あらすじ

第39話は、蕭蘅しょうこう婉寧えんねい沈玉容しんぎょくよう薛芳菲せつほうひといった登場人物たちの複雑な愛憎劇と権力闘争を軸に展開します。趙柯ちょうか姜雲興きょううんこう婉寧えんねいの要求に従って行動させられていることを知ります。一方、婉寧えんねい薛芳菲せつほうひを利用して蕭蘅しょうこうをおびき出そうと画策していました。しかし、沈玉容しんぎょくよう婉寧えんねいを裏切り、薛芳菲せつほうひを助け出そうとします。その争いの中で、沈玉容しんぎょくようは誤って婉寧えんねいを殺してしまいます。息を引き取る間際、婉寧えんねい沈玉容しんぎょくように深い失望と愛憎入り混じった感情を吐露します。

沈玉容しんぎょくよう薛芳菲せつほうひを連れて逃亡しますが、薛芳菲せつほうひは彼の身勝手さを責め、二人の関係は険悪なものとなります。

晩餐の席で、成王せいおう婉寧えんねいの死を利用し、洪孝帝こうこうてい婉寧えんねいを殺害したと訴え、反乱を扇動します。宮廷内は一気に緊張が高まります。

それと時を同じくして、蕭蘅しょうこうは龍武軍との戦いに備えます。幾重にも包囲される中、蕭蘅しょうこうは勇敢果敢な闘志を見せ、物語は緊迫のクライマックスへと突き進んでいきます。

ネタバレ

気絶していた趙柯ちょうかは目を覚まし、姜雲興きょううんこうの独り言から、婉寧えんねい楊氏ようしを捕らえ、脅迫して思い通りに動かしていることを知る。成王せいおう婉寧えんねい薛芳菲せつほうひへの攻撃を一時見合わせるよう指示し、彼女を囮にして蕭蘅しょうこうをおびき寄せ、弱点を掴もうと企んでいた。しかし、婉寧えんねいは今は蕭蘅しょうこうに構っている場合ではないと考える。成王せいおう蕭蘅しょうこう蕭溟寒しょうめいかんの死因に気づいている可能性を危惧し、大事に影響が出る前に速やかに彼を始末しようと決意する。婉寧えんねいは、蕭蘅しょうこう薛芳菲せつほうひを助けに来たら、生かして帰さないことを成王せいおうに誓う。

一方、蕭蘅しょうこうは宮中で防御線を張っていたが、趙柯ちょうかが駆けつけ、姜雲興きょううんこうの状況を伝える。薛芳菲せつほうひの身を案じた蕭蘅しょうこうは自ら公主府へ向かう準備をし、陸璣りく きたちに指示を出す。そこに蕭老将軍しょうろうしょうぐんが現れ、主帥である蕭蘅しょうこうは陣地を離れるべきではないと進言し、自ら薛芳菲せつほうひの救出に向かうと申し出る。

沈玉容しんぎょくようは侍女に婉寧えんねいへ羹を届けさせ、時間稼ぎをして薛芳菲せつほうひの居場所を探ろうとする。婉寧えんねい沈玉容しんぎょくようがついに自分の真意を理解したと思い込み、喜んで羹を飲む。その後、沈玉容しんぎょくよう薛芳菲せつほうひを連れて行こうとするが、薛芳菲せつほうひ婉寧えんねいに同情し、沈玉容しんぎょくようを非難する。沈玉容しんぎょくようは激昂し、全ては婉寧えんねいに強要されたのだと主張する。言い争いの末、薛芳菲せつほうひ沈玉容しんぎょくようを臆病者だと嘲り、一緒に出て行くふりをして油断させ、隙をついて攻撃し気絶させる。

羹を飲み終えた婉寧えんねいは突如吐血し、沈玉容しんぎょくように毒を盛られたと疑う。土砂降りの雨の中、気を失った薛芳菲せつほうひを抱えて外に出た沈玉容しんぎょくようは、雨に打たれる婉寧えんねいの姿を目にする。婉寧えんねいの悲痛な問いかけに対し、沈玉容しんぎょくよう成王せいおうの策略を明かし、婉寧えんねいはただの駒だと告げる。全てに絶望した婉寧えんねいは、沈玉容しんぎょくようから贈られた簪を外し彼に返し、隙を見て自らの胸を二度刺す。そして最後の力を振り絞り、地獄で待つと沈玉容しんぎょくように言い残し、息絶える。沈玉容しんぎょくようは衝撃を受け、倒れる婉寧えんねいを見つめる。

