あらすじ
第三十三話は、薛芳菲、婉寧、そして沈玉容の複雑な関係を中心に展開します。薛芳菲は大理寺で無理やり翻供させられ、沈玉容を誘惑したことを認め、牢獄に入れられてしまいます。蕭蘅はそれを知り、薛芳菲を助けようと奔走し、薛昭の無事を確認します。一方、沈玉容は薛芳菲を支配し続けようと、彼女に結婚を迫る計画を立てます。麗妃である婉寧に助けを求め、賢妃の死に対する婉寧の恐怖心を巧みに利用して協力を得ようとします。
最終的に、洪孝帝の介入により薛芳菲は釈放されます。しかし彼女は沈玉容の求婚と庇護を拒否し、蕭蘅を選びます。薛昭との再会を果たした薛芳菲は、過去に自分が陥れられた真相を明らかにし、新たな困難に立ち向かう決意を固めます。同時に、姜家が争いに巻き込まれるのを避けようと尽力し、家族を守ろうとする強い意志を見せます。
ネタバレ
薛芳菲は婉寧に連れられ、薄暗い牢獄へと足を踏み入れた。そこにいたのは、拷問で変わり果てた姿の薛昭だった。再会に胸を締め付けられる芳菲。婉寧は、芳菲への牽製として薛昭を生かしておいたのだと言い、彼を救うかと問う。しかし、薛昭は芳菲に気づかない様子。焦る芳菲をさらに追い詰めるため、婉寧は薛昭に刃を突き立てる。
その後、解放された芳菲を姜雲柏が心配そうに迎える。夜、芳菲は薛昭が鞭打たれる悪夢にうなされ、趙柯を通じて司徒九月に手紙を送る。それを知った蕭蘅は、婉寧への監視を強化するよう命じた。
翌日、芳菲は姜雲柏と共に大理寺卿を訪ね、沈玉容への厳罰を求める。周卿は既に沈玉容の罪を確認していたが、芳菲は婉寧の脅迫に屈し、沈玉容を誘惑したと偽証してしまう。姜雲柏の忠告も虚しく、芳菲は投獄される。
芳菲の投獄を知った蕭蘅は、大理寺卿へ駆けつける。そこで、釈放された沈玉容と鉢合わせした芳菲は、彼の偽善を糾弾し、全ての悪事を暴くと宣言する。沈玉容は母と妹を守るための苦渋の決断だったと弁明するが、芳菲は聞く耳を持たない。
その後、蕭蘅は芳菲を訪ね、薛昭の救出のため、彼の安否確認への協力を求める。しかし、婉寧は既に薛昭を拷問し、国公府へ送りつけていた。芳菲に彼の変わり果てた姿を見せつけるためだ。
沈家に戻った沈玉容は、蕭蘅への対抗心から、婉寧に謝罪し、芳菲との結婚を皇帝に願い出る。婉寧は当初疑念を抱くも、沈玉容から贈られた簪に目がくらみ、彼の提案に乗ることにする。皇帝の許可が下りないことを懸念する婉寧に対し、沈玉容は麗妃に協力を求めるよう助言する。
一方、姜雲柏は芳菲のために何度も洪孝帝に謁見を求めるが、拒否され続けていた。婉寧は麗妃に結婚の仲介を依頼するが、断られてしまう。そこで、婉寧は麗妃が過去に賢妃を呪殺した秘密を盾に、彼女を脅迫する。
麗妃は皇帝を誘い、沈玉容と芳菲の結婚を提案し、沈玉容を皇帝に引き合わせる。沈玉容は芳菲への寛大な処置を願い出て、皇帝は芳菲の釈放を命じる。
釈放された芳菲を迎えに来た沈玉容は、結婚は彼女を守るためだと言うが、芳菲はもはや彼を信じず、蕭蘅の元へ向かう。二人は馬車に乗り込み、その場を去る。芳菲は陰謀を察知し、蕭蘅は真相究明に乗り出す。
ついに蕭蘅は芳菲を薛昭の元へ連れて行く。涙の再会を果たした二人は、これまでの出来事を語り合う。薛昭は婉寧の罠にはめられた経緯を語り、芳菲は自らの正体が姜梨であることを明かす。姜家に戻った芳菲は、姜雲柏の理解を得て、姜家を守るため、季淑然と麗妃の面会を画策する。同時に、蕭蘅は婉寧が麗妃の弱みを握っていることを突き止め、文紀を通じて芳菲に伝える。
第33話の感想
第33話は、まさに怒涛の展開でした。薛芳菲が婉寧の罠にはまり、偽証を強いられるシーンは、見ているこちらも胸が締め付けられました。愛する薛昭を救いたい一心での行動とはいえ、沈玉容を陥れる結果となり、さらに自身も投獄されるという悲劇的な状況に、彼女の苦悩がひしひしと伝わってきました。
一方、沈玉容の行動には複雑な感情を抱かざるを得ません。母と妹を守るための苦肉の策とはいえ、芳菲を欺き、利用する姿には、怒りを覚えました。しかし、蕭蘅への対抗心や、芳菲への未練など、彼の揺れ動く心情も垣間見え、一概に悪人とは言い切れない部分も感じます。
そして、蕭蘅の芳菲への一途な想いは、見ていて心温まるものがありました。危険を顧みず、彼女を助けようとする姿は、まさにヒーローそのもの。二人の絆が深まる様子に、今後の展開への期待が高まります。
また、婉寧の悪辣さは、回を重ねるごとに増しているように感じます。今回は、麗妃の弱みを握り、脅迫するなど、手段を選ばない彼女のやり方には、恐怖すら覚えました。彼女の真の目的は何なのか、今後の展開が非常に気になります。
つづく