駱九天は、爆薬を縛り付けられた人を前にし、崔胭脂の言葉の意味を悟ります。彼は部下に撤退を命じ、誠意を示します。崔胭脂は駱九天がなぜ30本の金塊を必要とするのか疑問に思いますが、駱九天はアヘン購入のためだと説明します。政府が厳しく禁止しているアヘン取引に、駱九天が駱雲松の目の届くところで行うことに、崔胭脂は驚きを隠せません。
崔胭脂は金銭の援助は拒否しますが、取引当日に仲間を派遣するという駱九天の要求には応じます。彼女はフー司令官にこの件を報告し、フー司令官は駱雲松を失脚させる好機だと考えます。
一方、駱雲松は埠頭で丁雲斉と密会します。フー司令官が駱雲松を訪ねて以来、駱雲松が窮地に陥っていることは周知の事実でした。駱雲松は自力での解決は困難だと悟り、丁雲斉に助けを求め、小昆仑を見つけ次第、竜骨を返還すると約束します。丁雲斉は昆崙墟の存在を信じていませんが、竜骨のために協力することにします。
駱雲松は小昆仑を見つけたら竜骨を返すと約束しますが、丁遠山を探し出し、家の仇を討つことは諦めません。丁雲斉は真実が明らかになると信じ、相手にしません。その後、崔胭脂は丁雲斉と密かに会い、フー司令官が彼を狙っていることを警告し、上海を離れるように勧めます。丁雲斉は自分がフー司令官の標的になっていることを察知しますが、父の潔白を証明するまでは離れないと拒否します。
丁雲斉は無双の安全を守るため、周裘海を自宅近くのワンタン屋台に呼び出し、無双が楚風鈴のために小昆仑を開けようとしていることを伝え、危険に巻き込まれないよう止めてほしいと頼みます。周裘海は考え込みますが、すぐに無双を連れて上海を離れるとは約束しません。
その頃、駱雲松は新聞記者の賈百亭から、浦江埠頭で大量のアヘン取引が行われるという情報を得ます。人手不足のため、駱雲松は陀爺の部下を借りて事態に対処し、警察の信頼を失わないようにします。
長年、駱九天とアヘン取引の仲介をしていたのは、周裘海の二番弟子である雨田でした。雨田は周裘海の指示通り、駱九天を罠にかけ、今回の機会を利用して駱雲松を倒そうとします。駱九天は金も人もなく、今回の行動は崔胭脂の支援に完全に依存しており、アヘンを手に入れようとしますが、自分が他人の駒になっていることに気づいていません。
第11話の感想
第11話は、策略と裏切りが渦巻く、非常にスリリングな展開でした。駱九天のアヘン取引を巡る駆け引きは、崔胭脂やフー司令官、そして周裘海とその弟子・雨田まで巻き込み、それぞれの思惑が複雑に絡み合っている様子が巧妙に描かれています。特に、駱九天が完全に罠にはめられている構図は、見ていてハラハラさせられました。
また、丁雲斉と駱雲松の密会、そして丁雲斉と崔胭脂の会話からは、物語の核心に迫る重要な情報が次々と明かされます。丁雲斉が父の無実を証明しようとする強い意誌と、彼を取り巻く危険な状況が、緊張感を高めています。無双を守ろうとする丁雲斉の行動も、彼の優しさと責任感を表していて印象的でした。
つづく