あらすじ

第36話は、陸貞りくていの潔白と登場人物たちの複雑な恋愛模様を中心に展開します。

まず、陸貞りくてい王尚儀おうしょうぎに龍袍の刺繍の誤りは自分のせいではないと証明しようと試みますが、証拠不十分のため、尚儀しょうぎの職務停止処分を覆すことはできませんでした。沈嘉敏しんかびんは龍袍がすり替えられた事実を証言しますが、その見返りとして高湛こうたん と狩りに出かける機会を得ます。

その後、皇帝は陸貞りくていに官窯設立のための視察を命じ、宮外へと送り出します。陸貞りくていはこの視察を通して、実家の窮状を目の当たりにし、密かに妹の陸珠りくしゅを助けます。

恋愛面では、陸貞りくてい沈嘉彥しんかげんと楽しい時を過ごしますが、高湛こうたん沈嘉敏しんかびんの関係を誤解し、落ち込んでしまいます。しかし、様々な出来事と説明を経て、陸貞りくてい高湛こうたん の間の誤解は解け、高湛こうたん沈嘉敏しんかびんを妹としか見ていないことを明確に表明します。 これは今後の物語の展開に重要な意味を持つことになります。

ネタバレ

陸貞りくてい王尚儀おうしょうぎに、龍袍は自分が縫ったものではないと説明した。自分が縫った龍袍には血痕があり、それを糸で隠したはずだと主張する。沈碧しんへきも、陸貞りくていが龍袍を完成させた後、侍女の玲瓏れいろうにボタン付けを頼んだだけで、他の人は一切触れていないと証言する。しかし、王尚儀おうしょうぎは証拠がない限り処分せざるを得ないと告げる。陸貞りくていは仕立てをチェックした内監に確認すれば分かると訴えるが、王尚儀おうしょうぎは内監のことは自分の管轄外だと突っぱね、証拠があれば潔白を証明すると繰り返す。

そこに沈嘉敏しんかびんが現れ、龍袍がすり替えられたと証言する。しかし王尚儀おうしょうぎ陸貞りくていの職務を一時停止し、司衣司を沈碧しんへきに任せる。芳華ほうか沈嘉敏しんかびんに何故陸貞りくていを助けるのか問いただすと、沈嘉敏しんかびんは自分は将来の皇太子妃であり、今回助けたからといって次回も助けるわけではないと答える。実は沈嘉敏しんかびん高湛こうたん と、陸貞りくていを助けたら狩りに連れて行ってもらう約束をしていたのだ。

元禄げんろく高湛こうたん に、沈嘉敏しんかびんが計画通りに陸貞りくていを助けたことを報告する。高湛こうたん は誰が陸貞りくていを陥れたのか調査するように命じる。陸貞りくてい長広王ちょうこうおうに会いに行くが、部屋の中から沈嘉敏しんかびんの声が聞こえ、長広王ちょうこうおう沈司珍しんしちんを狩りに連れて行くつもりだと知り、落胆して去る。

一方、皇帝は元福げんぷくを通して貴妃きひに、自分の気持ちは本物だと伝え、鳳印を返す。皇帝は陸貞りくていに宮外での視察を命じ、陳国から磁器を買わずに済むよう、宮外に官窯を作る計画を立てる。陸貞りくてい玲瓏れいろうと宮外へ行き、李家の向かいの茶屋で陸家の噂を耳にする。陸家の二女、陸珠りくしゅは李家に嫁いだ後、夫と舅が左遷され、一年以上妊娠しないため、李家の息子は妾を二人娶り、陸珠りくしゅを離縁しようとしているらしい。陸家の財産も陸珠りくしゅの叔父に使い果たされたという。

陸貞りくてい玲瓏れいろうに自分が逃婚した長女だと明かし、たくさんの宝石を買い、玲瓏れいろうに李家へ届けさせる。陸珠りくしゅは赤い珊瑚玉を見て、姉からの贈り物だと気付く。陸貞りくていは街で馬に轢かれそうになるが、沈嘉彥しんかげんに助けられる。沈嘉敏しんかびんがもうすぐ高湛こうたん の皇太子妃になると聞き、陸貞りくていは落胆する。沈嘉彥しんかげんも妹が長広王ちょうこうおうに嫁ぐことに仮対で、陸貞りくてい長広王ちょうこうおうの側室になるのは時間の問題だと考えている。陸貞りくていは自分はもう以前とは違うと説明し、潔白を主張する。

その後、沈嘉彥しんかげん陸貞りくていを馬に乗せて遊びに連れて行き、二人は楽しい時間を過ごす。高湛こうたん沈嘉敏しんかびんと馬に乗っているが、沈嘉敏しんかびんが汗を拭おうとしても拒絶する。沈嘉敏しんかびんは兄の沈嘉彥しんかげんが女性と馬に乗っているのを見つけ、声をかける。高湛こうたん沈嘉敏しんかびんが近づいてくるのを見て、陸貞りくていは慌てて顔を隠して立ち去る。

沈碧しんへき高湛こうたん に想いを伝えようとするが、高湛こうたん はそれを遮り、嫌われる前に立ち去るように言う。忠叔ちゅうしゅく陸貞りくていが修文殿に行ったことをうっかり口にし、元禄げんろくは急いで高湛こうたん に伝える。陸貞りくていが皇帝に官窯の報告をしていると、高湛こうたん が現れ、あの日の誤解を解く。元禄げんろくも駆けつけ、高湛こうたん沈嘉敏しんかびんと一緒だったのは恩返しのためだと説明する。真相を知った陸貞りくてい高湛こうたん を誤解していたことに気付き、高湛こうたん の傷跡を見て、思わず彼を抱きしめる。

最後に、高湛こうたん沈国公しんこっこう府へ行き、沈嘉彥しんかげん沈嘉敏しんかびんを妹としか思っていないことを伝える。沈嘉彥しんかげんは無理強いは良くないと理解し、妹を説得することを約束する。様々な登場人物の感情のもつれと誤解が少しずつ解け、物語は新たな展開へと進んでいく。

第36話の感想

第36話は、陸貞りくていを取り巻く誤解と陰謀、そして様々な人間関係が複雑に絡み合い、見応えのある展開でした。特に陸貞りくていの潔白を証明しようとする奮闘ぶりは、彼女の芯の強さと正義感を感じさせ、応援したくなりました。王尚儀おうしょうぎの杓子定規な対応には苛立ちを覚えましたが、沈嘉敏しんかびんの意外な行動には驚かされました。彼女が自分の利益のためとはいえ、陸貞りくていを助けた真意はどこにあるのか、今後の展開が気になります。

高湛こうたん陸貞りくていの関係にも進展が見られました。誤解が解け、お互いの気持ちを確認し合うシーンは、二人の絆の深さを感じさせ、胸が熱くなりました。しかし、沈嘉敏しんかびんの存在が二人の間に影を落とすことは避けられないでしょう。高湛こうたん沈嘉敏しんかびんを妹としか思っていないと明言したことで、沈嘉敏しんかびんの今後の行動がより予測不可能になり、波乱を予感させます。

また、陸貞りくていの家族の現状が明らかになり、彼女の苦悩がより深く描かれていました。妹を思う姉としての優しさ、そして逃婚した過去に囚われる葛藤など、陸貞りくていの複雑な心情に共感せずにはいられません。沈嘉彥しんかげんとの出会いは、陸貞りくていにとって新たな希望となるのでしょうか。

つづく