徐引は顧盛寒の傍らに付き添っていた。彼女は、彼が自分を「阿引」と呼んだことに驚きを隠せない。三年前、自分が彼を救ったのではないかと尋ねるが、顧盛寒は真実を明かす時ではないと考え、否定する。そして、彼女の身元を知っているのは調査済みだからだと告げ、彼女を憎ませようとしているかのような言動を繰り返す。徐引は完全に絶望し、彼に失望する。
顧盛寒は離縁状を書き始める。徐引の身元が既に露見していることを知り、彼女を守る唯一の方法は彼女を遠ざけることだと悟っていたのだ。離縁状を見た徐引は絶望の淵に突き落とされ、それを破り捨てる。森へと去っていく徐引を見送りながら、顧盛寒は複雑な心境を抱く。徐引は、顧盛寒が追いかけてきてくれることを僅かに期待していたが、彼は現れなかった。
森を進む徐引の馬車を何者かが止める。降りてみると、そこに立っていたのは、死んだはずの父親だった。驚きを隠せない徐引。父は彼女を連れ去ろうとする。徐引は状況を理解できず、父に顧盛寒との関係を問いただす。父の説明によって、顧盛寒がずっと彼女を守っていたという真実を知る。
徐引は顧盛寒のもとへ走り、彼を抱きしめる。顧盛寒もまた徐引を愛していたが、彼女と虎符を守るため、あえて冷たく突き放す。しかし、最後に彼女にキスをし、気絶させて連れ去ってしまう。
徐引が連れ去られたことを知った胥父は激怒する。そして胥清清を呼び出し、毒薬を飲ませ、令牌と虎符の在り処を探らせるよう命じる。徐引は胥父に捕らえられ、そこで胥清清と再会する。
第15話の感想
第15話は、顧盛寒と徐引の愛と葛藤が最高潮に達する、非常にドラマチックな展開でした。顧盛寒が徐引を突き放すシーンは、見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。真実を告げられないまま、愛する人を傷つけなければならない彼の苦悩が痛いほど伝わってきました。徐引を守るためとはいえ、冷酷な言葉を浴びせ、挙句の果てには気絶させて連れ去ってしまう。その行動は、愛ゆえの残酷さであり、視聴者の心を大きく揺さぶりました。
特に印象的だったのは、顧盛寒が徐引にキスをするシーンです。これまでの葛藤、そして抑えきれない愛情が、この短い時間に凝縮されていました。徐引への愛と、彼女を守るという強い決意が、彼の複雑な心情を物語っています。
つづく