あらすじ
第1話では、朱朝陽が学校でクラスメイトからいじめを受けている様子が描かれます。そんな中、福利院を脱走した厳良と普普は、助けを求めて朱朝陽の元を訪れます。厳良は張景林にお金を借りようとしますが失敗し、危険を感じて普普を連れてすぐに立ち去ります。一方、張東昇は家庭のプレッシャーと結婚生活の危機に直面しており、特に義両親の不満や妻からの離婚要求に苦悩しています。
家に帰った朱朝陽は、旧友の厳良と普普に遭遇します。内心では恐れながらも、二人を一晩泊めることにします。その後、父親と新しい家族との生活の中で、朱朝陽はさらに孤独と喪失感を深めていきます。
そして、三人は一緒に六峰山へ出かけます。そこで重要な動画を撮影している最中に、張東昇が関わっていると思われる殺人事件を偶然目撃してしまうのです。
ネタバレ
学校で、朱朝陽は些細なことでクラスメイトと揉め、いじめの標的にされてしまう。一方、厳良は普普と共に児童養護施設を脱走し、トラックに隠れて港町へやって来た。彼らは、厳良の父親と繋がりがあった張景林に助けを求める。しかし、張景林は二百元を渡すだけで、彼らの窮状を無視して立ち去ってしまう。異変を感じた厳良は、普普を連れて急いでその場を離れる。
警察の陳冠声は、厳良の脱走を知り、自ら捜索に乗り出す。同じ頃、教師の張東昇は仕事を終え、同僚の誘いを断って帰宅する。家では義両親が待ち受けており、張東昇に対して冷たい態度をとる。家庭内のプレッシャーから、妻は離婚を強く望んでおり、張東昇の家庭生活は行き詰まっていた。
学校で開かれた保護者会で、朱朝陽の母親は教師から個別面談を受ける。成績優秀だが内向的な性格で、クラスメイトとうまく付き合えないことを指摘される。しかし、母親は朝陽の問題ではなく、他の子供たちが嫉妬しているのだと考えている。帰宅後、朱朝陽は思いがけず、旧友の厳良と普普が訪ねてきたことに驚く。戸惑いながらも、二人を家に泊めることにする。一方、陳冠声は厳良と普普の行方を追って、張景林に事情を聞きに行く。
翌朝、貴重品を盗まれないように、朱朝陽は出かける前にそれらを隠す。帰宅途中、母親に鉢合わせしてしまうが、幸いにも厳良と普普は既に家を出た後だった。その後、父親から電話で呼び出された朱朝陽は、厳良と普普を家に残し、父親の元へ向かう。朱永平は、息子の学年一位の成績に大喜びし、周囲に勧められるまま、朝陽を連れて買い物に出かける。
その間、朱朝陽はカメラを借り、厳良に貸してあげようと考えていた。帰宅すると、再び厳良と普普が家にいた。普普は、亡くなった両親の思い出を残すためにカメラで写真を撮りたいと言う。三人は記念に一緒に写真を撮る。そして、六峰山へ遊びに行く計画を立てる。そこで、偶然にも張東昇と彼の両親に出会う。家庭問題で暗い表情の張東昇だが、両親に付き添って登山を楽しもうとしている。その後、普普、厳良、朱朝陽は山を登り続け、カメラで景色を撮影する。その映像には、思いもよらぬ衝撃的な光景が捉えられていた。誰かが崖から突き落とされる瞬間だった。
第1話の感想
「バッド・キッズ 隠秘之罪」の第1話は、静かな緊張感と不穏な空気が漂う、見事な幕開けだった。一見平凡な日常の中に潜む、それぞれの登場人物の抱える闇や葛藤が巧みに描かれ、今後の展開への期待感を高めている。
特に印象的なのは、朱朝陽の置かれた状況だ。成績優秀だが内向的な彼は、学校でいじめの標的にされ、家庭でも母親からの過剰な期待を背負っている。そんな彼が、脱走してきた幼馴染の厳良と普普と再会することで、物語は大きく動き始める。二人の登場は、朝陽の閉ざされた世界に一筋の光をもたらす一方で、彼を危険な事件へと巻き込んでいく予感を感じさせる。
対照的に描かれるのが、張東昇の苦悩だ。義両親からの冷たい視線、妻からの離婚要求など、家庭崩壊の危機に瀕している彼の姿は、見ていて痛々しい。一見穏やかな教師という仮面の下に、どんな感情が渦巻いているのか、彼の今後の行動が気になる。
そして、物語の鍵を握るのが、六峰山で目撃した「事故」だ。子供たちの無邪気な遊びの最中に起きた出来事は、彼らの運命を大きく変えてしまうだろう。一体誰が、何のために崖から突き落としたのか? そして、三人の子供たちは、この秘密をどう扱うのか? 多くの謎を残したまま幕を閉じる第1話は、視聴者を物語の世界に引き込み、続きを見ずにはいられない気持ちにさせる。それぞれのキャラクターの背景や動機が徐々に明らかになっていくであろう今後の展開に、目が離せない。
つづく