昔、徐引は顧盛寒を治療したが、顧盛寒は常に仮面をつけていたため、徐引は彼の素顔を知らない。徐引は顧盛寒を治した後、二人は多くの時間を共に過ごし、徐引は顧盛寒に薬膏を渡し、「いざという時、命を救えるかもしれない」と言った。
顧盛寒は仮面を外して徐引に素顔を見せようとした矢先、黒服の一団が襲撃してきた。徐引は重傷を負い、その場で倒れてしまう。顧盛寒は黒服を追い払うが、自身も重傷を負ってしまう。顧盛寒は徐引の傍らで付き添い、昏睡状態が続く徐引を救うため、彼女に渡した薬膏を自ら使った。こうして徐引の容態は安定した。
顧盛寒は徐引を献身的に看病したが、彼が去る時、徐引は彼の素顔を見ることはなかった。そのため、徐引は顧盛寒を顧盛明と勘違いしている。徐引は顧盛明が心臓が弱いことを知り心配するが、顧盛明は彼女を守ると約束する。
そんな中、顧盛寒が現れ、徐引が弟と一緒にいるのを見て驚いたふりをした。徐引が顧盛明を支えているのを見た顧盛寒は、怒りに駆られ徐引を引き寄せた。徐引は顧盛寒を殺そうとする衝動に駆られるが、実行には移せなかった。
怒った顧盛寒は去り、徐引は顧盛明から、顧盛寒の発作がいつも夜に起きると聞き、不思議に思う。しかし、顧盛明もその理由は知らない。顧盛明は徐引に、人を殺すことを楽しむ顧盛寒、特に満月の夜には、彼から遠ざかるように忠告する。徐引は顧盛明を安心させ、自分で対処できると言う。
夜になり、満月の下、顧盛明の病状が悪化する。ちょうどその時、徐引は顧盛寒が自身を製御できなくなっている場面を目撃する。顧盛寒は徐引を引き寄せ、血を吸おうとする。わずかに残った意識で、顧盛寒は徐引の首に噛みつこうとするが、寸前で止まる。徐引を傷つけまいと、顧盛寒は小刀で自らを傷つけようとする。しかし、その刀は徐引の手の中にあった。この場面を魏月希が目撃し、徐引が顧盛寒を傷つけたのだと誤解してしまう。
第7話 感想
第7話は、徐引と顧盛寒のすれ違いがもどかしく、切ない展開でした。仮面の下の素顔を明かそうとした顧盛寒の想いは届かず、誤解と偶然が重なり、二人の距離はさらに広がってしまいます。徐引は顧盛寒の優しさに触れながらも、彼の真の姿を知らないが故に、弟の顧盛明と混同してしまう。この誤解が、今後の物語にどのような影を落とすのか、不安を感じさせます。
特に印象的だったのは、顧盛寒が自らを傷つけようとするシーンです。愛する人を傷つけたくないという絶望的なな想いと、自身に潜む危険な衝動との葛藤が、見ている側にも苦しく伝わってきました。徐引を必死に守ろうとする姿は、彼の深い愛情の表れでしょう。しかし、その行動が魏月希によって誤解されてしまうという皮肉な展開は、今後の波乱を予感させます。
また、顧盛明の存在も気になります。心臓の病を抱えながらも、徐引を守ろうとする彼の姿は、兄である顧盛寒とは異なる種類の優しさを感じさせます。徐引と顧盛明の穏やかな関係性が、顧盛寒の誤解をさらに深めてしまうのではないかと、今後の展開が心配です。
つづく