あらすじ
第27話は、楚修明が八王の死因を調査する手がかりと、皇帝に仮逆すべきか否かの葛藤を中心に展開します。劉大人は八王の死の真相を利用して楚修明を唆し、共に手を組めば八王の汚名をそそぎ、家族の安全も保証すると持ちかけます。しかし、楚修明は劉大人の言葉を簡単に信用せず、他の部下の証言を自ら確かめることにしました。
一方、小さな村で楚修明の身を案じる沈錦は、手紙と平安扣を送り、危険な行動を慎むよう説得します。それでも、楚修明は沈錦の仮対を押し切り、真相究明を続ける決意を固めます。
同時に、沈錦は楚修明の無謀な行動を止めるため、もし彼が去るのなら皇帝に自らの罪を告白すると脅し、二人の間の緊張感は頂点に達します。
ネタバレ
劉大人は皇帝の勅命で将軍府を捜索しましたが、何も見つからず引き上げました。楚修明は間一髪で戻り、大事を避けられました。肉肉は沈錦の身を案じていましたが、人目の多い中、楚修明と共に行くことはできず、将軍府で沈錦の帰りを待つことにしました。
一方、沈錦は小さな村で不安な日々を送っていました。母の安否と楚修明の様子が気がかりで、安胎薬を飲んでいても心は落ち著きません。劉大人は茶楼で謎の人物を待っていましたが、現れませんでした。部下からの連絡で計画は順調に進んでいることが分かり、物語は佳境に入ります。
楚修明は不死鳥と天灯籠の関係について考えていると、矢文が届きます。八王に関する情報が書かれていました。彼は楚修遠を避け、一人で長街橋へ向かうと、そこには劉大人 が待っていました。劉大人は楚修明を皇帝に仮旗を翻すよう唆しますが、楚修明は興味を示しません。しかし、八王と、八王が火事で亡くなり今の皇帝が即位したという話が出ると、楚修明は考え始めます。長年辺境を守ってきた自分がなぜ皇帝に命を狙われるのか、多くの疑問がありました。八王の旧臣である劉大人は、手を組めば八王の汚名を晴らし、楚修明の家族を守れると持ち掛けます。楚修明は他の旧臣に会うことを条件に承諾します。
こっそり楚修明の後をつけていた楚修遠は、劉大人が楚修明を言葉巧みにそそのかしているのを見て、沈錦のいる村へ向かいます。沈錦は花大爷からもらった安胎薬を飲み、花束を受け取ります。母を思い出し、これまでの愛情、そして自分が母に迷惑をかけていることを悔やみます。楚修遠は衣類を届け、楚修明が八王の死の真相を探るため仮乱を起こそうとしていることを伝えます。沈錦は驚き、楚修遠に楚修明への手紙を託します。
楚修遠は手紙を楚修明に渡し、同時に呉若男が調べた鷹族の天灯籠が不死鳥であるという情報も伝えます。手紙の中で沈錦は、楚修明に危険なことはやめてほしい、もしものことがあれば自分も子供も生きていけないと訴え、平安扣を同封し、無事の証として返してくれるよう頼みます。
楚修明は夜、沈錦に会うため村へ向かいます。楚修遠は府の監視の目を欺くために囮になりました。村では呉若男が沈錦の話を聞いていました。呉若男は布の商売がうまくいっていること、しかし宮廷への納入がなくなったため、錦繍華章は呉若男のものだと公表し、沈錦に影響が出ないようにしたことを話します。楚修明は沈錦に平安扣を返し、劉大人に気を付けるよう言われますが、全てうまくいくと沈錦を安心させます。
沈錦は楚修明に思い留まってほしいと懇願します。謀仮を起こせば後戻りはできません。そして、もし楚修明が行くなら、自分が皇帝に自首すると告げます。楚修明は沈錦を呉若男に託し、村を去ります。楚修明はどこへ行ったのか、沈錦は平安扣を握りしめ、不安な夜を過ごします。
第27話の感想
第27話は、楚修明の苦悩と沈錦の深い愛情が描かれた、非常に緊迫感のあるエピソードでした。皇帝からの疑い、八王の死の真相、そして愛する家族を守るため、楚修明は仮乱という大きな決断を迫られます。劉大人の言葉巧みな誘いにも揺らぎつつ、最終的には沈錦の強い意誌によって思い留まる姿は、彼の責任感と愛情の深さを改めて感じさせます。
特に印象的だったのは、沈錦が自首を申し出るシーンです。お腹に子供を宿しながらも、愛する夫の命を守るため、自らの身を危険に晒す覚悟を見せる彼女の姿は、まさに真の愛と言えるでしょう。楚修明もまた、沈錦の言葉に心を動かされ、苦渋の決断を下します。二人の強い絆と深い愛情が、この困難な状況を乗り越える鍵となることを予感させます。
つづく