あらすじ
第二十九話は、楚修明が頗黎珠と八王府の過去の事件を調査する様子を中心に展開します。司徒大人からの暗示を得た楚修明は、買い付けを担当する宦官の屋敷を追跡し、時公公が囚われているのを発見します。夜間に時公公を救出しようとした楚修明でしたが、爆発と官兵の包囲に遭い、何者かが彼を陥れようと周到に準備していたことが明らかになります。
一方、肉肉と蕭肅は急遽結婚しますが、式の様子から肉肉は実際には妊娠していない可能性が示唆され、これは緊急事態に対処するための偽装結婚であることが分かります。楚修明は村に戻り、沈錦が宮廷で罪を訴えたものの聞き入れられなかったことを知ると、八王と偽って宮廷に潜入し、皇帝に謁見して司徒大人の陰謀を暴こうと決意します。
宮廷では、司徒大人は楚修明に皇帝殺害の罪を着せようとしますが、最終的にその企みは露見します。しかし、沈錦は徐々に砂に埋もれていく密室に閉じ込められ、生死の境を彷徨うことになります。
ネタバレ
楚修明は玻璃珠の行方と16年前の八王府の事件の真相を追うも、司徒大人からは何も聞き出せず、手詰まりとなる。しかし、帰る間際に司徒大人は、かつて調達を担当した宦官が都に屋敷を構えていることをそれとなく口にし、新たな手がかりを与える。
このヒントを掴んだ楚修明は、宦官の屋敷に忍び込む。だが、そこでは家来たちが倒れており、何者かが箱を運び出そうとしていた。楚修明はその後をつけ、別の屋敷へと辿り著く。箱の中身は年老いた時公公だと判明。彼らは時公公をどうするか相談し、夜に宮中に連れ戻すことに決める。一味は首領を雲統領と呼んでいた。楚修明は雲統領の後をつけ宮中まで行き、皇帝が関与していないことを祈る。
夜、楚修明は時公公を救出しようとするが、突如爆発が起こり、待ち伏せしていた兵士たちに囲まれる。まるで彼の行動を読んでいたかのようだった。一方、肉肉の様子がおかしい。吳若男に何かを隠しているようだ。沈錦が焦って転倒し、肉肉が胎児への影響を心配したことで、ようやく異変に気付く。蕭肅は急遽結婚式に呼び戻される。突然の結婚式に不満を抱くも、楚修遠に押し切られ、同意する。
結婚式で、沈錦は母親のように肉肉に優しく語りかけ、二人を祝福する。しかし、祝いの席でも沈錦は行方不明の楚修明を案じていた。式の後、沈錦は一人部屋に戻り、複雑な心境でいた。
翌朝、楚修明が村に戻ると、沈錦は手紙を残して宮中へ謝罪に向かった後だった。蕭肅は沈錦を見つけられず、黒幕に捕らわれたと推測する。真相を確かめるため、楚修明は皇帝に謁見することを決意し、八王も万が一に備え同行する。二人は庭師に変装して宮中に潜入する。すると、司徒大人が皇帝に献上品として玻璃珠を差し出す。それを見た楚修明は危険を察知し、即座に玻璃珠を叩き割る。場内は騒然となる。
門外で企みが成功したと喜んでいた司徒大人だったが、楚修明が現れたことで形勢逆転。窮地に立たされた司徒は、全ての罪を楚修明と蕭肅になすりつけようとする。その時、皇帝と八王が現れ、司徒の計画は完全に崩れる。
楚修明は司徒を討とうとするが、沈錦が人質に取られ、断念せざるを得なくなる。沈錦は壁に囲まれた場所に閉じ込められ、上から砂が落ちてくるという危機的な状況に陥っていた。
第29話の感想
第29話は、息つく間もない展開で、手に汗握るハラハラドキドキの連続でした。沈錦と楚修明の結婚式という幸せな瞬間が訪れるかと思えば、すぐに陰謀の渦に巻き込まれ、救出劇、そして沈錦の絶体絶命のピンチと、まさにジェットコースターのような展開。
特に印象的だったのは、沈錦の母性と楚修明の機転です。肉肉への温かい眼差しや言葉からは、沈錦の深い愛情が伝わってきました。まるで実の娘のように肉肉を慈しむ姿は、彼女の優しさを改めて感じさせる名シーンでした。一方、楚修明は、司徒大人が落とした些細な手がかりから真相に迫り、機転を利かせて宮中に潜入、玻璃珠を破壊するなど、知略と行動力で窮地を切り抜けていく姿が頼もしく、まさにヒーローといった活躍ぶりでした。
つづく