あらすじ

第28話は、陸貞りくてい高湛こうたん の波乱万丈な恋模様と、宮廷内の権力争いを中心に展開します。

皇帝が高湛こうたん ではなく陸貞りくていを御駕籠に乗せて宮中へ送り返したことに、蕭喚雲かんうんは激怒し、宮中では様々な憶測が飛び交います。皇帝は陸貞りくていへの配慮を説明しようと試み、高湛こうたん陸貞りくていが結ばれることを望みます。

陸貞りくていの宮中での立場は危うくなり、王尚儀おうしょうぎ沈碧しんへき陸貞りくていから権力を奪うよう命じます。一方、太后たいこう陸貞りくていを支持し、女官試験で優秀な成績を収めて地位を取り戻すよう励まします。

高湛こうたん陸貞りくてい太后たいこうに取り入って昇進を求めていると誤解し、二人は激しい口論の末、険悪なムードに陥ります。その後、高湛こうたん は自分が利用されていたことに気づき、真相究明に乗り出します。

喚雲かんうんは他の妃嬪たちの懐妊を妨害してきたことを明かし、皇后の座を狙っていることをほのめかしますが、高湛こうたん から厳しく叱責されます。

ネタバレ

皇帝は陸貞りくてい沈司珍しんしちんの処遇を尋ねた。陸貞りくていは、沈司珍しんしちんは自分に濡れ衣を著せたわけではないこと、また、以前烏頭事件の責任を皇帝自身が負ってくれたことを理由に、処罰は不要と答えた。皇帝は将軍への説明を懸念したが、陸貞りくてい将軍と上柱国じょうちゅうこくという重臣同士の間に亀裂が生じる可能性を指摘し、説明は不要と進言した。皇帝は陸貞りくていを女諸葛と褒め、喚雲かんうんの嫉妬を避けるため、呉繡ご・しゅうに良縁を授ける考えを示した。

皇帝は陸貞りくていを送り返すよう命じた。高湛こうたん陸貞りくていを抱きかかえようとした。陸貞りくていは自分で歩けると言ったものの、足の痛みはひどく、結局高湛こうたん に抱えられた。宮女たちは長広王ちょうこうおうが高大人を抱えているのを見て騒ぎ始めた。陸貞りくていは恥ずかしがり高湛こうたん に八つ当たりしたが、高湛こうたん は彼女が自分の女であるという揺るぎない事実を告げた。丹娘たんじょうは窓の外で盗み聞きし、近づいてきた元禄げんろくの耳を引っ張った。

陸貞りくてい沈嘉敏しんかびんを処罰しなかったのは、彼女が長公主ちょうこうしゅに連れられて入宮したため、事を大きくすれば長公主ちょうこうしゅの面目に関わるからだった。高湛こうたん は昭陽殿以降、陸貞りくていが怒らなくなった理由を尋ねた。陸貞りくていは牢獄の友人の言葉を語り、高湛こうたん は二度と彼女を苦しませないと誓い、額にキスをした。高湛こうたん陸貞りくていが自分の力で六口女官を目指していることを理解し、全てが終わって自分の元へ戻るまで待つと約束した。

高湛こうたん丹娘たんじょうへの褒美として、彼女を一等宮女に昇進させた。丹娘たんじょうは感謝して跪いた。高湛こうたん忠叔ちゅうしゅくに、皇帝の言葉で、自分を害したのは婁氏ろうしであり、皇帝を警戒すべきではないと気づいたと語った。そして、陸貞りくていの幸せそうな顔を見て、兄に皇帝の座を譲り、甥や孫に皇位を継がせる決意を固めたと明かした。

忠叔ちゅうしゅくは先皇が高湛こうたん を後継者に指名したことを語り、高湛こうたん が文武両道の名君になると信じていたと述べた。しかし、高湛こうたん は皇帝は既に文の面では成し遂げており、武の面は殺戮を伴うもので、既に多くの死を見てきたと語った。そして、母の仇は必ず討つと誓った。忠叔ちゅうしゅくはその決意を支持した。

