あらすじ

第33話は、陸貞りくてい長広王ちょうこうおうを救おうとする努力を中心に展開します。陸貞りくてい長公主ちょうこうしゅの屋敷を訪れて助けを求めますが、そこで偶然沈嘉敏しんかびんに出会います。二人は長広王ちょうこうおうの救出をめぐり対立し、沈嘉敏しんかびん陸貞りくていの誠意を疑います。陸貞りくていは決意を示すため、自らの顔を傷つけようとしますが、沈嘉彥しんかげんに阻まれます。

一方、宮中では長広王ちょうこうおうの死の噂が広まり、太后たいこうは密かに葬儀の準備を進めています。皇帝は深い悲しみに暮れますが、陸貞りくていから長広王ちょうこうおうの無事を知らされ、安堵します。陸貞りくていは皇帝に、引き続き悲しんでいるふりをするよう進言し、事態の収拾を図ります。

その後、陸貞りくていは皇帝と貴妃きひ・蕭喚雲かんうんの和解を促します。そこには、蕭喚雲かんうんへの皇帝の変わらぬ愛情と、長広王ちょうこうおう生存の知らせを受けた蕭喚雲かんうんの心の葛藤が描かれています。

最後に、長広王ちょうこうおうの生還を知った太后たいこうは驚きを隠せません。この出来事は、宮廷内の権力闘争の複雑さを改めて示唆しています。

ネタバレ

陸貞りくてい長公主ちょうこうしゅの屋敷を訪ねるも、侍女から長公主ちょうこうしゅは双福寺で長広王ちょうこうおうの無事を祈っていると告げられる。慌てて屋敷を飛び出した陸貞りくていは、ちょうど戻ってきた駕籠を見つけ、長公主ちょうこうしゅのものと思い込み跪く。

しかし、駕籠から降りてきたのは沈嘉敏しんかびんだった。互いに驚きを隠せない中、侍女が再び現れ、長公主ちょうこうしゅは双福寺に泊まると伝える。陸貞りくてい沈嘉敏しんかびん長広王ちょうこうおうを救いたい気持ちがあるか尋ねる。

沈嘉敏しんかびんは一度は父に頼んで長広王ちょうこうおうを救うと約束するが、救出後、長広王ちょうこうおう陸貞りくていが結ばれてしまえば自分には何も残らないと考え直し、拒否する。陸貞りくていは天に誓い、長広王ちょうこうおうが無事に戻れば尼になることを約束するが、沈嘉敏しんかびんは信じない。そして、尼僧と同じように額に戒疤をつけ、自ら望んで焼いたと証言するよう強要する。

陸貞りくていが香を受け取り、額に近づけようとした瞬間、沈嘉彥しんかげんが飛び込んできて香を叩き落とす。妹の沈嘉敏しんかびんを叱責し、玲瓏れいろうをこれ以上苦しめるなと告げる。沈嘉敏しんかびんは兄がなぜ玲瓏れいろうと呼ぶのか疑問に思い、陸貞りくていは本名を明かしていないと答える。

一方、太后たいこうが遣わした宮女が去った後、元福げんぷくは皇帝に長広王ちょうこうおうの遺体が見つかったと報告する。太后たいこうは密かに喪を発せず、棺が都に入城してから葬儀を行うよう命じる。皇帝は悲しみに泣き崩れ、元福げんぷくは倒れるよう促す。

元福げんぷく太后たいこう貴妃きひを皇帝の元へ呼ぶことを提案するが、太后たいこうは拒否する。次に陸貞りくていを呼ぶことを提案すると、太后たいこうは同意する。すぐに陸貞りくていは皇帝の元へ呼ばれ、長広王ちょうこうおうが無事で間もなく都に戻ると伝える。

皇帝と陸貞りくていが楽しそうに話している様子を見て、婁青薔ろうせいしょうは違和感を覚える。皇帝は長広王ちょうこうおう救出の経緯を聞き、大笑いする。陸貞りくてい高湛こうたん はまだ帰還途中なので、もう少し芝居を続けるよう皇帝に頼む。

陸貞りくていは皇帝に二ヶ月も貴妃きひに会っていないことを指摘する。皇帝は喚雲かんうんにも非があると弁明するが、陸貞りくていは愛し合っているならどちらが先に謝るべきかなど気にせず仲直りするよう諭す。

喚雲かんうんが経を唱えていると、皇帝が現れる。喚雲かんうんは経を唱え終えたら毒酒でも白綾でも受け入れると覚悟を告げるが、皇帝は長広王ちょうこうおうの生存と帰還を伝える。そして、喚雲かんうん長広王ちょうこうおうの元に戻りたいなら止めないと告げる。

喚雲かんうん陸貞りくていの話題に触れ、皇帝は喚雲かんうんだけを愛すると誓う。喚雲かんうんは皇帝が誰と一緒になりたいのか問いただし、皇帝は当然自分だと答える。喚雲かんうんは皇帝を太后たいこうと同じ偽善者だと罵るが、愛と尊厳の間で尊厳を選ぶと言う。しかし、皇帝は喚雲かんうんの手を取り抱きしめ、二人は和解する。

婁青薔ろうせいしょう太后たいこうに、昨夜皇帝が含光殿に行き、今朝遅くに帰ってきたことを報告する。太后たいこうは激怒する。臘梅ろうばい長広王ちょうこうおうの帰還を告げると、太后たいこうは驚きを隠せない。

第33話の感想

第33話は、まさに怒涛の展開で、息つく暇もないほどでした。陸貞りくていの機転と勇気、そして高湛こうたん への深い愛情が、物語を大きく動かしていきます。沈嘉敏しんかびんの悪巧みも、今回は沈嘉彥しんかげんの登場によって阻止され、ほっと胸を撫で下ろしました。兄妹でありながら、ここまで対照的な性格というのも興味深いですね。沈嘉彥しんかげんの優しさに触れ、沈嘉敏しんかびんにもいつか変化が訪れることを期待したいです。

皇帝と貴妃きひの場面も印象的でした。二人の間のわだかまりが解け、再び心を通わせる様子に感動しました。特に、皇帝が貴妃きひへの愛を誓うシーンは、胸が締め付けられるようでした。しかし、二人の関係が今後どうなるかはまだ分かりません。太后たいこうの存在が、二人の幸せを阻む可能性も否定できません。

つづく