卸嶺派の追魂令が何者かの手に落ちました。孫三玄は、ハオ太監の住居を手配した駱雲松が裏で糸を引いているのではないかと疑います。しかし、丁雲斉は、追魂令は駱雲松が自分との協力を示すための「投名状」(忠誠の証)であり、わざわざ裏でこのような騒ぎを起こす必要はないと考え、駱雲松を信じています。彼らはひとまず上海に戻り、今後の対策を練ることにします。
丁雲斉が天津へ行ったことは、既にフー司令官と周裘海に知られていました。彼らは駱雲松と丁雲斉が協力関係にあることに驚き、周裘海は駱雲松の真意を疑い、部下に駱雲松の過去を密かに調査させます。周裘海は、丁雲斉の監視を打ち切ります。監視が露見した上、丁雲斉の行動を正確に把握できないのは、面目ないことだと考えたからです。
丁雲斉は無双のことを気にかけており、上海で買った特産品を彼女に届けますが、彼女の気持ちを尊重し、密かに立ち去ります。
周裘海は弟子たちを連れて総本山へ戻るつもりですが、昆崙墟を諦めるつもりはありません。そこで、無双を上海に残すことにします。丁雲斉が無双に好意を抱いており、無双も師弟の情を大切にしているため、周裘海は無双が自分を裏切らないと信じています。彼は無双に、多くの勢力が昆崙墟を狙っており、丁雲斉が多くの者に狙われていること、卸嶺派の頭領が毒殺されたこと(丁雲斉は無関係)を伝え、丁雲斉を守り、情報を自分に伝えるよう指示します。周裘海は、無双に自分との連絡を丁雲斉に知られないよう念を押します。
無双は師匠の意図を理解し、指示通りに行動することを決意します。
丁雲斉は、搬山派の「地字班書」を手に入れたいと考えています。崔胭脂と孫三玄は理由を尋ねることなく、丁雲斉の頼みを聞き入れます。地字班書は搬山派の総本山である搬山小鎮にありましたが、かつて総本山の場所が露見したため、頭領は弟子たちを各地に潜伏させました。搬山小鎮は今もぬけの空ですが、密室は残っており、地字班書はその中にあります。崔胭脂は、フー司令官に疑われる可能性があるため、上海を離れることができません。そこで、彼女は丁雲斉に搬山小鎮の地図と密室の仕掛けを教えます。
孫三玄は崔胭脂に同行を提案しますが、崔胭脂はフー司令官が多くの秘密を抱えており、普段はとぼけているが裏で何をしているか分からないため、それを突き止めるまでは安心できないと考えています。
丁雲斉は、今回の旅に駱雲松を同行させることにします。駱雲松をそばに置くことで、彼の真の目的を見極めようと考えています。丁雲斉は駱雲松に、協力はするが、全ての決定権は自分が持ち、昆崙墟を見つけた後のことも自分で決めるという条件を出します。駱雲松は、とりあえず丁雲斉の要求を受け入れます。彼は昆崙墟を利用して自分の立場を挽回したいだけで、それ以上のことには関与しないつもりです。
楚風鈴は、丁雲斉が変わってしまったと感じています。権力は人を高慢にすると嘆きますが、駱雲松は、昆崙墟の前では誰もが天官の下僕であり、大事を成すには細部にこだわるべきではないと諭します。
無双は丁雲斉を訪ね、共に昆崙墟を探す旅に出たいと申し出ます。丁雲斉は、周裘海が彼女を送り込んだのではないかと推測しますが、それを直接言及せず、無双を同行させることにします。
第20話の感想
第20話では、物語が大きく動き出し、様々な思惑が交錯する様子が描かれました。
まず、丁雲斉と駱雲松の協力関係が成立しましたが、互いに腹の底を探り合っている緊張感が漂います。特に、周裘海が駱雲松の過去を調査させるなど、不穏な空気を感じました。
また、丁雲斉が無双を気遣う様子は相変わらずですが、無双が周裘海の指示で動いていることが明らかになり、二人の関係が今後どうなるのか気になります。丁雲斉は無双の真意に気づいているようですが、あえて同行させているのは、何か考えがあるのでしょうか。
さらに、搬山派の「地字班書」を求める展開も加わり、物語は昆崙墟の謎へと本格的に迫っていきます。崔胭脂が上海を離れられない理由や、フー司令官の秘密など、気になる伏線も多く、今後の展開から目が離せません。
つづく