あらすじ
第九話は、䔥粛、楚修明、沈錦の三人を中心に、複雑な物語が展開されます。䔥粛は密かに皇帝に謁見し、楚修明に関する噂を払拭します。そして、自らの死を偽装することで身分を隠し続け、楚修明を陰ながら支え続けます。楚修明は䔥粛の「死」を知り、密偵の突然の死によって、黒幕の捜査は難航を極めます。朝廷は鷹族からの和議の申し入れを受け、疑念の声もある中で、皇帝は和議に応じる決断を下します。永寧伯邸では、沈錦が䔥粛の「死」を偶然耳にし、肉肉が真実を知った時の反応を案じ、心乱れます。物語が進むにつれ、楚修明は実は生きている䔥粛を匿い、その正体を隠蔽していることが明らかになります。その後、鷹族の公主マヤは兵士に扮して楚修明を襲撃しますが失敗し、邸内で療養することになります。沈錦とマヤは当初対立しますが、街へ共に外出する中で互いの理解を深め、今後の展開への伏線を張ります。
ネタバレ
䔥粛は皇城で密かに皇帝に謁見し、楚修明の忠誠心を訴え、彼に不利な噂は陰謀だと主張した。皇帝は真相究明のため、䔥粛を楚修明の側近に戻すよう命じた。しかし、䔥粛の身分が露見したため、偽装死を工作した。
楚修明は伝書鳩で䔥粛からの成功の知らせを受け取った。捕らえた間者を尋問するも、間者は何も答えず急死し、黒幕の特定は難航する。
朝廷に鷹族からの和議の申し入みがあり、皇帝は喜ぶが、ある言官は鷹族との長年の対立と、前任永寧伯の交渉失敗を理由に不審を抱く。新任監督官の就任直後の和議は出来過ぎていると指摘するも、皇帝は調査を言官に一任し、自身は楽観的な姿勢を崩さない。
永寧伯府では、楚修明が書斎で読書し、沈錦が刺繍をしていた。副将が急用で訪れ、沈錦は部屋を退出。廊下で偶然、楚修明と副将の䔥粛の“死”についての会話を聞き、事の重大さと楚修明が自分に話さなかったことから、沈錦は黙っていることを選ぶ。
沈錦は䔥粛の死を知らぬ肉肉の明るい様子を見て、真実を告げるべきか悩む。小蔥は副将に手作りの服を贈ろうとするが、サイズが合わないと勘違いした副将は豹子頭に渡してしまい、小蔥は落胆する。
沈錦は䔥粛のことで食欲不振に陥る。肉肉は沈錦を元気付けようと、幼い頃に䔥粛に嫁ぎたいと思っていたことを話す。沈錦は涙を流し、肉肉の夢が葉わないことを悲しむ。しかし、実際には䔥粛は生存しており、偽装死は身分隠蔽のためだった。誤解が解け、二人は屋上で酒を飲み、危なく落ちそうになるが、楚修明と䔥粛に救われる。
翌日、沈錦は一人バルコニーで微笑み、肉肉の様子がおかしい。鷹族の将軍が楚修明の陣営を訪れ、友好の会談を行う。しかし、催された催しの中、兵士に扮した鷹族の姫マヤが楚修明を襲うが、返り討ちに遭う。楚修明は負傷したマヤを屋敷で療養させることにする。
帰宅した沈錦は、見知らぬ女が自分の服を著て“姉”と呼ぶことに激怒。マヤの説明にも耳を貸さず、楚修明は沈錦を抱き上げ、キスをして場を収める。夜、マヤが楚修明に勝負を挑むのを目撃した沈錦は、楚修明を軍営に帰らせる。
翌日、マヤの街へ出たいという要望を楚修明が断ったため、沈錦が同行することに。賑やかな市場で買い物を楽しみ、酒を酌み交わす。翌朝、沈錦が目覚めると、マヤはすでに早朝の街に出かけていた。沈錦はマヤの素性に疑問を抱きつつ、新たな展開を予感させるのであった。
第9話の感想
第9話は、䔥粛の偽装死という衝撃的な展開から始まり、様々な感情が交錯するエピソードでした。沈錦の不安、肉肉の無邪気さ、小蔥の失恋、そしてマヤの登場と、それぞれのキャラクターの心情が丁寧に描かれており、見ている側も感情移入させられました。
特に印象的だったのは、沈錦と肉肉の友情です。䔥粛の死を知らされていない肉肉と、真実を知っている沈錦。二人の間には、言葉にはされない複雑な感情が流れ、見ていて胸が締め付けられました。肉肉が幼い頃に䔥粛に嫁ぎたいと思っていたという告白は、切なくも微笑ましいエピソードでした。このシーンは、二人の絆の深さを改めて感じさせると同時に、䔥粛の存在の大きさを改めて認識させられました。
また、新キャラクターである鷹族の姫、マヤの登場も今後の展開を期待させるものでした。天真爛漫で自由奔放なマヤは、沈錦や楚修明にとって、良い意味でも悪い意味でも刺激的な存在となるでしょう。楚修明に果敢にアタックする様子や、沈錦の服を著て「姉」と呼ぶ大胆な行動は、今後の波乱を予感させます。
つづく