あらすじ
第35話は、衛明の窮地と登場人物たちの関係の変化を中心に展開します。悦心ソフトウェアの成功と西米ソフトウェアの失敗は明確な対照をなし、凌社長はLIAの粉飾決算を発見し、買収案件における衛明の役割を問い詰め、衛明は収監される可能性に直面します。
衛明は妻の黄嘉儀の父である黄会長に助けを求めますが、拒絶された後、脅迫に転じ、夫婦関係は完全に破綻します。黄嘉儀は一人で外出中に突然産気づき、江喜と林双の助けを借りて無事に出産しますが、衛明との離婚を決意します。
衛明は証拠を偽造して窮地を脱しようとするも、江喜に見つかり告発され、最終的に婚姻も経済的な基盤も全てを失い、バーで酒に溺れながら自分の行いを反省します。一方、江喜は会社から責任を問われる可能性があっても、真実と向き合うことを選びます。
ネタバレ
悦心ソフトのダウンロード数は好調で、西米ソフトは低迷。凌社長はLIAの粉飾決算を発見し、衛明を問い詰める。買収劇での不正関与が疑われ、衛明は逮捕される可能性もある。
悦心の成功を祝う黛玲と林双。林双は長年の夢である量子コンピュータプロジェクトを始動し、黛玲は全面的に支援する。衛明は黄会長にLIAの粉飾決算を知らなかったと釈明し、助けを求めるが拒否される。そこで黄嘉儀と子供を盾にするも、会長は聞き入れない。
林双は江喜に小蝇への参加を依頼し、江喜は快諾する。衛明は手料理を作り、保姆を帰らせ、黄嘉儀に助けを求める。父親に迷惑をかけたくない黄嘉儀は、LIAから衛明への贈り物のスポーツカーが不正なものであることを指摘。プライドを傷つけられた衛明は、積年の恨みを爆発させ、黄家を道連れに破滅させると脅す。
黄嘉儀は衛明との関係を断ち切りたい一心で、彼を罵倒し、家を飛び出す。街をさまよう黄嘉儀は、衛明への愛が冷め切っていた。保姆は黄嘉儀がいなくなったことに気づき、黄母に連絡する。黄嘉儀は突然の腹痛に襲われ、通りかかった林双と江喜に病院へ運ばれる。無事に出産後、黄嘉儀は離婚を決意する。
凌社長は衛明に自首を勧めるが、衛明は言い逃れをする。方舟を辞めた江喜に、米雪は営業ノートを贈る。衛明がLIAの責任者と口裏合わせをしているところを目撃した江喜は、それを撮影するが、衛明に見つかってしまう。動画を消さなければ江喜も巻き込むと脅される。
江喜は板挟みになる。馬丁からの電話にも出られない。衛明の両親が孫に会いに来るが、黄家は面会を拒否。激しい言い争いになる中、衛明が謝罪に来るが、黄会長は離婚の準備をするように告げる。衛明は拒むが、黄嘉儀の決意は固い。
財産分与の協議で、衛明は離婚すれば無一文になることが確定し、両親は愕然とする。馬丁と会うことを林双に後押しされた江喜は、凌社長に衛明の不倫と収賄の証拠を提出する。情報漏洩で責任を問われるも、江喜は後悔していない。
全てを失った衛明はバーで酒に溺れ、過去を悔やむ。そして、全ての客の支払いを肩代わりする。
第35話の感想
第35話は、これまでの伏線が一気に回収される怒涛の展開でした。衛明の悪事が露見し、失脚していく様は、まさに因果応報といったところでしょうか。粉飾決算への関与、黄家への横柄な態度、そして江喜への脅迫など、積み重なった罪がついに彼に重くのしかかります。特に、黄嘉儀の出産という慶事と、衛明の転落という悲劇が同時進行することで、より一層ドラマチックな印象を受けました。
黄嘉儀は、これまで衛明に翻弄されながらも、ついに決断を下します。父親や家族を守るため、そして何より自分自身のために、離婚という選択をした彼女の強さに心を打たれました。出産という大きな出来事を経て、真に自立した女性へと成長した姿は、今後の展開にも期待を抱かせます。
また、江喜の活躍も見逃せません。衛明の不正を暴くための証拠撮影は、まさに命懸けの行動でした。正義感に突き動かされながらも、恐怖に葛藤する彼女の心情がリアルに描かれており、共感せずにはいられません。林双の支えもあり、最終的には真実を明らかにすることを選んだ江喜の勇気は、賞賛に値するでしょう。
つづく