第1話
花霓は、突然、孔雀城という場所に飛ばされてしまい、ひょんなことから孔雀聖使に選ばれてしまう。しかし、礼部郎中の李牧陽は花霓の素性に疑問を持ち、密かに調査を始める。花霓に雨乞いを手伝わせるという名目で監視するが、その夜、李牧陽は奇妙な夢を見る。夢の中で、彼は花霓と一緒に踊っていたのだ。
第2話
李牧陽と花霓は雨乞いのため、豊収村へ行く。そこで、結婚を強要されている莱妹を助ける。李牧陽は花霓を試すために様々な罠を仕掛けるが、何も怪しいところは見つからない。莱妹は二人の恩に報いるため、花霓の侍女になることを決意する。雨乞いの儀式で、花霓は緊張してうまくできない。村人たちは雨が降るかどうかだけを心配していた。
第3話
村人たちが騒ぎ出し、花霓を疑い始めるが、李牧陽は彼女を守り、時間を稼ぐ。そして、ついに雨が降り、乾いた土地を潤す。しかし、この雨は阮九術と禾歓の嫉妬を招く。李牧陽は花霓を見直すようになる。しかし、聖使の就任式で、李牧陽は赤尾蚨という虫を植え付けられてしまう。この危機は花霓にも及び、彼女は杜莫謙に助けを求める。
第4話
赤尾蚨のせいで、花霓は李牧陽と一緒に李家に住むことになる。しかし、李牧陽の父・李承は二人の関係を誤解し、息子の将来を心配する。李承、李牧陽、花霓の三人は、この誤解のために騒動を繰り広げる。夜になっても、この騒ぎは収まらない。一方、花霓が生きていることを知った禾欢は激怒し、花霓を倒すことを決意する。
第5話
杜莫謙は煙嵐绡という品を作り上げる。同じ頃、少城主の容玉が学問を終えて帰ってくる。彼女は李牧陽に想いを寄せており、夜、雪蓮の香りと共に李家に忍び込む。しかし、そこにいたのは李牧陽ではなく、眠っている花霓だった。翌朝、容玉は城主である母に挨拶し、政務を手伝うために残ることを決める。赤尾蚨の影響で、彼らは三人で出かけることになるが、それがかえって面白い出来事を生み出す。
『ふしぎの国の聖使』第1-5話 感想
『ふしぎの国の聖使』は、異世界に飛ばされた主人公・花霓が、孔雀聖使に選ばれるという、王道のファンタジー設定から始まります。しかし、単なる聖使としての成長物語ではなく、礼部郎中の李牧陽による身元調査や、周囲の人々の嫉妬、陰謀など、サスペンス要素も絡み合い、先が読めない展開に引き込まれます。
特に、李牧陽との関係性が面白いです。最初は疑いの目を向けていた李牧陽が、花霓の人柄に触れるにつれて、徐々に彼女を認めていく様子が丁寧に描かれています。赤尾蚨のせいで同居することになり、誤解から生まれるドタバタ劇は、シリアスな展開の中での良い息抜きになっています。
また、少城主・容玉の登場により、李牧陽を巡る恋の三角関係(?)も勃発しそうで、今後の展開から目が離せません。全体的に、テンポの良いストーリーと魅力的なキャラクターたちによって、飽きさせない作品だと感じました。
つづく