唐心 は、沈清源 がこれまで見せたことのない脆い姿に心を痛め、どう慰めて良いか分からず、ただ彼を抱きしめて力になりたいと願う。彼女はベッドの下に潜り込み、沈清源 を抱きしめ、温もりと安心感を与えようとする。彼の涙を見たくなくて顔を上げることもできない唐心 だったが、沈清源 は彼女の手を取り、自分の目に当て、泣いていないことを伝える。そして、沈清源 は唐心 にキスをし、唐心 もそれを受け入れる。
一方、杜凌楓は石暁辞 を避け続けていたが、心は穏やかではなかった。「明日と事故、どちらが先にくるか分からない」という父の言葉が頭から離れず、後悔したくないと思う仮面、石暁辞 の心には沈清源 しかいないと頑なに信じていた。
翌朝、唐心 は沈清源 の腕の中で目を覚ます。二人は一晩中、手を繋いだまま眠っていた。唐心 はもう以前のような距離感を感じず、彼の頬にそっとキスをして、食堂へ朝食を買いに行く。食堂で、唐心 は丁芳から電話を受け、沈清源 の様子を聞かれる。昨晩のことを話すと、丁芳は唐心 が過去のトラウマから解放されたことを喜ぶ。唐心 は沈清源 の回復のために何か刺激を与えたいと考えるが、丁芳は自然に任せるべきだと助言する。丁芳は、唐心 が回復できたのは沈清源 の世話をする中で成長したからであり、沈清源 もゆっくりと回復すると信じている。
唐心 は、二人で山に写真を撮りに行った日のことを思い出す。沈清源 はサプライズを用意していたが、プレゼントを取り出す前に、二人の強盗が現れ唐心 を捕まえる。強盗は現金がないと分かると、沈清源 に金を取りに行かせる。唐心 は怯え、沈清源 に早く行くように促す。沈清源 は慌てて山を下り、おそらくその途中で事故に遭い、戻って来られなかった。その後、唐心 は学校に戻り、沈清源 が病気で退学したことを知る。
丁芳は、沈清源 が唐心 を救えなかった自責の念から、あるいは金を取りに行かなかったために、その記憶を消してしまったのではないかと推測する。しかし、唐心 は沈清源 が後者であるはずがないと信じ、金を下ろしに行く途中で事故に遭ったのだと確信している。
医者は沈清源 にリハビリを勧めるが、彼は唐心 と一緒に行きたがり、医者に叱られてしまう。その時、石暁辞 から唐心 に電話があり、杜凌楓が会ってくれないと相談される。唐心 は杜凌楓に会いに行くことを約束する。
杜凌楓は、石暁辞 、唐心 、沈清源 の間に三角関係があると誤解していた。唐心 が、石暁辞 は杜凌楓が好きだと伝えても、杜凌楓は信じず、唐心 が沈清源 と早く一緒になりたいがために、石暁辞 を押し付けているのだと考える。その時、沈清源 から電話があり、唐心 は説明もそこそこに、急いで彼の元へ戻る。
沈清源 は唐心 を探して外に出ようとしていた。唐心 が戻ってくると、医者は唐心 に、沈清源 から目を離さないようにと注意する。唐心 は深く仮省し、沈清源 は昨日から唐心 が自分を避け、外出する時も声をかけず、キスも拒否すると拗ねる。彼の悲しそうな様子を見て、唐心 は杜凌楓に会いに行った経緯を説明し、沈清源 はこの問題を解決するために協力することを決める。
沈清源 は再び訓練を行う際、江一天のアドバイスに従い、時々甘えてキスを要求し、キスをしないとトレーニングをしないと駄々をこねる。さらに、隙を見て唐心 にキスをするなど、唐心 は彼に振り回される。杜凌楓と石暁辞 を助けるため、沈清源 は杜凌楓を病院に呼び出す。
杜凌楓の前で、石暁辞 は沈清源 の携帯にWeChatメッセージを送る。杜凌楓が怒っていると、沈清源 はメッセージの内容を聞いて返事をするように促す。石暁辞 のボイスメッセージは、杜凌楓への好意を伝えるもので、以前断ったのは彼の気持ちが外見だけなのか内面も好きなのか分からなかったからだと説明していた。杜凌楓はそれを聞き、ようやく石暁辞 の本当の気持ちを理解し、二人の関係を見つめ直す。その様子を見て、沈清源 と唐心 も、友人たちの幸せを願う。
第30話の感想
第30話は、それぞれのキャラクターの心情が複雑に絡み合い、物語が大きく動いた回でした。沈清源 の脆い一面を見た唐心 は、彼を支えたいと強く感じ、二人の距離は急速に縮まります。沈清源 のキスを受け入れるシーンは、唐心 が完全に心を開いたことを示していました。
一方、杜凌楓と石暁辞 の関係も進展。杜凌楓は父親の言葉や石暁辞 への誤解から、自分の気持ちに素直になれずにいましたが、石暁辞 からのWeChatメッセージで真実を知り、ようやく自分の気持ちと向き合うことができました。
沈清源 の過去のトラウマや記憶喪失の謎も少しずつ明らかになり、唐心 と丁芳の会話から、事件の真相に近づいていきます。沈清源 がリハビリに励む姿や、唐心 に甘える姿も印象的で、彼の人間らしい一面が垣間見えました。
つづく