あらすじ
第八話は、楚修明、沈錦、蕭肅の三人をめぐる複雑な感情の縺れを描いています。満月の夜、沈錦と蕭肅が同時に現れたことで、楚修明は期待と不安に揺れます。特に二人が揃って謝罪に来た時、楚修明は二人を恋人同士だと勘違いし、怒りのあまり「これからは監軍のみで夫人はいない」と宣言してしまいます。
翌日、深く後悔した楚修明は沈錦を探し出し、自分の本当の気持ちを打ち明けます。妻を休ませたのは愛しているからこそであり、愛していないからではないのだと。
その後、物語は蕭肅と肉肉が恋人同士であることを明らかにします。そして、楚修明と蕭肅は協力して辺境の食糧不足問題の調査に乗り出します。蕭肅が都に戻ると、肉肉への配慮から、沈錦と楚修明の関係はより一層秘密裏に、そして慎重なものへと変化していきます。波乱に満ちたこの経験を通して、二人の絆はより深まっていくのでした。
ネタバレ
月明かりに照らされた夜、篝火がパチパチと音を立て、兵士たちの顔を明るく照らしていた。肉汁が滴り落ちる音と香ばしい匂いが辺りに漂う中、楚修明は沈錦と䔥粛の姿を見て、複雑な気持ちを抱いていた。沈錦の来訪に期待していたものの、䔥粛も一緒にいることに不安を感じていたのだ。沈錦が赦免令の件を説明し謝罪すると、䔥粛も礼儀正しく感謝を述べた。しかし、二人の息の合った様子に楚修明は苛立ち、まるで二人が本当の夫婦であるかのように感じてしまった。彼は二人の謝罪に返答せず、気まずくなった沈錦は䔥粛の提案で将士たちに酒を振る舞うことにした。しかし、楚修明は二人の親密な会話に嫉妬心を募らせ、ついに酒碗を叩き割り、「これからは夫人ではなく、監軍だ」と宣言した。沈錦の心配も空しく、楽しい雰囲気は一気に冷え込んでしまった。
翌朝、二日酔いで目覚めた楚修明は、昨夜の行動を深く後悔し、沈錦を探し始めた。監軍の天幕を訪ねたが見つからず、次に䔥粛の元を訪れた。䔥粛に諭され、事の重大さに気付いた楚修明は、必死になって沈錦を探し求めた。湖畔の茂みで、彼は沈錦への想いを叫び、離縁したのは彼女の安全を願ってのことだと告白した。物陰に隠れていた沈錦は全てを聞き、姿を現した。楚修明は彼女を抱きしめ、守りたい人ができたことを実感した。
実は、䔥粛と肉肉が本当の恋人同士だった。三人は幼馴染みで、深い絆で結ばれていた。真実を知った楚修明と䔥粛は協力して、辺境で二年続く食糧不足の原因と内通者の調査に乗り出した。沈錦と肉肉の安全のため、豹子頭に護衛を任せ、二人は街へ遊びに出かけた。夜には䔥粛が動き出し、不審人物を捕らえた。
捜査が進む中、䔥粛は都へ戻ることに。出発前、彼は楚修明に肉肉の世話を頼み、沈錦は楚修明に護身の玉佩を贈った。二人が親密な雰囲気になった時、䔥粛の出発を知った肉肉の泣き声が聞こえてきた。
䔥粛を見送る日、肉肉は泣きじゃくり、彼に手作りの帯鉤を贈った。別れの後、沈錦は肉肉を気遣い、楚修明との逢瀬は人目を忍ぶものとなった。ある日、寝違えた沈錦は楚修明に治療を頼んだが、誤解が生じてしまう。治療後、元気になった沈錦だったが、そこに肉肉が現れ、二人が密会していると勘違いして泣き出した。沈錦は肉肉を抱きしめ、優しく慰めた。
肉肉に気付かれないよう、沈錦と楚修明は人前では距離を置き、食事中もこっそりおかずを取り合うほどだった。ある日、湖畔で二人きりの時間を過ごしていたが、洗濯に来た肉肉が現れた。沈錦はとっさに楚修明を湖に突き落とし、肉肉を連れてその場を去った。
第8話の感想
第8話は、楚修明の複雑な感情の揺れ動きと、真実の愛の芽生えが描かれた、感動的なエピソードでした。䔥粛と沈錦の関係に嫉妬し、衝動的に沈錦を突き放してしまう楚修明の姿は、彼の未熟さや、沈錦への深い愛情の裏返しとして切なく胸に迫ります。酒に酔い、感情を爆発させるシーンは、楚修明の人間らしい弱さが垣間見え、視聴者の共感を誘います。
一方、沈錦は、楚修明の冷たい態度にもめげず、彼を理解しようと努める姿が印象的です。䔥粛との関係も、楚修明の誤解を生む原因となりますが、沈錦の誠実な人柄が、最終的に楚修明の心を開かせたと言えるでしょう。
そして、䔥粛と肉肉の真実の愛も、物語に温かい光を灯しています。幼馴染み三人の強い絆が、様々な困難を乗り越える力となっていることが感じられます。䔥粛の都への帰還は、肉肉との別れという切ない展開をもたらしますが、同時に、楚修明と沈錦の関係を進展させるきっかけともなりました。
つづく