徐引は顧盛寒の傍らで付き添い、目覚めた彼に寄り添う姿を見られました。顧盛寒は徐引の頭を撫でながら、彼女だけが自分を傷つけられると言い、「弓医聖手」の名を口にしました。偶然それを聞いた徐引は、仮面の男に自分が咄嗟に言った偽名だと気づき、顧盛寒こそがかつて自分が救った男ではないかと疑い始めます。
その後、徐引は顧盛明に三年前の再会について問い詰めました。すると顧盛明は笑顔を消し、問い詰めるなと徐引を製止します。徐引は顧盛寒の暗殺に失敗したことを告げ、山中の野獣さえ恐れないと虚勢を張りました。顧盛明は協力を申し出ますが、徐引が実は野獣を恐れていることを知りません。この事実は仮面の男しか知らないため、顧盛明が仮面の男ではないと徐引は確信します。さらに、玉佩で顧盛明の身元を確認したと告げると、顧盛明は玉佩を外し、徐引への求婚を誓います。
顧盛明は老夫人が昏睡状態にあることを知り、顧盛寒は彼女の身を案じ、高額の懸賞金で治療できる医者を探させます。この知らせを見た徐引は、身元を隠すため苗医の娘に扮して屋敷を訪れました。老夫人の脈を診た徐引は、彼女が毒を盛られたことに気づき、屋敷内に悪人がいると確信します。
徐引は顧盛明からもらった玉佩をわざと見せ、乳母に見られました。徐引の質問から、顧盛明と顧盛寒が同じ玉佩を持っていることが判明しますが、顧盛寒の玉佩は幼い頃に壊れていました。乳母が確認した結果、徐引の持っている玉佩は顧盛寒のものだと分かります。つまり、徐引が山で出会ったのは顧盛寒だったのです。
徐引はこっそり顧盛明の部屋に忍び込み、二つの玉佩が彼の手に渡っているのを発見します。その時、顧盛明が戻ってきて、徐引は急いで隠れました。胥清清が現れ、徐引の父親が顧盛明に殺されたことを話します。
第19話の感想
第19話は、徐引の疑念と推理、そして衝撃の事実が明らかになる展開で、息を呑むような緊迫感がありました。徐引が顧盛寒の言葉から、自分がかつて命を救った仮面の男の正体に辿り著く過程は、緻密な伏線回収が見事でした。山中の野獣への恐怖という些細な事実が、顧盛明の潔白を証明する鍵となるなど、物語の構成が巧みです。
また、徐引が老夫人の毒に気づく場面は、彼女の医師としての能力の高さを改めて示すと共に、屋敷内に潜む陰謀の存在を浮き彫りにし、今後の展開への期待を高めます。顧盛明への疑念が晴れたと思いきや、二つの玉佩が彼の部屋にあるという新たな謎が登場し、物語はさらに複雑さを増していきます。
つづく