あらすじ
第二十話は、薛芳菲が薛懐遠とその旧部下たちを救おうと奔走する姿を描いています。幾重もの危険に直面しながら、彼女は蕭蘅と協力し、敵の厳重な監視の目をかいくぐって捕らわれた人々を救出しようとします。その過程で、薛芳菲は外部からの脅威に対処するだけでなく、内面の苦悩や葛藤にも向き合わなければなりませんでした。
大胆な救出作戦を決行し、一行は脱出に成功しますが、馮県令の仕掛けた罠に陥ってしまいます。激しい攻防の末、薛芳菲は自らの手で馮県令を成敗し、彼が傷つけた人々の仇を討ちます。しかし、長年の苦難によって正気を失った父・薛懐遠は、娘である彼女のことを認識することができませんでした。
この事実に薛芳菲は深い自責の念と罪悪感に苛まれ、全ての責任者に償いをさせると誓います。
ネタバレ
薛芳菲は、家族の不幸が婉寧と繋がっていることに気づき、深い悲しみと共に危険を覚悟して立ち向かう決意を固めました。蕭蘅も彼女を支えるため共に残ります。
道中、役人による虐待を目撃した薛芳菲は、薛懐遠の旧部を助けようとします。古家兄弟と再会しますが、身分を隠すため姜梨と名乗り、共に脱出することを提案します。
蕭蘅と薛芳菲は巡回の役人から隠れるため厠に身を潜めますが、鼠に驚いた薛芳菲の悲鳴で危機一髪。一方、古家兄弟は仲間の何君と彭笑を見つけ、共に脱出を決行します。
しかし、計画は失敗。騒ぎの中、陸璣が現れ蕭蘅を救い、文紀も加勢して一行は撤退します。
一方、葉明煜を取り逃がした馮県令は激怒し、密偵を拷問。啞婆の裏切りが発覚し、彼女も拷問の末、残酷にも殺害されます。
李瑾からの指示を受けた馮県令は、蕭蘅たちを抹殺するため刺客を送り込みます。激しい戦闘で刺客は全滅しますが、蕭蘅は負傷。薛芳菲は彼を守るため勇敢に戦います。
蕭蘅は県衙へ向かう決意をし、薛芳菲も同行。女装した薛芳菲に、薛懐遠と再会することを告げます。馮県令は宴を催し、蕭蘅たちの到著を待ち構えます。追い詰められた馮県令は、正気を失った薛懐遠を盾にします。
蕭蘅は金塊と馬車を要求する馮県令に道を譲ると見せかけ、密かに狙撃を指示。馮県令は毒入りの羊の肉で倒れますが、薛芳菲の正体に気づき、啞婆の死を告げます。激怒した薛芳菲は馮県令を刺殺。蕭蘅が止めようとした瞬間、何者かの矢が馮県令を射抜き、絶命します。
薛芳菲は薛懐遠と再会しますが、彼は正気を失っており、彼女のことを覚えていません。薛芳菲は深い後悔と怒りに燃え、復讐を誓います。
薛懐遠の旧部は証人を探しますが、誰もが報復を恐れて証言を拒否。薛芳菲は春芳婶に助けを求めますが、劉叔に阻まれ、失望に暮れます。善行が報われるのか、彼女は疑問を抱きます。
第20話の感想
第20話は、薛芳菲の復讐心が本格的に燃え上がり、物語が大きく動き出す重要な回でした。これまで陰ながら行動していた彼女が、ついに自らの手で馮県令を殺害するシーンは、彼女の積年の恨みと悲しみが爆発した瞬間であり、見ているこちらも息を呑むほどの緊迫感がありました。復讐を果たした彼女の表情からは、達成感よりもむしろ、空虚感や虚しさのようなものが感じられ、今後の展開がさらに気になります。
一方、蕭蘅は常に冷静沈著で、薛芳菲を支え続けながらも、彼女が復讐に囚われすぎることを心配している様子が印象的でした。二人の関係性は、復讐劇の中で唯一の温かさを感じさせる部分であり、今後の変化にも注目したいです。
また、馮県令の最期は、悪役らしい残酷な死に方でしたが、同時にどこか滑稽さも感じさせるものでした。悪事を重ねてきた彼が、毒入りの羊肉で倒れ、最期まで薛芳菲を侮っていたことが、彼の愚かさを象徴しているように思えました。
つづく