あらすじ
第25話は、陸貞の宮廷での立場と人間関係を中心に展開します。
皇帝は、陸貞の沈司珍への対応を称賛し、喚雲の嫉妬を避けるため、呉繡への賜婚に言及しました。高湛 は陸貞への深い愛情を示し、彼女を抱きかかえて宮殿に戻っただけでなく、丹娘も昇進させました。陸貞は長公主の面目を保つため、沈嘉敏を処分せず、実力で六口女官になりたいという望みを高湛 に打ち明けました。高湛 は皇位を自分ではなく甥をはじめとする後継者に譲る決意をし、権力に対する考え方の変化を示しました。陸貞は婁尚侍と沈嘉敏の挑発に対し冷静さを保ち、知恵を駆使して烏頭の事件による問題を解決し、司衣司への異動を願い出ました。
ネタバレ
皇帝は陸貞に沈司珍の処遇を尋ねた。陸貞は、沈司珍は自分に濡れ衣を著せたわけではないこと、また、以前烏頭事件の責任を皇帝自身が負ってくれたことを理由に、処罰は不要と答えた。皇帝は呉将軍への説明を懸念したが、陸貞は呉将軍と上柱国という重臣同士の間に亀裂が生じる恐れがあるため、説明は不要と進言。皇帝は陸貞を女諸葛亮と褒め、喚雲の嫉妬を避けるため、呉绣に良縁を授けると告げた。
皇帝は陸貞を送り返すよう指示。高湛 は陸貞を抱き返そうとした。陸貞は自分で歩けると言ったものの、足の痛みがひどく、結局高湛 に抱きかかえられた。宮女たちは長広王が陸貞を抱えているのを見て騒ぎ出した。陸貞は恥ずかしがり高湛 に八つ当たりしたが、高湛 は「お前は俺の女だ。誰にも変えられない」と告げた。丹娘は窓の外で盗み聞きし、近づいてきた元禄の耳を引っ張った。
陸貞が沈嘉敏を処罰しなかったのは、彼女が長公主に連れられて入宮したため、事を大きくすれば長公主の面目に関わるからだった。高湛 は昭陽殿以降、陸貞が怒らなくなった理由を尋ねた。陸貞は牢獄の友人の言葉を語り、高湛 は二度とあんな思いをさせないと誓い、額にキスをした。高湛 は陸貞が自分の力で六口女官を目指していることを理解し、全てが終わって自分の元に帰るまで待つと約束した。
高湛 は丹娘を一等宮女に昇進させた。丹娘は跪いて感謝した。高湛 は忠叔に、皇帝の言葉で、自分を害したのは婁氏であり、皇帝を警戒するべきではないと気づいたと語った。そして、陸貞の幸せそうな顔を見て、兄に皇帝の座を譲り、甥やその子孫に皇位を継がせると決めたと明かした。
忠叔は先皇が高湛 を後継者に指名したことを語り、高湛 が文武両道の皇帝になると信じていたと述べた。高湛 は文は既に皇帝がある程度達成しており、武は殺戮を伴うため、もう十分な死を見てきたと語った。そして、母の仇は必ず討つと誓った。忠叔は高湛 の決断を支持した。
沈嘉敏は陸貞に、自分が扮装して脅したのかと詰め寄った。陸貞は「やましいことをしなければ、お化けも怖くない」と返した。沈嘉敏は怒って陸貞を叩こうとしたが、婁尚侍に止められた。陸貞は高湛 の言葉を思い出し、婁尚侍に近づかないように気をつけた。
婁青薔は陸貞に烏頭事件について尋ねた。陸貞は、琴弦の水母汁は王尚儀の仕業で、迎春宴で自分を辱めるためだったこと、烏頭が入っていた手巾は貴妃娘娘のものだったため、自分が責任を負ったと説明した。楊姑姑は陸貞の大胆さに驚き、貴妃に罪をなすりつけたことを咎めた。陸貞は自分が悪すぎるのかと尋ね、楊姑姑はそうではないとしながらも、今後のことを心配した。陸貞は婁尚侍に司衣司への異動を願い出た。
太后は皇帝と陸貞を近づける機会を伺っていたが、婁尚侍は迎春宴の二の舞になることを恐れ、遠くから見守るべきだと仮対した。太后は婁青薔に陸貞を育成するよう指示した。
陸貞は斉司正から都美児を救い出し、金を与えて宮廷から逃がした。陸貞は司衣司へ行き、陳典侍に紹介された大宮女の中に沈碧の姿を見つけ、驚いた。玲瓏は陸貞に司衣司への異動を願い出た。陸貞は高湛 に相談し、高湛 は玲瓏を助手として異動させることを提案した。高湛 は陸貞が牢獄にいた時、沈碧が奔走し、金を使って牢番の宮女に陸貞の世話を頼んでいたことを話した。陸貞は驚いた。
沈碧は陸貞に衣飾儀製図を贈り、陸貞は彼女の変化に気づいた。丹娘は贈り主が沈碧だと知り驚き、陰でこそこそするなと非難した。陸貞は沈碧の変化に驚きつつも、まだ完全には信用していなかった。
陸貞は陳典侍に沈碧のことを尋ねた。陳典侍は沈碧は以前は少し横柄だったが、有能なので上手く使えば問題ないと答えた。陸貞は沈碧に昭陽殿へ春衣を届けるよう命じた。沈碧は感激して跪き、感謝した。陸貞は玲瓏に信頼できる宮女二人を付けて沈碧を監視するよう指示した。
第25話の感想
第25話は、陸貞の機転と高湛 の深い愛情、そして宮廷内の複雑な人間関係が巧みに描かれた回でした。沈司珍の件に対する陸貞の対応は、ただ単に沈司珍を罰するだけでなく、呉将軍と上柱国との関係性まで考慮した、まさに「女諸葛亮」と呼ぶにふさわしい賢明さでした。高湛 が陸貞を抱きかかえるシーンは、二人の強い絆を感じさせ、見ているこちらも胸が熱くなりました。公衆の面前での大胆な行動は、高湛 の陸貞への深い愛情の表れであり、同時に彼の強い意誌も感じられます。
一方、丹娘の一等宮女への昇進や、沈碧の意外な行動など、脇役たちの描写も丁寧に描かれており、物語に深みを与えています。特に沈碧の豹変ぶりは、今後の展開に大きく関わってくるであろうことを予感させ、非常に興味深いです。彼女が本当に改心したのか、それとも何か裏があるのか、今後の動向に注目したいところです。
高湛 が皇位継承について考えを改めたことも大きな変化です。陸貞の幸せを願う気持ち、そして兄である皇帝への信頼が、彼の決断を後押ししたのでしょう。忠叔との会話からも、高湛 の成長と変化が見て取れます。これまで復讐心に燃えていた彼が、民の平和を優先するようになったことは、大きな成長と言えるでしょう。
つづく