あらすじ
第二十話は、張之維が龔慶を探す中で巻き起こる一連の出来事を描いています。物語は、陸天師をはじめとする長老たちが、張之維の独断での下山について激論を交わす緊迫した場面から始まります。その後、張之維は自ら全性メンバーに詰め寄り、龔慶との面会を求めますが、拒絶され攻撃を受けます。徐三が持ち帰った全性の連絡手段である広告は、張之維の秘密を暴き、張楚嵐と馮宝宝もその手がかりに気づきます。日中、張之維は全性四張狂を相手に単独で戦い、龔慶の行方を探りますが、誰も彼の居場所を知らず、張之維は夏禾に狙いを定めます。天候が回復すると、龔慶は張之維との直接対決を決意しますが、敗北を喫します。張之維はこの機会を利用し、無実の死者の汚名をすすぎます。最後は、張霊玉が師である張之維に夏禾を許すよう懇願し、二人きりで話し合った後、張霊玉は夏禾を見舞い、互いの想いを語り合い抱き合います。一方、呂良は龔慶に身を隠すよう忠告し、重要な記憶を伝えます。龔慶は自身の置かれている状況の危険性を改めて認識することになります。
ネタバレ
激しい雷雨の中、街行く人々、果ては逃走中の全性派すらも落雷に見舞われる。屋内では、老爺たちが陸天師を囲み、一見深刻な状況にも関わらずお世辞で場を濁していた。陸老爺は業を煮やし、機を叩いて本題を切り出す。張之維が独断で下山した件で議論が始まり、王老爺が持論を展開する中、風家の者はお茶を注いで世話を焼く。
その後、張之維は全性派のもとへ詰め寄る。相手は全性派との関係を否定しようとするが、張之維は意に介さず、龔慶との面会を要求する。相手は動揺を隠しきれず、協力を拒否するも、そこに全性派の構成員が乱入。相手を痛めつけ、龔慶を引き渡すよう脅迫する。さもなくば、全性派全体への報復を宣言する。
徐三は街で見つけた全性派の情報伝達に使われた広告を持ち帰る。それは張之維の秘密に関わるものだった。解析を始めると手がかりが見つかり、徐三が説明を終える前に、張楚嵐と馮宝宝が張之維に関する尋ね人を見つける。張霊玉は部屋に戻ると、田老爺と親密だった師弟が悲しみに暮れ、老人が座っていた椅子を拭いているのを見つける。彼は師弟を慰めようとする。
翌日、張之維は全性四張狂のもとを訪れ、龔慶の行方を追う。一人で四張狂を叩きのめすも、彼らは龔慶の居場所を知らないと主張する。張之維は夏禾の発言を問い詰め、攻撃を始める。
天候が回復すると、龔慶は動き出し、張之維との直接対決を決意。隠れた場所に張之維を誘い込み、他の高手と共に戦いを挑むも、張之維に敗北。無実の死者の汚名は晴らされる。帰還した張之維に、張霊玉は夏禾の助命を嘆願する。弟子の切実な願いに、張之維は彼を部屋に呼び、教えを説く。その後、張霊玉は夏禾を見舞い、二人は互いの想いを伝え合い、抱き合う。
呂良は龔慶と共に、身を隠すよう忠告する。彼は既に死者の記憶を抽出し、それを躊躇なく龔慶に見せる。全てを知った龔慶は、皮肉にも事態が張楚嵐に有利に展開し、「人」になるという自身の目標から遠ざかったことを悟る。もはや後戻りできないことを自覚した龔慶は、呂良に代償を伴う行為を止めるよう諭すが、呂良はそれを受け入れない。
第20話の感想
第20話は、怒涛の展開で息つく暇もないほどでした。張之維の圧倒的な強さと、その裏にある深い愛情が印象的です。全性四張狂を相手にたった一人で立ち向かい、完膚なきまでに叩きのめすシーンは、まさに圧巻。しかし、その強さだけでなく、弟子である張霊玉の嘆願に耳を傾け、教えを説く姿からは、厳しさの中にも温かさを感じることができました。
龔慶との対決も、手に汗握る緊張感がありました。張之維の目的は、ただ単に敵を倒すことではなく、無実の死者の名誉を回復すること。その強い信念と正義感に胸を打たれました。そして、戦いを通して明らかになる龔慶の過去、そして彼が抱える苦悩。敵でありながらも、どこか憎みきれない複雑な感情を抱きました。
一方、張霊玉と夏禾のラブシーンは、物語に一時の安らぎを与えてくれました。二人の切ない愛に、思わず涙がこぼれそうになりました。しかし、彼らの未来には、まだ多くの困難が待ち受けていることでしょう。
つづく