あらすじ
第七話では、監軍として赴任した沈錦と楚修明との複雑な関係性の変化が描かれています。沈錦は、宴席を設けるよう要求するなどして自らの権威を示そうとしますが、楚修明にやんわりと断られます。その後、二人は一風変わった勝負を行い、湖底で動かなくなったふりをする楚修明を沈錦が救出し、その際に口移しで酸素を送ることで、二人の間に微妙な感情のつながりが生まれます。しかし、楚修明の沈錦に対する真意は依然として不明瞭で、彼女は困惑と不安を抱きます。
また、朝廷内には楚修明を陥れようとする陰謀が渦巻いていること、そして䔥粛が楚修明の意図を誤解したことで処刑されそうになるエピソードも描かれています。最終的に、沈錦は楚修明から託された赦免状を用いて䔥粛を救い、同時に楚修明が子供たちの面倒を見ているという秘密を知ることになります。これにより、登場人物たちの隠された物語や複雑な感情の絡み合いがさらに深く描かれています。
ネタバレ
第七話、沈錦は監軍として軍営に到著。お茶やお酒、そして将兵への宴を要求するが、楚修明は全て拒否。朝廷からの軍資金は二年も届いておらず、兵士たちは訓練の傍ら畑を耕し自給自足で生活していると説明する。沈錦が自腹で宴を開くと言っても断られ、監軍として扱いはするものの、楚修明は彼女を全く眼中に入れていない様子。沈錦と幼馴染の蕭肅は、彼女の行き過ぎた行動を危惧し、侍女の肉肉と共に止めに入る。
蕭肅は沈錦を「錦爺」と呼び、彼女の監軍就任に驚きつつも納得の様子。幼い頃共に悪さをした二人は、それぞれの道を歩みながらも変わらぬ友情で結ばれている。一方、都の茶楼では数人の官僚が、楚修明の休妻を機に彼を陥れる陰謀を企んでいた。軍資金横領の罪を著せ、皇帝からの信頼を失墜させようと画策する。
翌日、楚修明は沈錦に帰還の理由を尋ねる。沈錦は逆に、自分が戻ることを望んでいたのか、恐れていたのかと問う。楚修明は恭しくお茶を出すが、それは熱湯で、沈錦は舌を火傷しそうになる。それを見て楚修明は密かに笑みを浮かべ、その表情の変化に沈錦は彼の真意を測りかねる。
沈錦は自らの権威を示すため、楚修明に勝負を挑む。手足を縛られた二人は湖に沈められ、先に縄を解いた方が勝ち。沈錦は鍵開けの技術で容易に勝利するが、楚修明は沈錦が自分を見捨てるはずがないと確信し、微動だにしない。案の定、沈錦は危険を感じて楚修明の縄を解き、彼に口移しで空気を送る。二人が水面に浮かび上がると、抱き合う姿が目撃される。
しかし、楚修明は沈錦への想いを明かさない。沈錦は困惑と不安を抱える。楚修明は、沈錦が軍を掌握した今、自分は屋敷に戻るべきだと考える。肉肉は沈錦の心中を察し、いつも休書で問題を解決するのではなく、本当に好きなら楚修明を追いかけるべきだと助言する。
屋敷に戻った沈錦は私情に触れず、国事のため楚修明に軍営への復帰を要請する。楚修明はこれを受け入れ、軍営に戻る道中で、沈錦に軍規違仮時のための赦免状を渡す。しかし、そこで新たな誤解が生じる。蕭肅は兵士が数人の覆面をした子供を抱えているのを見て、楚修明が罪のない者を傷つけていると誤解し止めようとするが、楚修明に製止される。子供たちの保護のためだと説明される。
ある夜、蕭肅は軍営の要所を密かに調査し、楚修明に見つかり包囲される。楚修明は彼を謀仮人と疑い処刑しようとするが、沈錦が駆けつけ赦免状で蕭肅を救う。楚修明は激怒する。彼は沈錦がその赦免状を自分のために使うことを望んでいたのだ。実は、楚修明は子供たちを軍営内で秘密裏に保護しており、それが蕭肅に誤解されていたのだった。
満月の夜、全軍で祝宴が開かれる中、沈錦は蕭肅に軍の現状を尋ね、楚修明を助けたいと願う。これらの出来事を通して、登場人物たちの関係が明らかになり、隠された秘密や複雑な感情が浮かび上がる。物語は進み、登場人物たちが困難を乗り越え、それぞれの目的を達成する様子が描かれる。
第7話の感想
第七話は、沈錦と楚修明の関係性が大きく揺れ動く、見応えのあるエピソードでした。沈錦の監軍就任という大胆な展開から、二人の駆け引き、そして誤解とすれ違いが続く様子は、ハラハラドキドキさせられました。
特に印象的だったのは、湖での勝負のシーン。沈錦の機転と楚修明の沈黙、そして水面に浮かび上がった二人の抱擁は、二人の複雑な感情を象徴しているようでした。楚修明は沈錦への想いを隠そうとする一方で、どこかで彼女に助けを求めているようにも見えます。沈錦もまた、楚修明の真意を掴めず、不安を抱えながらも彼を信じようとする葛藤が伝わってきました。
一方、蕭肅の存在も物語に深みを与えています。幼馴染として沈錦を支えながらも、楚修明の行動を誤解し対立してしまう様子は、今後の展開を暗示しているかのようです。子供たちの秘密や赦免状の件など、誤解が誤解を呼ぶ展開は、もどかしさを感じさせながらも、物語に緊張感を与えています。
つづく