あらすじ
第9話では、朱朝陽、張東昇、王立の三者間の緊迫した衝突が描かれます。朱朝陽の身を案じた普普は、厳良に彼を家まで送るよう頼みます。途中、王立が朱朝陽に暴力を振るう場面に遭遇し、厳良は助けに入りますが、陳冠声は厳良をかばって怪我を負ってしまいます。
その後、王立は再び朱朝陽を誘拐し、水工場に監禁して朱晶晶の死の真相を問い詰めます。それを追ってきた張東昇は、普普を脅して真相を聞き出し、盗んだ金を奪おうとしますが、朱朝陽の叫び声に葛藤し、最終的には自らの保身のために王立を殺害します。
王瑤と朱永平が朱朝陽を助けに駆けつけますが、その隙に張東昇は王立の車から重要な証拠品を持ち去り、水工場の鍵をどう処理すべきか朱朝陽にそれとなく指示します。
一方、厳良と普普は悪天候のため予定を変更せざるを得なくなり、張東昇に助けを求め、彼の家に泊まることになります。
ネタバレ
朱朝陽を心配した普普は、厳良に一緒に送ってくれるよう頼む。一方、計画が失敗した張東昇は既に車に戻っていた。厳良と普普が少し歩いたところで、王立に地面に押さえつけられ、首を絞められている朱朝陽を見つける。厳良はすぐさま駆け寄り、王立と揉み合いになる。瓶で王立を殴りつけ、割れた瓶口を突きつけ、普普に朱朝陽を連れて逃げるよう促す。その時、厳良を探していた陳冠声が現れ、事態を目撃して叱責する。しかし、王立はチンピラで、容赦なく地面に落ちていた割れた瓶で陳冠声を刺してしまう。厳良は陳冠声が自分のために傷つくとは思ってもおらず、その後、陳冠声が自分の後見人になる申請をしていたことを知り、驚きと同時に感動する。
王立は逃走後、再び朱朝陽を捕まえ、車に閉じ込めて連れ去る。この場面を車に戻った張東昇が目撃する。追いかけるべきか迷っていたところに普普が飛び出してくる。張東昇は考えを変え、普普を連れて王立の後を追う。張東昇は普普を脅し、全てを話さなければ朱朝陽を助けに行かないと迫る。普普は仕方なく、これまでの出来事を全て打ち明ける。
普普と張東昇は王立の後をつけ、浄水場に到著する。張東昇は普普を一人残し、浄水場の中へ入る。浄水場では、王立に問い詰められた朱朝陽が朱晶晶の死の真相を語る。しかし、王立が父親に電話をかけさせると、朱朝陽は父親に助けを求める。激怒した王立は再び朱朝陽を拷問し、浄水場の水で彼を濡らす。張東昇は中に入っても朱朝陽を助けるつもりはなく、椅子の上にあった王立の鍵を手に取り、車の中にある金を取りに行こうとする。しかし、朱朝陽が助けを求め続けるので、一度は救助を試みるも、難しいと判断して再び立ち去ろうとする。
絶望した朱朝陽は助けを求め続けるが、張東昇は無関心を装う。しかし、すぐに王立と遭遇し、罵倒される。張東昇の説明を聞こうともせず、解放する気もない王立に対し、仕方なく護身用のナイフで王立を刺す。何度も刺された王立は倒れこむ。その時、浄水場へ向かっていた王瑤と朱永平は王立に何度も電話をかけるが繋がらない。王瑤がメッセージを送ると、張東昇は「今は電話に出られない」と返信してごまかす。車の中にいた王瑤は、浄水場から車が去っていく音を聞く。一方、陳冠声の負傷事件は警察の注目を集め、朱朝陽は病院に運ばれる。周春紅は朱永平にさらに失望し、追い出す。
周春紅は警察署に行き、葉軍に捜査を依頼する。一方、王瑤は朱永平に会い、朱朝陽に王立を訴えないよう説得してほしいと頼む。王瑤の娘は既に亡くなっており、弟は唯一の肉親だった。朱永平は一時的に同情し、朱朝陽にそのことを話す。朱朝陽は落胆する。その後、まもなく張東昇が突然病室に見舞いに来る。二人きりになった時、張東昇は朱朝陽に浄水場の鍵を手に入れるよう頼む。王立の遺体が発見されれば、誰も逃げられないと脅す。
ハルビンへ行こうとしていた厳良と普普は、突然の台風で予定を変更せざるを得なくなる。普普の体調も悪く、二人はとりあえず身を寄せる場所を探して休むことにする。しかし、警察が宿泊検査に来たため、仕方なく張東昇に助けを求める。
第9話の感想
第九話は、息詰まる展開の連続で、登場人物たちの運命が大きく揺れ動く、非常に緊迫感のあるエピソードでした。特に、張東昇の冷酷さと狡猾さが際立ち、見ている側もハラハラさせられました。
朱朝陽を助けようとする素振りを見せながら、実際は自分の保身しか考えていない張東昇。王立を殺害する場面は、彼の本性が如実に表れており、衝撃的でした。一方で、追い詰められた状況での彼の判断力と行動力は、ある種の凄みを感じさせます。
対照的に、厳良と普普の子供らしい純粋さと正義感は、物語に一筋の光を投げかけています。陳冠声を庇って負傷する厳良の姿は、彼の優しさと勇気を示す印象的なシーンでした。また、普普の機転と勇気も、物語を大きく動かす重要な要素となっています。
朱朝陽は、父親と王瑤の間で板挟みになり、苦悩する姿が痛々しいです。大人の事情に巻き込まれ、翻弄される子供たちの姿は、見ていて辛くなります。
つづく