周裘海はフー司令官に無双解放の条件を提示しようとするが、丁雲斉はそれが無駄なことだと知っている。フー司令官は昆崙墟を欲しており、五門の人間である無双を解放させるには、昆崙墟と交換するしかない。目下、フー司令官の部隊が墓を掘り進めているため、無双を救出する最良の機会は今しかない。さもなければ、後々さらに多くの問題が生じ、無双も無事では済まなくなる。
丁雲斉は周裘海と協力して無双を救出し、二人の間の個人的な恨みは一旦置いておくことにする。周裘海もこれに同意。丁雲斉は夫人に会おうとするが、夫人は南京に行っており、周裘海から夫人の住所を入手する。
無双は牢獄の中で落ち著かず、眠れない。それを見た楚風鈴は、彼女が命がけで竜骨を取り戻そうとしているのは、婚約のためなのかと尋ねる。無双は伝統的な考えを持つ女性で、五門の掟に従い、既に丁雲斉と許嫁の関係にあるため、彼に嫁ぐべきだと考えている。竜骨を手に入れて初めて、丁雲斉の本心を知ることができる。西洋の価値観を持つ楚風鈴は、彼女の考えを理解できない。結婚とは愛し合う二人がするもの、婚約で無理やり結びつけることはできない、と。
黒姑は丁雲斉の気持ちを見抜いていた。彼は常に無双を重要な存在として扱っており、心の中には無双がいるのだ、と。
フー司令官は竜骨を早く手に入れたい。彼は駱九天が日和見主義者であることを知っており、彼を利用することにする。フー司令官は駱九天を脅し、もし駱雲松から竜骨を見つけられなければ、約束通り彼を銃殺すると告げる。
今回、駱九天は真の男気を見せる。表向きはフー司令官に協力して駱雲松に竜骨のありかを尋ねるふりをするが、牢獄に入ると突然、京劇「覇王別姫」を歌い始める。駱雲松たちは何が起こっているのか理解できない。駱九天は涙を浮かべながら無双に、もし来世があるなら自分と結婚してくれるかと尋ねる。無双は駱九天がショックを受けて冗談を言っているのだと思う。しかし、兵士が彼が銃殺されることを告げると、皆は駱九天が別れを告げているのだと気づく。彼が駱雲松に竜骨について何も言わなかったのは、それが駱雲松たちの命を守る切り札であり、駱雲松が自分のために竜骨を差し出すはずがないと知っていたからだ。
フー司令官は、死を目前にした駱九天が真の男らしさを見せたことに感心し、自ら彼を見送る。銃声が響き、駱雲松、無双、楚風鈴たちは悲しみに暮れる。臆病で利益ばかりを追い求めていた駱九天が、皆のために立ち上がったのだ。駱雲松は弟の仇を討つことを心に誓う。
丁雲斉は周裘海から教えられた住所を訪ねるが、夫人はおらず副官だけがいた。彼は副官に現在の状況を全て伝え、結果を待つことに。彼が今、唯一望むのは、無双、駱雲松、楚風鈴たちを救うことだ。
しかし、フー司令官はもう待てない。駱雲松がいつまでも竜骨を差し出さないのであれば、彼らを処刑するしかない、と。
丁雲斉は一人で司令部へ交渉に向かう。五門の者たちは司令部の外に潜伏しており、周裘海は丁雲斉に、五門は決してやられっぱなしではない、交渉が決裂した場合は合図の信号弾を打ち上げれば、外の者たちが突入し、五門の血は必ず敵の血と混ざり合うだろうと告げる。しかし、丁雲斉は周裘海から渡された信号弾を受け取らなかった。彼は血が流れるのを見たくないのだ。丁雲斉は今回の交渉に自信を持っているようだ。
第13話の感想
「天官の継承者 ディン・ユンチー ~秘宝と愛の物語」第13話は、緊迫した状況と人間ドラマが絡み合い、目が離せない展開でした。
まず、駱九天の行動には胸を打たれました。臆病で利己的だった彼が、仲間を守るために命を懸ける姿は、真の男らしさとは何かを考えさせられます。彼の死は、駱雲松や無双たちに大きな影響を与え、物語の転換点になったと感じました。
丁雲斉と無双の関係も気になります。無双の伝統的な考え方と、丁雲斉の複雑な心情がすれ違いを生んでいますが、黒姑が見抜いたように、丁雲斉の心には無双がいるはず。二人の関係が今後どう発展していくのか、期待と不安が入り混じります。
つづく