あらすじ
第四十四話は、陸貞とその周りの人々の人間関係や出来事を中心に展開します。
沈国公は婁青薔が娘を殺したことを知り、激怒します。高湛 は嘉敏の仇を討つと誓い、皇帝を説得して陸貞を釈放させます。沈嘉敏は儲王妃の礼をもって葬儀が行われ、陸貞は安堵します。同時に、沈嘉彥は陸貞と長広王の幸せを願います。
陸貞は彫刻入りの白磁を焼き上げることに成功し、六品司珍に昇進、司衣司を맡ります。しかし、玲瓏の女官試験の問題に際しては、特別な方法で彼女を助けます。
また、陸貞は大理寺で父の冤罪を晴らし、真相を明らかにした結果、陸夫人は有罪となります。しかし、自分の家係を確認しようとした陸貞は、族譜に自分の名前がないことに気づき、自分の出生に疑問を抱き始めます。この苦境に陥った陸貞に対し、高湛 は陸尚書を父と認めるよう提案しますが、陸貞は拒否し、二人の間に亀裂が生じます。
ネタバレ
沈国公たちに、婁青薔が嘉敏を殺したと芳華が訴える。激怒した沈国公は婁青薔を殺さなければ気が済まないと誓う。高湛 も嘉敏の仇を討つと約束する。その後、高湛 は陸貞を牢から出す。実は、沈国公を説得し、嘉敏は幼い頃から精神を病んでおり、今回は事故で亡くなったと皇帝に申し立てたのだ。そのため、陸貞は釈放された。
沈嘉敏は儲王妃として葬儀が行われ、陸貞は線香をあげ弔う。沈嘉彥は陸貞にこの件を気にしないでほしいと言い、陸貞は嘉敏が最期まで真実を知らなかったことを幸いに思うと答える。沈嘉彥は陸貞と長広王に、これから幸せに暮らすようにと告げる。
陸貞は李大胆たちが焼いた白磁を見て、出来栄えの良さに感嘆する。大臣たちはその見事な白磁を見て、また陳国からの品だろうかと推測する。皇帝は得意げに、これは大斉の官窯で焼かれたものだと明かす。陸貞が作ったと知り、大臣たちは陸貞の昇進を提案する。
皇帝は陸貞を六品司珍に昇進させ、司衣司を統括させる。陳典侍は陸貞を祝い、玲瓏を女官試験を受けさせたいという陸貞の考えを聞く。陳典侍は、玲瓏の出宮期限が迫っており、今年合格しなければ来年も試験を受けなければならないと忠告する。そして、玲瓏に仕事を任せ、年末に適当な理由をつけて皇帝に昇進させればよいと提案する。
沈碧は婁青薔に他の部署への異動を願い出る。婁青薔は沈碧の話を聞き、侍従女官として自分の部署に異動させる。陸貞は玲瓏に司衣司の管理を任せ、何か成果を出すように促す。玲瓏は、なぜ陸貞が何も知らない丹娘を推薦し、自分には女官試験を勧めてくれないのか不思議に思う。
陸貞は父の冤罪を訴えるため、大理寺で太鼓を叩き鳴らす。陸夫人は陸貞の姿を見ると、激しく動揺し、陸貞を罵倒する。柳刑部は朝廷の女官を罵倒した陸夫人に激怒し、掌掴を命じる。陸貞は証拠品と証人を提示し、陸夫人が父を殺害したと訴える。柳刑部は陸夫人を投獄し、秋に処刑を言い渡す。陸夫人は、たとえ自分が殺したとしても、陸貞は野良犬の子だと叫ぶ。
大理寺を出た陸貞を、高湛 が抱きしめる。陸貞が陸家に帰ると、管家と乳母が出迎える。陸貞はそこで父に祈りを捧げる。陸珠が戻り、姉妹は抱き合う。陸貞は陸夫人のことで陸珠に謝るが、陸珠は母のしたことだから仕方がないと慰める。陸珠は、女官になった陸貞がまだ自分を妹として認めてくれるのか尋ねる。陸貞は、陸珠は永遠に自分の妹だと答える。
陸貞は家に陸夫人の戸籍しかないことに気づき、乳母に族長を呼んで証明書を書いてもらうよう頼む。族長は証明書を書くことを承諾するが、族譜を見た後、表情を硬くする。陸貞は、なぜ自分の名前が族譜にないのか不思議に思う。乳母は、陸貞の母が嫁いできた時、すでに妊娠4ヶ月だったと明かす。陸貞は自分が本当に野良犬の子かもしれないと悲しむ。
高湛 は陸貞の事情を知り、陸尚書を父として嫡女になることを提案するが、陸貞は同意しない。彼女は本当の父親を見つけたいのだ。高湛 は陸貞の身分を気にしないが、陸貞は高湛 が自分のことを本当に尊重していないと感じ、怒りをぶつける。高湛 は弁解するが、陸貞は叫び続け、高湛 は怒って出て行く。
一人ぼんやりとしている陸貞の元に、沈嘉彥がやってくる。沈嘉彥は沈んだ様子の陸貞に、どうしたのかと尋ねる。
第44話の感想
陸貞の波乱万丈な人生が、再び大きく動き出した第44話。冤罪を晴らし、昇進を果たし、家族との再会を果たすという喜びの中にも、出生の秘密という新たな苦悩が芽生える、まさにジェットコースターのような展開でした。
まずは、嘉敏の死をめぐる一件。沈国公の怒りも理解できますが、高湛 と沈国公が結託して事実を隠蔽してしまったことに、複雑な思いを抱きました。真実はどうあれ、嘉敏は儲王妃として弔われ、陸貞も釈放されます。この一件が、今後どのような影響を及ぼすのか、注目したいところです。
陸貞の才能は更に輝きを増し、見事な白磁を生み出し、六品司珍に昇進。彼女の努力と実力が認められたことは喜ばしい限りです。しかし、昇進に伴い、玲瓏の出宮問題や丹娘の抜擢など、新たな課題も浮上。陸貞の手腕が試される局面が続きます。
つづく