を一等宮女に昇格させ、琳琅と玲瓏を閑職に追いやり、陸貞には宝物の清掃を命じます。月華は陸貞への仕打ちを諫めますが、沈嘉敏は司衣司の沈碧から陸貞が高湛 に言い寄っていると聞いたことを明かします。
沈嘉敏は陸貞に宝物を強いアルカリ性の水で洗うよう強要します。陸貞が拒否すると、沈嘉敏は怒って宝物をアルカリ水に投げ入れてしまいます。臘梅は沈嘉敏と陸貞を太后のもとへ連れて行きます。陸貞は臘梅に太后の怒りの理由を尋ね、臘梅は宝物の件を話します。
長公主は沈嘉敏に、咸安王妃に贈るはずだった骨董の漆器がなぜ壊れているのかを問い詰めます。陸貞は言い訳しますが太后には通用せず、仕方なく司宝司の宝物がアルカリ水で洗われたことを白状します。太后は誰がそんなことをしたのかと問いただし、陸貞は沈嘉敏の命令だったと答えます。
太后に叱責された沈嘉敏は泣きじゃくります。婁青薔は陸貞に、これで司宝司も少しは静かになると言います。臘梅は長公主が陸貞のことを知らないふりをしていたことに疑問を抱きます。婁青薔は、王璇が沈嘉敏に仕掛けた工作がまた無駄になったのだと臘梅に教えます。
高湛 は陸貞に会いに司宝司へ行きますが、沈嘉敏が出てきてずっと待っていたと言います。陸貞は怒って立ち去ります。高湛 は陸貞を探しますが姿が見えず、代わりに手紙を書いて殿に残します。陸貞は手紙を読んだ後、すぐに燃やしてしまいます。
第22話の感想
第22話では、沈嘉敏の登場によって司宝司が一変し、陸貞は新たな試練に立ち向かうことになります。太后の思惑、高湛 の優しさ、そして沈嘉敏の幼稚な振る舞いが複雑に絡み合い、物語は波乱の展開を見せています。
沈嘉敏の性格は、まさに「お姫様育ち」といった感じで、わがままで自己中心的です。自分の地位を利用して陸貞をいじめる姿は、見ていて腹立たしいほどです。高湛 に気に入られようと必死になる姿は滑稽ですが、その裏にある嫉妬心や焦りも感じられます。
つづく