あらすじ
第四十九話は、陸貞が高湛 への恐れから皇帝に帰省の休暇を願い出る場面から始まります。彼女の心の葛藤と不安が鮮明に描かれています。皇帝は陸貞に同情しますが、逃避は解決にならないと諭します。高湛 の気を紛らわせるため、皇帝は彼に陳国への使節を命じます。陳国滞在中、高湛 は陸貞への想いを吐露し、心の傷を癒やすことを約束します。
一方宮中では、冬至の節句に各嬪妃から贈り物が届きます。皇帝は皇太後の体調を気遣い、仁寿殿の用務についても調整を行います。実家に帰った陸貞は妹から高湛 と冷戦状態を続けるべきではないと忠告を受けます。宮中に戻ると、貴妃から内侍局の事務処理を命じられ、叱責を受けます。
新年を迎える朝賀の儀を前に、皇帝は皇太后を仁寿殿に戻して共に祝いたいと希望しますが、周囲からは様々な意見が出されます。陳国から戻った高湛 は、沈碧との関係を自ら解決しようと決意しますが、沈碧の妊娠という新たな事態に直面し、宮廷内の緊張はさらに高まります。
ネタバレ
陸貞は楊姑姑に縋り付き、高湛 への恐怖を涙ながらに訴えた。高湛 が近づくだけで、その笑顔さえも、彼女には耐え難いものだった。楊姑姑は長広王のために平静を装うよう諭すが、陸貞はもう限界で、とうとう皇帝に休暇を願い出て実家へ帰ることにした。
皇帝は高湛 に関する噂を陸貞が耳にしたのではと疑い、問いただす。陸貞は否定するが、元福が罪を認めた後、高湛 の無実を既に知っていたこと、そしてこれ以上偽り続けることができないことを告白する。皇帝は陸貞の苦境に同情し、宮殿からの離脱を許可する。逃避が解決策ではないとしながらも、人には限界があると理解を示した。
一方、高湛 は陸貞が真実を知ってしまったのではないかと不安に苛まれ、酒に溺れていた。皇帝は彼の気を紛らわせるため、陳国への使節を命じる。出発前、高湛 は陸貞を強く抱きしめ、必ず戻り心の傷を癒すと約束し、待っていてほしいと告げた。
冬至の祝いの品々が各宮から届く中、皇帝は太后から贈られたラクダの毛皮のコートを元福に著せてみる。西仏堂を訪れた皇帝は、やつれた太后の姿に心を痛める。婁青薔は皇帝に太後の苦労を訴え、その後太后の元へ行き祝いの言葉を伝える。皇帝は明確な態度を示さないものの、仁寿殿の女官を増やし、婁青薔に司膳司を再び任せた。
陸貞は妹の陸珠を訪ね、高湛 の件で落ち込んでいる彼女を慰める。陸珠は、敵の思う壺だと、高湛 と冷戦状態にある姉を非難する。宮殿に戻った陸貞は、貴妃から厳しい叱責を受け、王璇と婁青薔の対立が差し迫っているため、すぐに内侍局の仕事に戻るよう命じられる。
新年の朝賀の前日、皇帝は貴妃に太後の仁寿殿での祝賀への参加を願い出る。蕭喚雲は宮規に従うべきだと主張するが、皇帝は高湛 への説明に頭を悩ませる。間もなく高湛 が陳国から帰還し、陸貞は宮殿で彼を出迎える。しかし、再会の喜びも束の間、沈碧が待ち構えていた。高湛 は陸貞を先に帰らせ、沈碧に真摯に謝罪する。沈碧は涙ながらに高湛 への想いを告白するが、高湛 は陸貞への一途な愛を誓い、沈碧には良縁を見つけ、彼女の父親を守ると約束する。沈碧は激怒し、その申し出を拒絶、高湛 だけを求めると宣言する。
悲嘆に暮れる沈碧に、婁青薔は高湛 と陸貞が彼女を陥れるだろうと告げる。しかし、沈碧は既に策を講じており、恐れてはいなかった。太后が仁寿殿に戻り、貴妃をはじめ妃嬪たちが挨拶に訪れ、長公主も祝賀に駆けつける。宴の席で、沈碧はわざと吐き気を催し、婁青薔は杖刑を命じるが、長公主の介入で中断される。劉姑姑の診察で、沈碧が妊娠一ヶ月であることが判明する。貴妃はこれが策略か、あるいは真実ならば高湛 の立場が危うくなることを懸念する。そして、太医によって沈貴人の妊娠が確定し、宮廷内の緊張はさらに高まる。
第49話の感想
第49話は、陸貞と高湛 の愛の試練、宮廷内の権力争い、そして沈碧の妊娠という衝撃的な展開で、息もつかせぬ緊張感に満ちていました。陸貞は高湛 への恐怖心に苛まれながらも、彼の無実を信じ、苦悩する姿が胸を締め付けます。高湛 もまた、陸貞への愛と皇帝としての立場の間で板挟みになり、苦渋の決断を迫られる様子が切ないです。二人の愛の行方がますます気になります。
一方、婁青薔は相変わらずの狡猾さで、太後の復権を画策し、沈碧を利用しようとします。沈碧の妊娠は、宮廷内に大きな波紋を投げかけ、今後の展開を大きく左右するでしょう。はたして、これは彼女の策略なのか、それとも本当の妊娠なのか?彼女の真意が読めず、今後の動向から目が離せません。
皇帝は、陸貞の苦悩に理解を示し、高湛 の苦境を救おうとするなど、良き皇帝としての姿を見せています。しかし、宮廷内の複雑な人間関係に翻弄され、難しい舵取りを迫られている様子が見て取れます。
つづく