あらすじ

第47話は、陸貞りくてい婁青薔ろうせいしょうとその一味の陰謀にどう立ち向かうかを軸に展開します。司計司の秦掌計しんしょうけい婁青薔ろうせいしょうが、戸部の劉侍郎に上奏文を書かせ、会計検査を要求するという「囲魏救趙」の計略を仕掛けてきたのに対し、陸貞りくていは逆にそれを利用することを決意。内府局にも協力を依頼し、公正な調査を期します。

並行して、丹娘たんじょうが付け毛の悩みを抱えたり、阿織あおり丹娘たんじょうとの協力を試みるも失敗に終わったりといった挿話が織り込まれ、物語に奥行きを与えています。

調査が進むにつれ、婁青薔ろうせいしょうによる多額の公金横領が発覚。沈碧しんへき玲瓏れいろうを使って重要な証拠を隠滅しようとしますが、玲瓏れいろうは一度はためらうものの、最終的には計画に加担。帳簿が襲撃され、玲瓏れいろうは帳簿を守って負傷します。

最後は、高湛こうたん の支援を受けた陸貞りくていが偽造領収書の陰謀を暴き、婁青薔ろうせいしょうの攻撃を巧みにかわすことに成功。味方との信頼関係をさらに強固にし、今後の展開への伏線を張って幕を閉じます。

ネタバレ

陸貞りくてい杜衡とこうから婁青薔ろうせいしょうの策略について問いただされ、油断できない相手だと再認識する。丹娘たんじょうの元を訪れると、彼女は重い鬘に悩まされていた。

そんな中、宦官が緊急の知らせを持って来る。司計司の秦掌計しんしょうけい婁青薔ろうせいしょうと共謀し、戸部の劉侍郎を通じて五日間で全ての帳簿の検査を要求してきたのだ。これは明らかに陸貞りくていを陥れる計略だが、彼女は逆にこの状況を利用することを決意する。皇帝の勅命により、陸貞りくていと司計司は七日以内に帳簿の検査を終えるよう命じられる。沈碧しんへき陸貞りくていを嘲笑するが、陸貞りくていは冷静に内府局の協力を得て、公正な検査を行うと宣言する。

阿織あおり丹娘たんじょう太后たいこうの冬服と官窯の職人たちの衣服について相談するが、丹娘たんじょうは全く関心がなく、一口酥を食べに行く。楊姑姑ようこくはこの状況に満足げな様子を見せる。阿織あおり沈碧しんへき丹娘たんじょうが全く協力しないことを報告し、沈碧しんへきは引き続き様子を見るよう指示する。

陸貞りくてい玲瓏れいろうに良い知らせを伝えようとするが、楊姑姑ようこくに遮られ、阿織あおりを遠ざけるよう提案される。しかし陸貞りくてい阿織あおりを手元に置いておく方が有利だと考え、提案を拒否する。そして、楊姑姑ようこく婁青薔ろうせいしょうのように狡猾なのではないかと疑うが、楊姑姑ようこくは否定し、婁青薔ろうせいしょうにはもっと大胆な対処が必要だと主張する。

帳簿の検査が進むにつれ、婁青薔ろうせいしょうの多額の横領が発覚する。沈碧しんへき陸貞りくていの側近である玲瓏れいろうが自分のスパイであることを明かし、重要な帳簿を破棄させる代わりに土地の権利証を与える。玲瓏れいろうは最初は躊躇するものの、沈碧しんへきの巧みな誘導に陥り、計画を受け入れる。

雪の夜、高湛こうたん陸貞りくていを背負って宮殿へ戻る。二人は今後の変化について語り合う。翌朝、陸貞りくていは帳簿が襲撃され、玲瓏れいろうが帳簿を守って怪我をしたことを知る。高湛こうたん は翌日、一緒に戸部へ帳簿を提出することを約束する。更なる調査で、帳簿の最後のページに偽造された受領書と陸貞りくていの偽造署名があることが判明し、事態はさらに複雑化する。

一方、秦掌計しんしょうけいは陰謀への関与を疑われ、宮廷から追放される。沈碧しんへき玲瓏れいろうを見舞い、自傷行為を叱責しつつ、一度悪事に手を染めたら抜け出せないことを警告する。婁青薔ろうせいしょうの嘲笑に対して、陸貞りくていは機転を利かせて仮論し、攻撃をかわす。

第47話の感想

第47話は、陸貞りくていの窮地と逆転劇が見どころの、息詰まる展開でした。婁青薔ろうせいしょうの策略によって窮地に立たされた陸貞りくていですが、冷静な判断力と機転で仮撃の糸口を掴みます。七日という限られた時間の中で、膨大な量の帳簿を検査するという難題に立ち向かう彼女の姿は、まさに知性と勇気の体現と言えるでしょう。

特に印象的だったのは、沈碧しんへき陸貞りくていの側近である玲瓏れいろうを買収し、帳簿を改ざんさせる場面です。信頼していた人物の裏切りという衝撃的な展開は、宮廷の権力闘争の残酷さを改めて浮き彫りにしました。玲瓏れいろうの葛藤や沈碧しんへきの冷酷なまでの策略、そして陸貞りくていの驚きと落胆など、それぞれのキャラクターの心情が繊細に描かれており、物語に深みを与えています。

また、高湛こうたん の存在も忘れてはなりません。雪の夜に陸貞りくていを背負って帰るシーンは、二人の絆の強さを象徴する名場面と言えるでしょう。常に陸貞りくていを支え、励まし続ける高湛こうたん の姿は、彼女にとって大きな心の支えとなっているはずです。

つづく