沈玉容しんぎょくよう薛芳菲せつほうひを連れ去り、目を覚ました薛芳菲せつほうひは無力ながらも沈玉容しんぎょくようの冷酷さを責める。沈玉容しんぎょくよう薛芳菲せつほうひの仇を討ったつもりだったが、薛芳菲せつほうひは彼に自害を望む。怒りに駆られた沈玉容しんぎょくようは魚符を取り出し、蕭蘅しょうこうを殺すと宣言する。晩餐会は予定通り開催され、宮殿では歌や踊りが披露される。張巍ちょうぎは兵を率いて殿外に待機し、成王せいおうの指示を待つ。徐直じょちょくが乱入し、張巍ちょうぎを北境と通じて謀仮を企てていると告発するが、兵たちは動かない。張巍ちょうぎ徐直じょちょくがスパイだと既に知っていたのだ。

沈玉容しんぎょくよう婉寧えんねいの遺体を李瑾り きんに渡し、当初李瑾り きんは芝居だと思っていたが、本当に死んでいると確認し内心喜ぶ。沈玉容しんぎょくようは予定通り婉寧えんねいの遺体を大殿に運ぶよう指示する。部下に薛芳菲せつほうひを監視させ、自身は蕭蘅しょうこうを討つため向かう。蕭老将軍しょうろうしょうぐんたちは合図を受け薛芳菲せつほうひを救出しに向かい、洪孝帝こうこうてい麗妃れいひと共に退出しようとするが、成王せいおうに阻まれる。洪孝帝こうこうていの脱出を助けるため、麗妃れいひは残って成王せいおうを宥める。

李瑾り きん婉寧えんねいの遺体を抱いて大殿に入り、洪孝帝こうこうてい婉寧えんねいを殺したと宣言する。婉寧えんねいの遺体を見た成王せいおうは悲しみながらも天誅を加えると決意を新たにする。成王せいおうの言葉を信じない大臣が異議を唱えるが、成王せいおうに斬り殺される。李仲南りちゅうなんを筆頭に他の者たちも成王せいおうに従い、成王せいおう派は合図を送り、沈玉容しんぎょくようは魚符を使って龍武軍の楊青ようせいに城門を開かせ、成王せいおうの軍勢を都に入れる。楚嵐そらんの軍勢が宮中に突入し、文紀ぶんき司徒九月しとくくがつは協力して戦い、楚嵐そらんを捕らえる。

陸玑りくき洪孝帝こうこうていを西宮門から脱出させようとするが、李仲南りちゅうなんの兵に阻まれる。そこに姜元柏きょうげんはく が兵を率いて駆けつける。成王せいおう洪孝帝こうこうていを捕らえようとするが、蕭蘅しょうこうが立ちはだかり、激しい戦いが始まる。姜元柏きょうげんはく洪孝帝こうこうていを国公府へ送り届け、蕭蘅しょうこうは龍武軍の注意を自身に引きつけようとする。蕭老将軍しょうろうしょうぐん薛芳菲せつほうひを連れて蕭蘅しょうこうと合流し、薛芳菲せつほうひ蕭蘅しょうこうに協力することを決意する。蕭蘅しょうこうは一人で龍武軍に包囲され、沈玉容しんぎょくようは弓兵に指示を出し、薛芳菲せつほうひの心を奪ったのは蕭蘅しょうこうだと考える。蕭蘅しょうこうはもはや生き延びることを諦め、最後の戦いに挑む覚悟を決める。

第39話の感想

怒涛の展開を見せた第39話。婉寧えんねいの悲劇的な最期は、あまりにも哀しく、胸が締め付けられる思いでした。愛する沈玉容しんぎょくようのために尽くしてきた彼女が、結局は利用されていたという事実に、どれほどの絶望を味わったことでしょうか。雨の中、自らの命を絶つシーンは、彼女の悲痛な叫びが聞こえてくるようで、涙が止まりませんでした。

一方、沈玉容しんぎょくようは複雑なキャラクターです。婉寧えんねいへの愛と成王せいおうへの忠義の間で揺れ動き、最終的には非情な決断を下しました。薛芳菲せつほうひを救出したものの、彼女との関係も修復不可能なまでに壊れてしまったように見えます。彼自身の苦悩も深く、今後の動向が気になります。

蕭蘅しょうこうは、冷静沈著な判断で事態に対処しようとしていますが、薛芳菲せつほうひの危機に焦りが見え隠れします。蕭老将軍しょうろうしょうぐんの助けもあり、薛芳菲せつほうひとの再会を果たしますが、龍武軍に包囲されるという絶体絶命のピンチに陥ります。彼の運命はいかに?

つづく