崔胭脂は部下全員を引き連れ、司令部の外に潜伏していた。彼女は丁雲斉が皆を巻き込みたくないがために、翌日司令部に来ると嘘をついたことを見抜いていた。崔胭脂は彼の性格をよく理解しており、丁雲斉は一度決めたら 簡単に考えを変えず、また他人を巻き込むことを嫌う。しかし、自分は五門の人間であり、天官である丁遠山から託された事は命を懸けても成し遂げなければならない。そのため、彼女は今日いかなる手段を使っても丁雲斉の安全を確保し、それが不可能ならば、せめて多くの人間を道連れにしようと部下に命じる。
駱雲松たちが銃殺刑にされようとした時、丁雲斉が訪問してくる。この知らせを聞いた駱雲松は、直ちにフー司令官に、楚風鈴は夫人の代理であり、捕まる前に既に丁雲斉と会っていたこと、崑崙墟を欲しているのは夫人であること、もしフー司令官が彼らを殺害すれば夫人との宣戦布告に等しいことを伝える。さらに、丁雲斉は五門天官の後継者であり、五門には数千人の仲間がいるため、彼に手を出せば五門の報復は免れないと警告する。駱雲松の言葉は効果があり、フー司令官は恐れをなし、まず丁雲斉と会うことにし、駱雲松たちの処刑は保留となる。駱雲松は安堵の息をつく。
丁雲斉はフー司令官を脅迫することに成功する。フー司令官は彼が五門の人間であることを考慮し、崑崙墟を見つけるためには丁雲斉を利用する必要があるため、簡単には手を出せない。フー司令官は無双を解放することに同意するが、丁雲斉が全員を連れて行くつもりであることに驚く。フー司令官は、駱雲松が丁雲斉の父親を捕まえようとしていたのに、なぜ丁雲斉が彼を救おうとするのか理解できない。
丁雲斉は夫人を利用してフー司令官を抑え込む。夫人の副官が到著し、夫人が激怒していることを伝えると、フー司令官は夫人に逆らうことができず、大人しく全員を解放する。
楚風鈴はフー司令官が駱九天を殺したことに激怒し、彼を平手打ちする。フー司令官は副官の前では何も言い返せない。
全員が解放され、楚風鈴は副官から丁雲斉が裏で助けてくれたことを知り、深く感謝する。楚風鈴は無双を巻き込んでしまったことを謝罪し、必ず竜骨を返すと約束する。
丁雲斉と無双が無事に司令部から出てきたことで、周囲に潜んでいた五門の仲間たちも安堵する。周裘海は無双が無事だったことに喜ぶが、彼女とは会わずに立ち去る。崔胭脂は崔毅に仲間たちと酒を飲んで祝うように指示し、自分はフー司令官の考えを探りに行く。
薛丁峰は本当に墓を開け、フー司令官に報告する。崔胭脂はその場にいたが、フー司令官は彼女を家族同然だと言い、気にする様子はない。崔胭脂は、フー司令官が夫人と駱雲松をうまくあしらった後、丁雲斉に対処するつもりであることを知る。
駱雲松は約束を守り、自ら竜骨を無双と丁雲斉に届けに来る。駱雲松は恩讐をはっきりさせる性格で、今回は恩を受けたが、家族の仇は必ず討つと誓う。
無双は竜骨を手に入れ、涙を流して喜ぶ。この竜骨のために、皆が多くの犠牲を払ってきた。竜骨が戻ったことで、無双は丁雲斉が自分と結婚してくれると期待するが、丁雲斉は簡単に結婚するつもりはない。彼は古いしきたりの婚姻に仮対しており、五門に入るつもりもないため、無双の申し出をはっきりと断る。
無双は幼い頃に孤児となり、師匠の周裘海に育てられた。愛情を受けて育ったが、そこは本当の家ではなかった。自分の家を持ちたいと願っていた無双は、丁雲斉に拒絶され、深く傷つき、竜骨を持って丁雲斉の住処を離れ、周裘海の元へ戻る。
駱雲松は駱九天の墓前に立ち、弟を傷つけた者たちを必ず送り届け、その後自分も後を追うと誓う。
第14話 感想
怒涛の展開となった第14話。まず、丁雲斉の機転と五門の力を背景にした脅迫により、駱雲松たちが解放されたことに安堵しました。しかし、フー司令官の狡猾さ、そして夫人の存在が不穏な空気を作り出しています。特に、楚風鈴がフー司令官に見せた怒りは、今後の展開に大きな影響を与えそうです。
無双が竜骨を取り戻したことは喜ばしいですが、丁雲斉との関係は複雑です。愛する人と共にいたいという無双の願いは切実ですが、丁雲斉の結婚に対する考え方や五門との距離感が、二人の間に壁を作ってしまっています。
そして、駱雲松の復讐心も気になります。弟への深い愛情と、それ故の強い決意は、彼をどのような行動に駆り立てるのでしょうか。
つづく