徐引は皆の前で毒酒を飲み、さらに顧盛寒に口移しで飲ませた。驚いた顧盛寒は、徐引が立ち上がると、なんとその毒酒を徐引に返し飲みさせた。予想外の出来事に徐引は呆然とする。実は、顧盛寒も毒酒の一部を飲み込んでいたのだ。
その時、赤いドレスを纏った顧盛寒の従妹、穆月希が現れ、顧盛寒と交杯酒を交わしたいと言い出した。顧盛寒の母は窘めるが、月希は幼い頃からの婚約を口実に、この酒を飲めば顧盛寒の妻になれると主張する。月希が酒を飲もうとした瞬間、徐引がそれを阻止した。酒に何かあると察した徐引は、わざとテーブルに進み出て「喜」の字を半分破り燃やし、それを酒壺に入れて月希に飲ませた。
一同が驚愕する中、月希は徐引と揉み合ううちに、彼女の手首の傷跡に気付く。その傷は胥清清のものではなかった。徐引はとっさに言い訳をして手を隠した。
自室に戻った顧盛寒は、なんと車椅子から立ち上がった。彼の麻痺は偽装だったのだ。実は顧盛寒も徐引に毒を盛られており、まさか彼女が公然と自分の命を狙うとは思っていなかった。部下も、元々結婚を拒んでいた胥清清が嫁いできたことに疑問を抱く。
徐引は自衛のため、処女を守る毒を仕込んでいた。顧盛寒が彼女に触れれば、毒は彼に移る。父親の復讐のためなら、自らを傷つけることも厭わない徐引。そこに、車椅子に乗った顧盛寒がやって来る。徐引は今夜、彼によく仕えると告げる。顧盛寒が香を焚くと、徐引は彼の服を脱がせようとする。その隙に、顧盛寒は徐引を抱き寄せた。
顧盛寒は胥清清について質問し、徐引は綻びを見せる。うっかり顧盛寒に近づいた徐引。薬を盛られた顧盛寒は発作を起こしそうになるが、何とか毒を抑え込み、その場を離れた。顧盛寒の嗜血症を知る部下は、浴室に血を滴らせる。
そこに徐引が先にやって来る。気配を感じた顧盛寒は、徐引が近づくと彼女を抱きしめた。発作を起こし、徐引を絞め殺しそうになったその時、顧盛寒は徐引の顔が浮かんだ。まさか自分が徐引のことを思い出すとは、顧盛寒自身も予想していなかった。
第2話感想
第二話は、徐引と顧盛寒の駆け引きがより一層激化し、目が離せない展開でした。徐引は自身の復讐心と、顧盛寒への複雑な感情の間で揺れ動き、その繊細な心理描写が印象的です。毒酒を互いに飲ませ合うシーンは、二人の緊張感と不信感がひしひしと伝わってきて、息を呑むような緊迫感がありました。
顧盛寒の麻痺が偽装であったという衝撃の事実も明らかになり、彼の真の目的や本心がますます謎めいています。冷酷な仮面の下に隠された、徐引への思いや嗜血症の苦悩など、彼の内面にも興味が掻き立てられます。
また、穆月希の登場により、物語はさらに複雑な様相を呈してきました。幼い頃からの婚約を盾に、顧盛寒に迫る彼女の存在は、徐引と顧盛寒の関係にどのような影響を与えるのか、今後の展開が楽しみです。
つづく