あらすじ
第五話では、陸貞が宮廷で直面する様々な試練と挑戦が深く描かれています。彼女は厳しい礼儀作法の訓練や同僚からの悪意ある陥れだけでなく、高官たちの権力闘争に巻き込まれる危機にも対処しなければなりません。楊挽秋は全ての宮女に対し平等に接し、厳しい指導を行う中、陸貞は聡明さゆえに宋姑姑の目に留まります。しかし、その才能が王尚儀の嫉妬を買い、彼女は陸貞を一刻も早く宮廷から追い出そうと画策します。理不尽な仕打ちを受けても、陸貞は並外れた忍耐力と知恵を発揮し、殺人犯という濡れ衣を著せられた際にも冷静さを失いません。
さらに、この回では太后と長広王・高湛 の密議や、権力を巡る宮廷内の複雑な駆け引きも描かれ、登場人物それぞれの隠された目的と野心が明らかになっていきます。
ネタバレ
陸貞は宮中での修行の日々を送っていた。楊挽秋は厳しい指導を続け、身分に関わらず平等に扱い、試験に合格しなければ実家に帰されると告げる。礼儀作法の訓練中、阿寧がろうそくを倒してしまうが、陸貞は機転を利かせて事なきを得た。
夜、宮女たちが顔を洗っていると、陳秋娘がわざとろうそくを吹き消し、水に墨を混ぜて陸貞の顔を真っ黒にする。しかし、陸貞は怒ることなく、皆と楽しそうに戯れる。宋姑姑は楊姑姑に、陸貞は利発で、まるで幼い頃から礼儀作法を学んでいたかのようだが、なぜわざと鈍く振る舞うのか不思議だと話す。宋姑姑は王尚儀に陸貞を褒めるが、王尚儀は陸貞の顔が貴妃に価ているため、宮中に置いておくと面倒なことになると考え、宋姑姑に早く追い出すよう命じる。
礼儀作法の授業中、宋姑姑は陸貞の手にお湯を掛けて罰を与える。寮に戻ると、宮女たちの布団が全て濡れているのに、陸貞の布団だけ乾いていた。沈碧は陸貞の仕業だと責めるが、陸貞は潔白を証明するため、自分の布団にも水を掛ける。その後、宋姑姑は陸貞に厠の掃除を命じる。
翌朝、楊姑姑は陸貞を起こし、皆と一緒に練習に戻るよう促す。部屋に入ると、陳秋娘はわざと部屋の臭さを指摘し、宋姑姑は陸貞に厠の掃除をやり直させる。陸貞は王尚儀の嫌がらせではないかと問い詰め、婁尚侍が入宮を許可したことを持ち出す。王尚儀の圧力に屈した宋姑姑は、十日以内に陸貞を追い出すよう迫られ、さもなければ更に厳しい罰を受けると告げられる。
宋姑姑は陳秋娘と沈碧に陸貞の素性を尋ね、陸貞が手配書の殺人犯に価ていることを知る。その後、宋姑姑は陳秋娘にある入れ知恵をする。婁尚侍が宮女たちの様子を見に来た際、陳秋娘は陸貞が殺人犯だと訴え、手配書を突きつける。陸貞は字が違うと仮論するが、婁尚侍は手配書の入手経路を問い詰め、陳秋娘に三十回の鞭打ちの罰を与える。
婁尚侍は臘梅に陸貞の調査を命じる。臘梅は調査中に痴漢に遭うが、腰牌を見せて撃退する。一方、長公主が宮中に戻ってくることになり、婁尚侍は贈り物を用意し、陸貞の件を伝えるが、長公主は何も知らないと言う。
太后は長広王高湛 を呼び出し、婁国舅一家について話し合う。最終的に、高湛 は皇帝を傷つけたのは魏国人だと説明し、婁国舅の冤罪を晴らすことに協力する代わりに、太后は高湛 に危害を加えないこと、そして皇帝の権限を戻すことを約束する。
最後に、太后は高湛 への対応をより慎重にする必要があると考え、玉翘を駒として使うことを思いつく。また、貴妃が鳳印を握っており、他の妃嬪が皇帝に謁見できないため、太后は三日後の宴で妃嬪たちに皇帝に会う機会を与えることにする。
第5話感想
第5話は、陸貞が宮廷内でいかに過酷な環境に置かれているかを鮮明に描き出したエピソードでした。特に、宋姑姑や陳秋娘からの執拗ないじめは見ていて辛く、陸貞の境遇に同情を禁じ得ません。彼女は理不尽な仕打ちを受けても、持ち前の明るさと機転で乗り越えようとする姿が印象的です。濡れ衣を著せられても冷静に仮論し、汚い厠掃除を命じられても文句一つ言わずにこなす健気さは、視聴者の心を掴むでしょう。
一方で、このエピソードは宮廷内の権力争いの一端も垣間見せています。王尚儀は陸貞の顔が貴妃に価ているというだけで排除しようとし、宋姑姑はその意向に沿って陸貞を陥れようと画策します。彼女たちの行動は、宮廷内での生存競争の厳しさを物語っています。また、婁尚侍が陳秋娘を厳しく罰する場面は、彼女の公正な一面を示すと同時に、宮廷内での権力関係の複雑さを示唆しています。
さらに、太后と高湛 の駆け引き、そして貴妃が鳳印を握っている事実など、今後の展開を予感させる要素も散りばめられていました。陸貞の運命だけでなく、宮廷全体の行方も見逃せない、緊張感あふれる第5話でした。
つづく