あらすじ
第3話は、薛芳菲が姜家に引き取られる過程と、帰還後の初期の出来事を中心に描かれています。孫ママの嫌がらせや季淑然の探りに対し、彼女は慎重かつ賢明に対処します。季淑然が用意した華やかな衣装ではなく、貞女堂の服を著て帰宅することを選び、姜老夫人の怒りを買わないよう配慮しました。
姜家に帰還後、劣悪な居住環境や、孫ママが差し向けた香巧と芸双という二人の侍女による意図的な嫌がらせにも、薛芳菲は冷静さを保ち、戦略的に対応していきます。例えば、金銀の装飾品を使って香巧を買収し、二人の間に亀裂を生じさせました。
また、家族との面会を通して、彼女は自身の成長を示すと同時に、家族内部における複雑な権力争いや個人的な確執を明らかにします。特に、彼女の過去をめぐる誤解とその現在の人間関係への影響が浮き彫りになります。
ネタバレ
薛芳菲は連れ戻された桐児と再会し、姜家へ帰ることを聞かされます。しかし、姜家での苦労を桐児にさせたくない芳菲は、慎重に考えるよう諭します。桐児は、かつて自分を救ってくれた葉珍珍への恩義から、芳菲と共に姜家の汚名を晴らすまで仕えると誓い、跪きます。
姜元柏 が姜梨を連れ戻すことに、孫媽媽は不満を抱き、蕭蘅が姜梨に儀仗を与えたことを過剰な待遇だと非難します。季淑然は、孫媽媽に姜梨を自ら出迎えさせ、貞女堂の一件が偶然とは思えないことから、姜梨の思惑を探ろうとします。
翌日、孫媽媽は門前で待ち受けます。桐児に付き添われた芳菲が現れると、孫媽媽は面影こそあるものの、姜梨だとは気づかず、幼い頃の姿に価ていると思う程度です。芳菲はわざと怒り、両親が自分を望んでいないと見せかけ、帰ろうとします。孫媽媽は慌てて引き止め、機嫌を取り、季淑然が用意した服に著替えるよう促します。しかし、芳菲は桐児から、姜老太が生前の姜梨を可愛がり、華美な服装を嫌っていたことを聞かされます。季淑然の贈った服は、姜老太の怒りを買うための罠だと察した芳菲は、貞女堂の服のまま姜家へ戻ります。
秦公は、息子の逮捕に抗議するため蕭蘅を訪ね、証拠もなく逮捕したことを責め、聖上に訴えると脅します。しかし、蕭蘅は規則に則って行動したと主張し、秦公は引き下がらざるを得ません。文紀は、姜梨から情報を得られなかったことを悔やみます。蕭蘅は、姜梨に半分の儀仗を与え、姜元柏 に盛大に迎え入れさせました。実は姜梨の身分に疑念を抱き、朝廷の重臣が関わっている可能性も考えて、更なる情報を得るために、文紀に厳重な監視を命じます。
帰路、芳菲は轎の簾を上げ、過去の記憶が蘇ります。姜元柏 は、姜家に恥をかかせまいと姜梨への贈り物に頭を悩ませますが、季淑然は既に手配済みだと告げ、姜元柏 は彼女への感謝を深めます。儀仗が近づくと、周囲の人々は姜梨が十年間田舎者だったと噂しますが、轎から現れた芳菲の美貌と気品に皆が驚愕します。
姜元柏 は、かつて自分が送った時、決して非を認めなかった姜梨の姿を思い出しながら、目の前の姜梨を信じられない思いで見つめます。質素な服装の姜梨を見て、姜元柏 は孫媽媽を叱責しますが、孫媽媽は責任を姜梨に転嫁します。芳菲は服が合わないと説明します。季淑然は偽りの温情で姜梨を迎え、叔父たちに引き合わせます。桐児から事前に家族の情報を聞いていた芳菲は、落ち著いて対応します。姜元平は一家団欒の食事を提案しますが、季淑然は姜梨を姜老太に会わせないため、姜梨の休息を理由に断ります。幼い頃の思い出話に、姜元柏 は姜梨の成長を喜びます。
季淑然は、わざと姜梨を姜老太に会わせます。姜老太は姜梨との再会を喜び、十年間の暮らしを尋ねます。芳菲は真実を語らず、桐児から聞いていた、姜老太からの贈り物が全て横取りされていた事実を心に留めます。孫媽媽に連れられて姜丙吉が現れ、姜梨を悪人と罵りますが、姜老太は大人たちの教育不足だと叱責します。
孫媽媽は、荒れ果てた芳菲苑に姜梨を案内し、掃除を命じます。桐児は憤慨しますが、芳菲はこれが試練だと理解し、全てを取り戻すと誓います。孫媽媽は季淑然に、姜梨が別人ではないかと報告しますが、季淑然は本物か偽物かどちらでも対応できると余裕を見せます。
孫媽媽は、香巧と芸双という二人の侍女を姜梨につけます。彼女たちは監視と嫌がらせを目的としており、わざと仕事をせず、桐児の言うことも聞きません。しかし、姜梨はどんな仕打ちにも耐え忍び、その様子は季淑然にも伝わります。姜若瑤の笈礼が近づき、季淑然は姜梨の参加を認めません。寧遠侯府の周彦邦が来ることで、かつて姜梨と婚約していた彼が、姜梨の失態後に姜若瑤と婚約した事実を思い出させたくないためです。姜元柏 も季淑然の意見に賛同します。
芳菲は、香巧に金銀宝石を与え、芸双の嫉妬心を煽ることで二人の侍女を分断し、状況を有利に進めようと画策します。今後の展開は、姜梨と家族の関係、そして姜家における彼女の立場が鍵となります。全ての行動が、最終的な結末に影響を与えるでしょう。
第3話の感想
第三話は、姜梨として姜家に舞い戻った薛芳菲の周到な復讐計画の幕開けと言えるでしょう。十年という歳月を経て、別人として帰還した彼女は、周囲の仮応を冷静に見極め、巧妙に立ち回ります。特に、季淑然の仕掛けた罠を見破り、あえて質素な服装で現れるシーンは、彼女の知略の高さを窺わせる印象的な場面でした。
孫媽媽や姜丙吉の露骨な嫌がらせ、そして季淑然の陰湿な策略に対し、芳菲は感情を表に出さず、静かに仮撃の機会を伺います。香巧と芸双という二人の侍女を金で懐柔する場面は、今後の展開を予感させる巧妙な一手と言えるでしょう。
一方、姜元柏 や姜老太は、芳菲を本当の姜梨だと信じ、温かく迎えます。この対比が、芳菲の復讐劇をより一層際立たせています。真の目的を隠したまま、家族との再会を演じる芳菲の心中は、計り知れない複雑な感情で揺れ動いていることでしょう。
今後の展開としては、芳菲がどのようにして姜家の汚名を晴らし、真の敵に復讐を果たしていくのかが注目されます。彼女を取り巻く複雑な人間関係、そして数々の困難をどのように乗り越えていくのか、今後の物語から目が離せません。
つづく