あらすじ

第15話は、楚修明そしゅうめいと鷹族の忽特フートーが竹林で対面する場面を中心に展開します。父の仇の息子を前に、楚修明そしゅうめいは憎しみを捨て、平和を希求することを選びます。彼もまた過去を乗り越えるよう忽特フートーを説得しようとしますが、そこにマヤ姫が駆けつけ、潜在的な衝突を阻止し、両者の関係は幾分和らぎます。

一方、沈錦しんきん楚修遠そしゅうえんは刺客に襲われます。そんな中、元児げんじがマヤ姫の懐妊という喜ばしい知らせを伝え、一同は新しい命の誕生を祝います。

胭脂扣の薬粉が天灯籠であると判明するなど、一連の出来事を受け、楚修明そしゅうめいは八王の死因をさらに詳しく調査するため、都へ戻ることを決意します。

塔柔ターロウは失恋の痛手から立ち去ろうとしますが、忽特フートーとの会話の中で互いに分かり合い、過去を水に流し、新たな一歩を踏み出すことを決めます。

ネタバレ

楚修明そしゅうめい肉肉じくじくを一人残し、鷹族の忽特フートーと竹林で会う約束をした。父を殺した仇の息子との対面、最悪の事態も覚悟していたが、楚修明そしゅうめいは復讐ではなく和平を求めていた。忽特フートーの父バートルは戦争中、楚修明そしゅうめいへの奇襲で命を落としたが、あの戦争では双方に多くの犠牲者が出たのだ。

深い森の中で、沈錦しんきん楚修遠そしゅうえんが刺客に襲われる中、楚修明そしゅうめい忽特フートーを説得し、憎しみの連鎖を断ち切る必要性を訴えた。瑪雅マヤ公主の到著が新たな衝突を未然に防いだ。楚修明そしゅうめい自ら憎しみを乗り越える姿を見せることで、忽特フートーとの緊張関係は和らいだ。

喜ばしいことに、新婚の瑪雅マヤ公主は妊娠していた。祝いの席で、楚修明そしゅうめいは胭脂扣の薬粉のことを思い出し、公主に鷹族の薬師を紹介してもらう。鑑定の結果、それは天灯籠という消毒・強壮作用のある植物から作られたものだと判明した。八王爷の死因との関連を疑い、楚修明そしゅうめいは京城へ戻ることを決意する。

一方、楚修遠そしゅうえんへの想いが届かず落胆した塔柔ターロウは去ろうとしていた。忽特フートーは城壁の上で悲しみに暮れる妹を見つけ、兄妹で語り合った結果、憎しみを捨て新たな人生を歩むことを誓い合った。

楚修明そしゅうめい一行を見送る際、忽特フートーは彼の寛大さに敬意を表した。将軍府に戻ると、楚修明そしゅうめいは複数の官僚から横領の密告を受けていることを知る。真相を明らかにするため、彼はあえて整理した帳簿を蕭肅しょうしゅくに渡し、朝廷の仮応を待つことにした。

夜、沈錦しんきんは美しい鷹族の衣装を楚修明そしゅうめいに見せ、二人の絆はさらに深まった。多忙な楚修明そしゅうめい楚修遠そしゅうえん沈錦しんきんの相手を頼むことが多くなった。沈錦しんきん楚修明そしゅうめいが冷淡なのではなく、八王爷の死因究明や楚修遠そしゅうえんの身分回復など、重大な秘密を抱えていることに気付く。彼女は楚修明そしゅうめいを支え、共に困難に立ち向かう決意を固めた。この回では、登場人物たちが親情、愛情、責任の間で葛藤し、成長と変化を遂げる姿が描かれている。

第15話の感想

第15話は、楚修明そしゅうめいの懐の深さと沈錦しんきんの聡明さが際立つエピソードでした。鷹族との確執、そして朝廷内での陰謀と、様々な問題に立ち向かう楚修明そしゅうめいの手腕は見事でした。復讐よりも和平を選び、憎しみの連鎖を断ち切ろうとする彼の姿勢には心を打たれました。また、瑪雅マヤ公主の妊娠という慶事もあり、緊張感の中にも温かい空気が流れ、ホッと一息つける場面もありました。

特に印象的だったのは、楚修明そしゅうめい忽特フートーの対峙です。殺父仇人である楚修明そしゅうめいに対し、忽特フートーの心には当然憎しみが渦巻いていたはずです。しかし、楚修明そしゅうめいの誠実な言葉と行動、そして瑪雅マヤ公主の仲裁により、二人の間に和解の兆しが見えたことは大きな前進でした。鷹族との和平は、今後の展開においても重要な鍵となるでしょう。

つづく