丁雲斉は五門の掟に従い、父の葬儀を執り行った。これが最後となり、これをもって五門は終わりを告げた。
崔胭脂は、丁雲斉の父、丁遠山に別れを告げる際、孫三玄に自分の礼を見られたことに気づく。その後、崔胭脂は自ら孫三玄に身分を明かし、秘密を守るよう頼む。孫三玄は粗野な男だが、言うべきこととそうでないことをわきまえていた。
駱雲松は、丁雲斉が自分を呼んでいると知り、駱九天の墓参りを済ませた後、急いで崔胭脂の元へ向かう。丁雲斉は父が亡くなったことを伝え、駱雲松を呼んだのは、父が彼の家族を殺していないと直接伝えるためだったが、間に合わず、父は水葬されたと告げる。駱雲松は信じず暴言を吐き、丁雲斉は激怒する。双方の間には緊張が走り、崔胭脂が密かに手配していた仲間たちが現れ、駱雲松と賀彪に銃を向ける。
駱雲松は崔胭脂を見て、駱九天の死に彼女も関わっていると疑う。崔胭脂は関与を否定し、駱九天に貸した仲間も数人失ったと弁明する。
丁雲斉は武力衝突を望まず、崔胭脂に合図して二人を解放させる。駱雲松はまだ決著をつける時ではないと悟り、賀彪を連れて去る。
楚風鈴は夫人に頼み込み、駱雲松は副特派員に任命され、楚風鈴の黒羽隊は行動班に改編され、夫人から最新の武器も支給される。
駱雲松は、妹のおかげで自分が立ち直れたことに驚く。幼い頃から面倒を見てきた妹が成長し、一家の柱となったことに感慨を覚える。
丁雲斉は実家に戻り、幼い頃の記憶を辿る。サンドバッグの前に立ち、父から教わった拳法を思い出し、記憶を頼りに拳を繰り出すが、手を負傷してしまう。
「親孝行したい時に親はなし」とは、まさに今の丁雲斉の状況だ。以前は母のことで父を恨んでいたが、成長するにつれて父の気持ちを理解できるようになった。父は母を深く愛していたが、天官として五門の掟を守らねばならず、愛する女性が去っていくのを見送ることは、さぞ辛かっただろう。今回、丁雲斉は父を見つけ、世話をしようと帰ってきたが、最初で最後の対面となってしまった。
丁雲斉は家に影を落とし、家族も家も失った今、二度とこのような喪失感を味わいたくないと強く思う。
丁雲斉と無双は偶然、龍王杖の秘密を発見する。中には、読後すぐに燃える素経が隠されており、昆崙墟の秘密が記されていた。その内容は、丁雲斉の心に響くものだった。昆崙墟の宝は天下万民のものであり、それを見つけ、開放し、その富を天下万民に還元すべきだと。
丁雲斉は昆崙墟を探し出し、開放することを決意する。しかし、それは一人で成し遂げられることではなく、まず五門の追魂令を集める必要があった。
楚風鈴は丁遠山が亡くなったことを知り、丁雲斉を心配して訪ねるが、彼は不在だった。楚風鈴は鍾楼の外に立ち、行き交う人々や屋台を眺める。その中には丁雲斉を監視する者たちがいることを知っており、賀彪から、少なくとも摸金、発丘、そして駱雲松が手配した者たちの三つの勢力がいると聞かされる。
楚風鈴は向かいのワンタン屋台を見て、賀彪を連れてワンタンを食べに行く。
第17話の感想
『天官の継承者』第17話は、多くの重要な展開があり、感情的に揺さぶられる回でした。丁雲斉が父の死に直面し、五門の終焉と向き合う姿は胸に迫ります。特に、父への複雑な感情を抱えながらも、その死を悼み、過去を振り返るシーンは涙を誘います。
駱雲松との対立は、緊張感が高まり、物語に更なる深みを与えています。崔胭脂の存在も、この対立に複雑さを加えており、今後の展開から目が離せません。また、楚風鈴の活躍により、駱雲松が新たな地位を得たことは、物語に新たな局面をもたらすでしょう。
龍王杖の秘密が明らかになり、昆崙墟の謎に迫る展開は、冒険心をくすぐります。丁雲斉が新たな目的を見つけ、前向きに進もうとする姿には勇気づけられます。しかし、五門の追魂令を集めるという難題が、今後の彼の道のりを暗示しています。
つづく