沈嘉敏しんかびん陸貞りくていの元へ行き、お化けの扮装で自分を脅かしたのは陸貞りくていかと詰問した。陸貞りくていは「やましいことがなければ、お化けも怖くない」と返した。怒った沈嘉敏しんかびん陸貞りくていを叩こうとしたが、婁尚侍しょうじに止められた。陸貞りくてい高湛こうたん の言葉を思い出し、婁尚侍しょうじには近づかないように気をつけた。

婁青薔ろうせいしょう陸貞りくていに烏頭事件について尋ねた。陸貞りくていは、琴の弦の水母汁は王尚儀おうしょうぎの仕業で、迎春宴で自分を辱めるためだったこと、烏頭が入っていた手巾は貴妃きひ娘娘のものだったため、自分が責任を負ったのだと説明した。楊姑姑ようこく陸貞りくていの大胆さに驚き、貴妃きひに罪をなすりつけたことを咎めた。陸貞りくていは自分が悪すぎたのかと尋ね、楊姑姑ようこくはそうではないとしつつも、今後のことを心配した。陸貞りくていは婁尚侍しょうじに司衣司への異動を願い出た。

太后たいこうは皇帝と陸貞りくていを近づける機会をうかがっていたが、婁尚侍しょうじは迎春宴の二の舞になることを懸念し仮対した。太后たいこう婁青薔ろうせいしょう陸貞りくていを育成するよう指示した。

陸貞りくていは斉司正しせいから都美児とびじを救い出し、金を与えて宮廷から去らせた。陸貞りくていは司衣司へ行き、陳典侍ちんてんじに紹介された大宮女の中に沈碧しんへきの姿を見つけ、驚いた。玲瓏れいろう陸貞りくていに司衣司への異動を願い出た。陸貞りくてい高湛こうたん に相談し、玲瓏れいろうを助手として異動させることを提案された。高湛こうたん沈碧しんへきの話を持ち出し、陸貞りくていが牢獄にいた時、沈碧しんへきが奔走し、金を使って暗牢の宮女に陸貞りくていの世話を頼んでいたことを明かした。陸貞りくていは驚きを隠せなかった。

沈碧しんへき陸貞りくていに衣飾儀製図を贈り、陸貞りくていは彼女の変化に戸惑った。丹娘たんじょうは贈り主が沈碧しんへきだと知り驚き、彼女の猫かぶりを非難した。沈碧しんへきは大きく変わっていたが、陸貞りくていはまだ彼女を完全に信用していなかった。

陸貞りくてい陳典侍ちんてんじ沈碧しんへきのことを尋ねた。陳典侍ちんてんじ沈碧しんへきは以前は少し横柄だったが、有能であり、使いこなせば問題ないと答えた。陸貞りくてい沈碧しんへきに昭陽殿へ春衣を届けるよう命じた。沈碧しんへきは感激して跪き、感謝した。陸貞りくてい玲瓏れいろうに信頼できる宮女二人を付けて沈碧しんへきを監視するよう指示した。この回は、宮廷内の複雑な人間関係や権力争い、そして登場人物たちの深い愛情を描いている。

第28話 感想

第28話は、陸貞りくてい高湛こうたん の関係に大きな変化が生じた重要な回でした。これまで互いを想いながらも、様々な障害や陰謀によって引き裂かれてきた二人ですが、ついに想いを確かめ合うシーンは、見ているこちらも胸が熱くなりました。高湛こうたん の真っ直ぐな愛情表現と、陸貞りくていの戸惑いながらも嬉しそうな表情が印象的でした。

特に、高湛こうたん陸貞りくていを後ろから抱きしめるシーンは、二人のこれまでの苦難を乗り越えた喜びが凝縮されているようで、感動的でした。また、陸貞りくていが自分の気持ちを素直に受け入れる様子も、彼女の成長を感じさせ、今後の展開への期待を高めました。

しかし、二人の幸せな時間は長くは続きません。婁昭君ろうしょうくんの策略によって、陸貞りくていは再び窮地に立たされます。せっかく結ばれた二人の仲が、また引き裂かれてしまうのではないかと、ハラハラさせられました。婁昭君ろうしょうくんの冷酷さと執念深さは、物語に緊張感を与えています。

つづく