あらすじ
第26話は、呂良が全性の新任の長門となってから、裏で糸を引く老女を探し出し、小歓の仇を討とうとする物語が中心です。彼は双全手の異能を用いて他人を操り、協力を強いる様子が張楚嵐の注意と疑念を惹きつけます。回想シーンでは、呂良と小歓の過去の出来事が描かれ、張楚嵐と対峙する際には、過去の記憶を失っているかのような素振りを見せます。
一連の出来事を通して、彼らは馮宝宝の出生の秘密を解く鍵を握る人物が端木瑛である可能性に辿り着きます。端木瑛にいち早く接触するため、張楚嵐と馮宝宝は徐三たちを避け、単独で行動を開始します。しかし、追跡の過程で、無人運転の車や洞窟の崩落といった不可解な現象に遭遇します。最終的に、彼らはこれらが全て内景によるものであり、甲申の乱と関連があることに気付きます。
端木瑛が現れ、皆を率いて真相究明へと進みます。一方、呂良は小歓の存在を前に躊躇し、手出しすることができませんでした。物語全体を通して、緊迫感あふれる展開と登場人物たちの複雑な感情の絡み合いが描かれています。
ネタバレ
全性の新リーダーとなった呂良は、早速ある人物に協力を求めに行きました。最初は相手にされませんでしたが、呂良は部下を使い、双全手の力で圧力をかけ、目的の人物、裏で糸を引く老女を探させます。この様子を張楚嵐は見ており、呂良の異能に疑問を抱きます。
呂良は、幼い頃、小歓と遊んでいた記憶を思い出し、彼女からもらったコインを眺めます。そこへ張楚嵐が現れ、話しかけますが、呂良はまるで彼を知らない様子。張楚嵐は、呂良に渡した物を慌てて取り出します。
呂良は記憶を辿り、張楚嵐はその記憶の中に自分の祖父の姿を見つけます。そして、もう一人の女性は八奇技の一つ、「双全手」の使い手である端木瑛だと説明を受けます。呂家の明魂術は、その双全手のほんの一部に過ぎないというのです。呂良は、小歓の仇を討つため、端木瑛を見つけ出し、真相を問いただそうとします。
張楚嵐は、馮宝宝の出生の秘密を探るため、呂良より先に端木瑛を見つけようと、馮宝宝と共に徐三の元へ向かいます。脅されて渋々ながらも、徐三は二人に二壮の居場所を教えます。二壮から情報を得た張楚嵐と馮宝宝は、徐三には内緒で端木瑛を探しに行きます。
端木瑛を連れ出そうとしたその時、車が勝手に動き出します。張楚嵐は、車の中に呂良がいることに気づき、追跡を開始。追いつくと、呂良は小歓の行方を端木瑛に問い詰めていました。興奮する呂良を落ち著かせ、過去の出来事を思い出させると、呂良は端木瑛が小歓の記憶を操作したことを悟ります。そして、今の端木瑛の中に、小歓の人格が眠っている可能性に気付きます。
呂良は張楚嵐と協力し、真相を探ろうとしますが、記憶の中には強力な禁製が張られており、無理に解けば危険が伴うことが分かります。しかし、馮宝宝は恐れず禁製を解こうとします。すると、洞窟が崩れ始め、三人は列車に乗り込みます。張楚嵐は、ここが内景だと気づき、呂良は、この場所が甲申の乱に関係する人物のものだと見抜きます。
薄暗い場所に端木瑛が現れ、呂良は小歓の姿を垣間見ます。しかし、彼女に手出しすることはできませんでした。端木瑛は呂良を無視し、馮宝宝に近づき、共に真相を探ろうと誘います。
第26話の感想
『異人之下 アウトサイダーズ』第26話は、怒涛の展開で息つく暇もないほどでした。呂良の復讐心、張楚嵐の探究心、そして馮宝宝の謎めいた存在感が複雑に絡み合い、物語は核心へと迫っていきます。
特に印象的だったのは、呂良の過去が明らかになったシーンです。幼い頃の記憶、小歓との約束、そして復讐への強い思い。彼の抱える苦悩と悲しみがひしひしと伝わってきて、胸が締め付けられるようでした。双全手の使い手としての非情さと、大切な人を失った悲しみを同時に表現する呂良の演技は圧巻でした。
また、張楚嵐の洞察力と機転の良さも光っていました。呂良の異変にいち早く気づき、記憶の中の祖父の姿から真相に近づいていく様子は、まさに名探偵の風格です。馮宝宝とのコンビネーションも抜群で、二人の掛け合いにはクスッと笑える場面もありました。
つづく
