丁雲斉は、駱雲松に、いくら守衛を増やしても自分は自由に出入りでき、彼を殺すことは容易いと示し、早く竜骨を引き渡すよう迫る。丁雲斉は崔胭脂が送ってきたバイヤーからの手紙の写真を駱雲松に見せ、丁遠山の潔白を新聞で公表するよう求める。しかし、駱雲松は手紙を見ても驚かず、フー司令官が何をしても不思議ではないと言う。彼は警察署長に過ぎず、司令官を動かす権限はない。
駱雲松は、無双が小昆崙を開けた後に竜骨を返還すると主張する。
駱雲松は、漢墓がフー司令官によって爆破されたとは予想外だった。この件は厄介で、正面から対立すれば共倒れになると考えている。賀彪はこの事を楚風鈴に伝え、彼女から夫人に話してもらい、夫人に心づもりをしてもらおうとするが、駱雲松は多くの人を巻き込みたくないため、この件は伏せておくことにする。
さらに駱雲松を驚かせたのは、フー司令官が自ら出頭してきたことだ。駱雲松は事前に丁雲斉から情報を得ていたため、対応策を練ることができた。彼はフー司令官に、漢墓爆破の件には手を出さないとほのめかす。
フー司令官の目的は自首だけではない。彼は駱雲松が自分を動かせないことを知っており、自首は駱雲松の態度を試すためだった。彼の狙いは昆崙墟にある。楚風鈴が小昆崙を開けようとしていることを知っており、もしそれが昆崙墟であれば、莫大な宝が出てくる。フー司令官がそれを手放すはずがない。
フー司令官は夫人の任命状を示し、小昆崙を開けることに全面的に協力すると言う。駱雲松は彼の意図を理解する。宝を独り占めにするつもりで、自分と手を組もうとしているのだ。駱雲松は明確な態度を示さない。
楚風鈴は、夫人から派遣されたのがフー司令官であることに驚く。
丁雲斉はフー司令官が駱雲松を訪ねたことを知り、フー司令官が駱雲松を身代わりにしようとしていると推測する。フー司令官が小昆崙に介入し、宝が見つかればフー司令官が持ち去り、駱雲松に罪を著せる。そうなれば、駱雲松は職権乱用の罪に問われる。駱雲松は大きな問題に直面している。丁雲斉はフー司令官が駱雲松を殺すのではないかと心配する。そうすれば真の身代わりとなるが、まだ竜骨は見つかっていないため、駱雲松を死なせるわけにはいかない。丁雲斉は孫三玄に頼み、駱雲松、フー司令官、崔胭脂を見張るよう手配する。
丁雲斉は無双を巻き込みたくないため、孫三玄に秘密を守るよう頼む。孫三玄は彼の意図を理解している。
駱九天はアヘンを買う金を作るために、崔胭脂の玄微子壇で騒ぎを起こし、警察を連れて強盗を働く。しかし、崔胭脂は一筋縄ではいかない。女性ながらも裏社会で長年生き抜いてきた彼女は、駱九天のような小物には怯まない。
崔胭脂は駱九天と会い、彼が困っているからこそ、自分の縄張りに強盗に来たのだと見抜く。駱九天の事情は知らないが、崔胭脂は彼を敵に回す必要もない。彼女は部下に大洋一管を駱九天の前に出させるが、それでは駱九天は満足しない。彼は崔胭脂がわざと自分を困らせ、子供扱いしているのだと考える。崔胭脂も、もし彼を子供扱いしていなければ、今日はここから生きて帰さないと告げる。
その言葉が終わると同時に、崔胭脂の部下たちが駱九天を取り囲む。ここの従業員は全員銃を持っており、2階にも人がいて、狙撃手までいる。駱九天は崔胭脂を甘く見ていた。
第10話の感想
第10話は、策略と陰謀が渦巻く中で、それぞれのキャラクターの思惑が交錯する緊迫した展開でした。フー司令官の登場により、物語は新たな局面を迎え、駱雲松は難しい立場に追い込まれます。丁雲斉の冷静な判断力と、彼が仲間たちを信頼し、守ろうとする姿勢が印象的でした。特に、無双を巻き込まないようにと孫三玄に頼む場面からは、彼の優しさと責任感が伝わってきます。
一方、駱九天の行動は、彼の小物感と焦りを際立たせています。崔胭脂との対決シーンは、彼女の度胸と裏社会での経験を見せつけるものでしたが、同時に駱九天の浅はかさを露呈する結果となりました。
つづく