あらすじ
第6話は、主要人物たちの複雑に絡み合う感情と内面の葛藤を中心に展開します。
周春紅は息子の態度にひどく傷つき、息子が自分に不満を抱いていると誤解しますが、実際には朱朝陽は母親を安心させようと、彼女の言うことに従っているだけでした。
一方、厳良と普普は銀行で朱朝陽を待ち、張東昇が約束通り送金したかを確認しますが、入金はまだでした。
妻の徐静から離婚の意思を告げられた張東昇は、関係修復を試みますが失敗に終わり、彼女の薬に細工をします。その結果、徐静は翌日、海辺で遺体となって発見されます。
朱永平は息子・朱朝陽との関係を修復しようと、晶晶が亡くなった日のことを尋ねます。そして、父親としての責任を果たせなかったことを償うかのように、息子をプールに連れて行きます。
ネタバレ
周春紅(チョウ・チュンホン)は息子、朱朝陽(チュウ・チャオヤン)のために温めた牛乳を渡すが、息子の冷たい態度に深く傷つき、落胆する。彼女は元夫、朱永平(チュウ・ヨンピン)への恨みを募らせ、今の状況は彼が二人を捨てたせいだと考える。朝陽は母親を慰めるため、すぐに牛乳を飲み幹し、何も隠す必要はないと伝えるが、春紅の偏執的な愛情は変わらない。彼女は朝陽が勉強に集中し、早く大人になることだけを望んでいる。
一方、厳良(イェン・リアン)と普普(ププ)は朝陽と銀行で落ち合い、張東昇(チャン・ドンスン)が約束通り金を振り込んだか確認するが、残高は変わらず三万元のままだった。同じ頃、東昇は帰宅し、妻の徐静(シュー・ジン)が電話で別れ話をしているのを聞き、彼女を失う恐怖に襲われる。徐静は既に離婚届を用意しており、東昇の説得も虚しく、彼への愛情は消え失せていると告げる。徐静は一人で海辺へ向かい、東昇は密かに彼女の後を追う。
厳良たちは東昇を脅迫して金を奪おうとするが、逆に警察に通報すると脅され、少年院送りを警告される。春紅は馬主任(マー・シュニン)とやり直そうとするが拒絶され、彼には既に別の相手がいることを悟り、絶望の淵に突き落とされる。彼女は家で一人、声を上げて泣く。
朱永平は妻、王瑤(ワン・ヤオ)の落ち込んだ様子を見て、気分転換に連れ出すが効果はない。彼はいつものように夜食を三人分買うが、それを家に持ち帰ることができず、一つを一人で食べ、残りの二つを持って帰る。翌日、朝陽が少年宮で授業を受けている間、厳良と普普は外で待っていた。その時、陳冠声(チェン・グアンション)の罠に嵌り、父親に関する偽のメッセージを受け取った厳良は電話をかけ、騙されたことに気づく。しかし、父親が生きており、更生施設にいることを知り、再び希望を持つ。
少年宮に戻った厳良は、朝陽が永平に連れ去られた後だった。永平は晶晶(ジンジン)の死について朝陽に尋ね、朝陽は父親が自分を疑っていることに衝撃を受ける。朝陽は必死に潔白を訴える。その後、朝陽は父親の鞄の中にICレコーダーを見つける。帰宅した朝陽は母親を心配させまいと平静を装い、勉強に励む。永平は過去の償いをしようと、朝陽をプールに連れて行く。
東昇は徐静の荷物を運ぶ手伝いをしながら、彼女の薬を密かにすり替える。苦悩しながらも、彼は静かに徐静を見送る。翌日、徐静の遺体が海辺で発見される。
第6話 感想
第6話は、それぞれの登場人物の孤独と絶望がより深く描かれたエピソードでした。周春紅の息子への歪んだ愛情、朱永平の罪悪感と償いの気持ち、そして張東昇の追い詰められた狂気。それぞれの感情が複雑に絡み合い、物語はより一層重苦しい雰囲気に包まれています。
特に印象的だったのは、周春紅の慟哭シーンです。息子への愛ゆえに、過幹渉になってしまい、結果的に息子を苦しめていることに気づいていない彼女の姿は、見ていて辛く、胸が締め付けられました。馬主任に拒絶されたことで、彼女の孤独はさらに深まり、行き場のない悲しみが爆発したのでしょう。
また、朱永平が夜食を三人分買うシーンも印象的です。亡くなった娘、晶晶への想いが込められたこの行動は、彼が抱える罪悪感と後悔を象徴しているように感じました。しかし、その想いを家族に伝えることができず、一人で夜食を食べる彼の姿は、深い孤独を感じさせます。
張東昇は、妻を失う恐怖から、ついに取り返しのつかない行動に出てしまいます。静かに徐静を見送る彼の表情からは、狂気と悲しみが読み取れ、今後の展開がますます恐ろしくなりました。
つづく