あらすじ

第四十八話は、玲瓏れいろう陸貞りくてい、そして宮廷内の権力争いを中心に展開します。玲瓏れいろうは宮中から早く出たいという希望を口にしていましたが、八品掌簿に任命されたことを知ると、司計司に残り、仕事に励むことを選びます。

一方、陸貞りくてい婁青薔ろうせいしょうが偽の帳簿を作り、自分を陥れようとしている証拠を見つけ、行動を起こす決意を固めます。高湛こうたん太后たいこうと婁一族に気を付けるよう忠告しますが、陸貞りくてい太后たいこうに真実を明かし、太后たいこうは支持の証として邀月鐲を彼女に贈ります。

しかし、嘉福殿で催情香の影響を受けた高湛こうたん は、沈碧しんへきと関係を持ってしまいます。この出来事は、沈碧しんへきの自殺未遂や皇室内の緊張といった複雑な結果をもたらします。最終的に、皇帝はこの一件が婁尚侍しょうじの仕掛けた罠だと推測します。真実を知った陸貞りくていは苦悩しますが、耐え忍び、沈黙を守ることを選び、複雑な宮廷闘争における知恵と成熟した対応を見せます。

ネタバレ

玲瓏れいろう陸貞りくていに会い、宮中を出たいと打ち明ける。陸貞りくていは引き留めようと、八品掌簿への昇進を伝えるが、玲瓏れいろうは司計司で成果を上げてからと辞退する。

陸貞りくてい婁青薔ろうせいしょうの不正経理の証拠を掴み、婁氏ろうし一族への対抗を決意する。高湛こうたん太后たいこう婁氏ろうしへの対応には慎重さを促す。陸貞りくていは西仏堂で太后たいこうに謁見し、太后たいこう陸貞りくていに邀月の腕輪を下賜し、婁青薔ろうせいしょうの前で陸貞りくていが公金の穴埋めをした帳簿を見せ、陸貞りくていへの好意を示す。

婁青薔ろうせいしょう沈碧しんへき太后たいこうの耄碌ぶりを嘆き、陸貞りくていの弱点を握るよう玲瓏れいろうを利用するよう指示する。沈碧しんへき玲瓏れいろうの抵抗に苦戦していると、婁青薔ろうせいしょう長広王ちょうこうおうを利用する策を授ける。

修文殿の梁が崩落し、高湛こうたん は嘉福殿へ一時的に移ることになる。嘉福殿の準備中、何者かによって火の中に催情香が焚かれ、高湛こうたん は頭痛を訴える。そこに現れた沈碧しんへき陸貞りくていと勘違いした高湛こうたん は酒を勧め、二人は盃を交わす。催情香の影響で高湛こうたん は理性を失い、沈碧しんへきと一夜を共にしてしまう。

翌朝、元禄げんろく高湛こうたん沈碧しんへきが一緒に寝ているのを発見し、高湛こうたん は混乱する。沈碧しんへきは自害を図るが未遂に終わる。駆けつけた皇帝と高湛こうたん に、沈碧しんへきは昨晩の出来事を語り、元禄げんろくは現場から依蘭香という催情薬が見つかったと報告する。皇帝は沈碧しんへきを幽閉し、婁尚侍しょうじの罠だと推測する。

貴妃きひは皇帝が避子湯を用意していることに激怒するが、高湛こうたん沈碧しんへきの一件を説明され、沈碧しんへきの芝居ではないかと疑う。沈碧しんへきの父親の官位が儲妃争いに有利に働く可能性を考え、皇帝は沈碧しんへきの処分を保留する。太后たいこう陸貞りくていが話しているところに婁青薔ろうせいしょうが現れ、高湛こうたん沈碧しんへきの噂をわざと陸貞りくていに伝え、陸貞りくていを涙させる。太后たいこう沈碧しんへきが将来の儲君の側室になるのだから寛容であるべきだと慰める。

元福げんぷく陸貞りくていに真相を伝え、長広王ちょうこうおうが利用された可能性を指摘する。陸貞りくていは悲しみながらも知らないふりをすると決める。太后たいこう婁青薔ろうせいしょうを問い詰め、婁青薔ろうせいしょうは自分の秘密を守るためだと白状する。蕭貴妃きひ沈碧しんへきに避子湯を飲ませ、婁青薔ろうせいしょう長広王ちょうこうおうを侮らないよう警告する。皇帝は喚雲かんうんに後始末を任せ、陸貞りくていへの対応を思案する。

第48話の感想

第48話は、策略と陰謀が渦巻く、息詰まる展開でした。婁青薔ろうせいしょうの狡猾さが際立ち、沈碧しんへきを利用した高湛こうたん への罠は見事としか言いようがありません。高湛こうたん の立場を利用し、陸貞りくていを陥れようとする彼女の執念深さには、恐怖すら感じます。

一方、陸貞りくていは今回も試練に立たされます。信頼していた高湛こうたん のまさかの行動に、どれほどの衝撃を受けたことでしょう。それでも、彼女は冷静さを保ち、事態の収拾に尽力しようとします。太后たいこうからの温かい言葉と元福げんぷくの支えが、彼女の心の支えになっているのが見て取れます。

沈碧しんへきは、婁青薔ろうせいしょうの陰謀の駒として利用され、悲劇的な運命を辿ります。自害未遂という極端な行動に出た彼女の心情を思うと、胸が締め付けられます。高湛こうたん もまた、策略の犠牲者であり、混乱と後悔に苛まれている様子が痛々しいです。

つづく