あらすじ
第四十話は、陸貞の危篤状態を中心に、周囲の人々が彼女の生死を巡って奔走する様子を描いています。
長公主は沈嘉敏の出京を阻止しようと、全ての責任を負うと申し出ます。高湛 は陸貞の容態を深く憂慮し、侍医から「油尽灯枯の様相」と告げられると、何としても陸貞を救えと厳命します。
一方、太后は婁青薔が陸貞に危害を加えた事実を暴き、貴妃は事態の悪化を防ぐため、陸貞と高湛 を引き離すことを提案します。皇帝もこの件に介入し、陸貞を修文殿から移すよう指示、高湛 には食事に細工をして一時的に身動きが取れなくさせます。
陸貞の治療が万策尽きたかに見えたその時、杜衡が独自の治療法を試み、ついに陸貞は意識を取り戻します。しかし、右手の傷が重く、二度と使えなくなる可能性があることが判明します。
ネタバレ
沈嘉敏が京城を離れようとするのを長公主が止め、自分がまだいると告げる。高湛 は陸貞の傍らで看病を続けているが、太医は本来ならもう意識が戻るはずなのに、まるで燃え尽きそうな様子だと伝える。高湛 は陸貞を救えなければ容赦しないと太医に迫る。皇帝は陸貞の容態の深刻さを知り、太医に何としてでも救うよう命じる。太医は長広王の様子が気がかりだと漏らす。
太后は婁青薔を問い詰め、陸貞に毒を盛ったのは彼女かと尋ねる。陸貞をゆっくりと衰弱させることができるのは婁家の曼陀羅だけだからだ。婁青薔は認めると、太后は責めるどころか、高湛 の様子がおかしいという噂を広めるよう命じる。
貴妃は皇帝に高湛 と陸貞を引き離すべきだと進言し、陸貞を修文殿から移すよう命じようとする。皇帝は自分がやると言い、恨むなら兄である自分を恨めと言う。皇帝から賜った食事を摂った後、高湛 は倒れてしまう。丹娘が駆け寄るが、忠叔はこれが皇帝の仕業だと告げる。
目を覚ました高湛 は陸貞の元へ行こうとするが、皇帝は太医が陸貞の麻穴を封じており、今は寝ているしかないと告げる。高湛 は陸貞に会わせてほしいと懇願するが、皇帝は高湛 の体調が回復するまでは許さないと言う。
陸貞は食事も喉を通らなくなり、太医は皇帝に葬儀の準備を始めるよう進言する。沈碧が見舞いに来ると、高湛 は陸貞の様子を尋ねる。もはや手の施しようがないと聞き、高湛 は陸貞に会いたいと取り乱す。
高湛 は意識のない陸貞を抱きしめ、そこに杜衡が現れ、自分が救ってみせると言う。杜衡は氷と熱いタオルで陸貞の体を交互に冷やし温めると、陸貞の手がわずかに動いた。杜衡はすぐに太医に陸貞の足の裏に鍼を打たせる。間もなく、陸貞は意識を取り戻す。
高湛 は太医に、なぜ陸貞の右手が何日も動かないのかと問いただす。太医は石の下敷きになって血脈を傷つけたため、おそらく今後…と診断する。高湛 は丹娘にこのことを陸貞に隠すよう命じる。
長公主は皇帝に、陸貞の右手が不自由になった今、廃人同然の彼女を阿湛の妃にするつもりかと問う。しかし皇帝は高湛 の結婚は彼自身に決めさせるべきだと主張する。陸貞と高湛 のことで、長公主は太后の元を訪れる。そこで長公主は陸貞が過去に殺人を犯した事実を知る。
長公主は陸貞を問い詰めようとするが、高湛 が割って入り、姉には陸貞を責める資格はない、彼女は未来の自分の妃なのだと告げる。長公主は大声を上げ、陸貞の右手が不自由になったことを暴露してしまう。高湛 は慌てて彼女を外へ連れ出す。高湛 は陸貞に真実を告げ、共にこの困難を乗り越えようと励ます。
第40話の感想
第40話は、陸貞と高湛 の愛の深さと、それを阻む様々な困難が描かれた、非常に緊迫感のあるエピソードでした。陸貞の命が危うくなり、高湛 の狂乱ぶりは見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。特に、彼が皇帝に陸貞に会わせてほしいと懇願するシーンは、彼の深い愛情と絶望がひしひしと伝わってきて、涙を誘います。
一方で、皇帝の苦悩も理解できます。弟の幸せを願う一方で、国と民のことを考えなければならない立場。陸貞の過去や右手の障害といった問題を前に、簡単に二人の結婚を認めるわけにはいかない葛藤が見て取れます。
また、長公主の言動には苛立ちを覚えます。確かに彼女なりに高湛 のことを思っての行動なのでしょうが、陸貞を責め立てる姿はあまりにも冷酷で、見ていて不快でした。高湛 が姉に毅然と仮論するシーンは、彼の成長を感じさせ、胸がすく思いでした。
つづく