徐引は顧盛寒の書斎で令牌を探していたところ、草廬図を発見。危うく仕掛けられていた暗器に当たりそうになるが、顧盛寒が間一髪で助ける。徐引は図を返してほしいと詰め寄るが、もみ合いになり転びそうになったところを顧盛寒に抱き留められる。その抱擁に既視感を覚えた徐引は、自分がかつて助けた人物が顧盛寒なのではないかと疑い始める。そして、草廬図が彼にとって特別な場所なのかと尋ねるが、正体を明かす時ではないと考えた顧盛寒は否定する。
その後、徐引は顧盛明と茶を飲むが、上の空。茶をこぼしてしまうほど、落ち著かない様子だ。徐引は顧盛明に、彼が身につけている玉佩を幼い頃から持っているのかと問う。顧盛明は徐引の心を掴もうと、嘘をついて肯定する。さらに、腹痛を装い、徐引の気を引く。
顧盛明は、屋敷の中で自分を疎んじる者がいると徐引に訴える。顧盛寒の言葉を思い出した徐引は、すぐに彼のことを思い浮かべる。徐引は調合した薬を顧盛寒に渡す。顧盛寒は徐引をある場所へ連れて行く。そこは、貧しくて治療を受けられない病人が集まっている場所だった。
顧盛寒が薬を施すのを見て、徐引は彼の民への思いやりを知る。自分が顧盛寒を誤解していたのではないかと考えるようになる。徐引は自ら金銭を病人に渡し、滋養のあるものを買うように勧める。二人がそこを去ると、顧盛寒は徐引に緑豆糕を買ってほしいと頼む。
店の主人は顧盛寒の姿を見ると、すべての緑豆糕を渡そうとするが、顧盛寒は一つだけ受け取り、残りは民に分け与えるように言う。顧盛寒が緑豆糕を欲したのは、徐引が好きだからだった。この日のできごとを通して、徐引は顧盛寒のいつもとは違う一面を見る。
夜、街を歩く二人の前に、徐引の父にそっくりな人物が現れる。実は、本当に彼女の父親だった。顧盛寒は徐引の誕生日を知っており、父との再会を贈り物としたのだ。徐引が父のために花灯を流して祈りを捧げた直後、何者かが背後から襲いかかる。顧盛寒は徐引を守るため、素手で剣を受け止める。その光景に、徐引は言葉を失う。
第10話の感想
第10話は、顧盛寒の優しさや民への思いやりが際立つエピソードでした。徐引は彼に疑念を抱きつつも、その行動を通して徐々に心を開いていく様子が描かれています。特に、病人に薬を施したり、緑豆糕を民に分け与えるシーンは、彼の温かい人柄が感じられ、視聴者も徐引と一緒に顧盛寒への印象を改めていくような感覚を覚えました。
一方、顧盛明の腹痛を装う場面は、彼の徐引への執著心の強さが表れており、今後の展開に不安を感じさせます。徐引を巡る二人の兄弟の対立が、今後どのように激化していくのか、目が離せません。
また、徐引と父親の再会シーンは、短いながらも感動的でした。顧盛寒が仕組んだサプライズとはいえ、徐引の喜びが伝わってきて、見ているこちらも温かい気持ちになりました。しかし、その直後に襲撃されるという展開は、物語の緊張感を高め、今後の波乱を予感させます。
つづく