あらすじ
第45話は、陸貞が宮中で経験する様々な出来事と、彼女の揺れ動く心情を描いています。まず、沈嘉彥に心の苦しみや迷いを打ち明けた陸貞は、自分だけが苦しんでいるのではないことを知り、現実を受け止めます。そして高湛 に官職を辞し、長広王府に嫁ぐ決意を伝えますが、最終的には宮中に残ることを選びます。
物語はさらに、陸貞の母の出自に関する秘密を明らかにし、毒入りの果物を使った事件を通して、宮廷内の争いの恐ろしさを浮き彫りにします。都美児の登場は、陸貞に陶磁器ビジネスの機会をもたらす一方で、新たな宮廷内の争いを引き起こします。特に、蜜蜂を使って婁青薔を襲う場面は、登場人物たちの複雑な愛憎劇を鮮やかに描き出しています。
ネタバレ
陸貞は沈嘉彥に心の苦しみを打ち明け、自分が何も持たない身の上で、彼の妻になる資格はないと嘆きます。沈嘉彥は、他家に預けられることは珍しくないと言い、自分の幼少期も沈国公に育てられたことを明かします。陸貞は彼の言葉に励まされ、今後の進むべき道を悟ります。
陸貞は高湛 に謝罪し、官職を辞して長広王府に嫁ぐことを申し出ますが、宮中を離れたくない本心を隠しきれず、結局高湛 は彼女の願いを聞き入れ、宮中に残ることを許します。
楊姑姑から九鸞釵が前朝の高位女官に賜る品だと聞き、陸貞は自分の母親の身分が尋常ではないことを確信し、楊姑姑に釵の出所を調べてもらいます。同時に、玲瓏から土穀渾の使者が会いたがっていると聞かされ、陸貞は困惑します。
昭陽殿で待っていた使者は、なんと都美児でした。都美児が瓷器を鑑賞していると、丹娘が修文殿からの贈り物だという火龍果を持参します。都美児は毒の匂いを嗅ぎ分け、陸貞は誰かが彼女を陥れようとしていることに気づきます。尋問の結果、陸貞は婁尚侍が毒入りの果物を送ったのではないかと疑い、西仏堂に果物を受け取ったことを伝えます。
その後、西仏堂を出た宦官は都美児に捕らえられます。かつて女官だった五人の女性について調べますが、楊姑姑は彼女たちが手がかりではないと断言します。杜衡は、生存している二人に話を聞くことを提案します。
国宴で高湛 を見つめる陸貞に、都美児は彼が恋人かと尋ね、丹娘はその通りだと答えます。都美児は陸貞に白磁の購入を依頼し、西の町の妹に渡すよう、腕輪を託します。そして、面白いものを見せると約束します。
突如、蜂の大群が現れ、皆が逃げ惑う中、都美児は陸貞に蜂除けの薬粉を渡します。蜂は婁青薔に襲いかかり、彼女は全身を刺されてしまいます。都美児は陸貞の復讐と自分の復讐のため、婁青薔の服に蜜蝋香を塗って蜂をおびき寄せたと明かします。
高湛 は陸貞が蜂を放ったのではないかと疑いますが、陸貞は都美児の仕業だと説明し、婁青薔は自業自得だと主張します。高湛 は皇帝も蜂に刺され高熱を出していると告げ、陸貞が婁青薔のように残酷になったと非難します。陸貞は激怒し、自ら皇帝に謝罪することを決意します。
陸貞は皇帝に都美児の罪を被り、全ての責任を負うと申し出ます。皇帝は陸貞に半年の俸禄没収を命じますが、高湛 は厳罰を求め、官職を剝奪して出宮させるべきだと主張します。皇帝はもう少し考えると言います。
陸貞は高湛 の仕打ちに憤り、実母を探すため宮中に残ると言い張り、二人は再び口論になり、陸貞は高湛 を追い返します。都美児は毎年一万個の磁器を注文する契約と十万両の金の手形を持ってきます。沈嘉彥は泣きじゃくる陸貞を慰めに訪れます。
官窯で高湛 と沈嘉彥は激しく口論します。陸貞は二人を見つけ、都美児と沈嘉彥を連れて馬に乗りに出かけます。婁青薔の管理する司計司に多額の欠損金があるため、高湛 は彼女が不在の間、内侍局の改革を提案します。皇帝は陸貞の計算能力を思い出し、損失を埋めるため、彼女にその任務を任せることにします。
「後宮の涙」 第45話 感想
特に印象的だったのは、都美児との友情と、娄青薔への復讐劇。毒蜂を使うという過激な手段ではありましたが、これまで婁青薔に散々苦しめられてきた陸貞と都美児にとって、ある種の痛快さを感じた視聴者も少なくないのではないでしょうか。しかし、その行動が高湛 との間に更なる溝を作ってしまうという皮肉な結果に。愛する人のためを思っての行動が、裏目に出てしまう悲しさは、見ていて胸が締め付けられました。
また、沈嘉彥の温かい支えも、陸貞にとって大きな救いだったはずです。彼自身の過去を明かし、陸貞を励ます姿は、真の愛情を感じさせました。高湛 との関係に苦悩する陸貞にとって、沈嘉彥の存在はどれほど心強かったことでしょう。
つづく