あらすじ
第12話は、楚修明が九公主の突然の訪問に際しての決意と行動を描いています。彼は九公主を将軍府に滞在させないよう、直接断るつもりでした。沈錦の疑念を払拭するためです。ところが、九公主が到著すると、沈錦は楚修明との関係を公然と否定し、むしろ九公主の滞在を快く受け入れました。
その後、九公主は沈錦に対し、皇族らしからぬ気さくさで「姉妹」と呼びかけ、沈錦も九公主が想い人を探すのを積極的に手伝います。楚修明は困惑し、沈錦が自分の忠誠心を試しているのではないかと考えます。
物語が進むにつれ、沈錦は九公主のために様々なことを行い、ついには楚修明から贈られた大切な品物さえも九公主に譲ってしまいます。楚修明の困惑は深まるばかりです。
そしてついに、楚修明は沈錦の余命がわずかであることを知ります。彼は、これから何が起きようとも、沈錦の傍に寄り添い、残された時間を共に過ごそうと決意します。
ネタバレ
九公主が突然将軍府を訪れ、楚修明は沈錦への忠誠を示すため、同居を拒否しようと決意する。誰であろうと、彼と沈錦の絆を揺るがすことはできないと信じていた。また、蕭肅の安全を確保し、九公主の真意を探るため、楚修明は蕭肅に朝廷へ戻るよう命じる。
翌日、九公主が到著するも、楚修明は出迎えも歓迎の意も示さず、公主への礼儀を欠いた態度をとる。そして、沈錦への揺るぎない愛情を告げ、他の住まいを探すよう促す。意外にも九公主は温厚な性格で、気まずさを感じて立ち去ろうとする。その時、沈錦が現れ、九公主を止め、将軍府への滞在を快諾する。
府内では、九公主と沈錦は姉妹のように仲良く過ごし、九公主は皇族の身分を感じさせない。沈錦は九公主の恋人探しまで始める。この様子を複雑な思いで見つめる楚修明は、自分の拒絶が不十分だったのではないかと考える。
実は、沈錦の行動は嫉妬や試探ではなく、九公主の願いを葉えるための秘策だった。ある夜、楚修明は沈錦が意図的に距離を置いているように感じる。九公主のために行動する沈錦の真意が分からず、苛立ちを募らせる。蹴鞠大会で楚修明が勝ち取った玉かんざしを、沈錦ではなく九公主に贈った時、沈錦の心はさらに複雑になる。
物語は進み、九公主は皇帝の追跡を逃れ、愛する人と駆け落ちしようと計画する。その第一步として将軍府に身を隠す。逃亡資金が必要な九公主のために、沈錦は皇帝を欺き、将軍府の改修費用名目で資金を調達する。この計略は成功するが、楚修明は沈錦の行動をますます理解できなくなる。
沈錦の真意に戸惑う楚修明は、彼女が大量の薬を購入しているのを偶然発見する。調べた結果、沈錦が不治の病に侵されていることを知り、彼女がなぜ九公主と自分の仲を取り持とうとするのかを理解する。残された時間を沈錦と共に過ごそうと決意し、永遠の愛を誓う。
そして、庭の花の下で、楚修明は沈錦を抱きしめ、深い愛情を伝える。二人は支え合い、未来の困難に立ち向かう。この出来事を経て、二人の愛はより深まり、今後の展開への伏線が張られる。
第12話の感想
第12話は、沈錦の深い愛情と自己犠牲の精神に胸を打たれるエピソードでした。一見すると、楚修明との間に突然現れた九公主の存在に嫉妬し、彼を試しているかのように見える沈錦の行動。しかし、その裏には、自らの余命が短いことを知り、愛する楚修明の将来を案じる切ない思いが隠されていました。
九公主を快く迎え入れ、彼女の恋を応援する姿は、一見奔放で掴みどころのない沈錦らしさを感じさせますが、その明るさの裏に隠された悲しみを知ると、彼女の行動の一つ一つがより深く胸に響きます。特に、蹴鞠大会で楚修明が勝ち取った玉かんざしを九公主に贈るシーンは、沈錦の複雑な心情が痛いほど伝わってきました。愛する人の幸せを願いながらも、拭いきれない寂しさを感じている彼女の表情が印象的でした。
つづく