丁雲斉は追魂令と無双の間で迷わず無双を選び、追魂令を元の場所に戻した。無双は丁雲斉の行動に感動し、二人は抱き合う。
そこへ周裘海が弟子たちを率いて到著し、丁雲斉が無双の手を握っているのを見て状況を理解する。丁雲斉は賭けに負けたことを認める。
丁雲斉は地宮の仕掛けが丁家の者のために作られていることに気づく。周裘海は、発丘の先代当主が昆崙墟の図面を発見して以来、昆崙墟を模倣し続け、自分の代でようやく完成させたと認める。彼は、なぜ天官が五門の首領になれるのか納得がいかず、さらに丁雲斉が昆崙墟を外部の者に分け与えようとしていることに我慢がならない。昆崙墟は五門のものであり、丁雲斉の好きにはさせない。今や天官は不在なのだから、能力のある者が五門を支配し、その財産を守るべきだと主張する。
一方、駱雲松と孫三玄は、丁雲斉の身に何かあったのではないかと心配していた。そこへ無双が姉弟子を使いに出し、丁雲斉が周裘海との賭けに負け、発丘域に永遠に閉じ込められることになったと知らせる。
発丘域とは、発丘の牢獄であり、攻略困難な場所である。言い伝えによれば、前清の時代に発丘の者が捕らえた汚職官僚が発丘域に閉じ込められ、その息子が一営の兵を率いて救出しようとしたが、葉わなかったという。
駱雲松は、龍潭虎穴であろうとも、丁雲斉を救うためには行くしかないと決意する。
丁雲斉はすでに周裘海によって発丘域へ送られていた。発丘域は高い崖の上にあり、周裘海の命令なしには脱出は困難である。
姉弟子の星辰は、無双が三妹に駱雲松への伝言を頼んだことに気づき、三妹を連れて師匠に罰を願い出ようとする。無双は自分だけが責任を逃れることはせず、誰かを巻き込みたくないため、自ら周裘海に会いに行く。
江大学問は周裘海が無双を罰することを心配し、彼女をかばう。幸い周裘海は彼女を責めなかったが、無双は丁雲斉を心配し、自ら発丘域へ嫁ぎ、丁雲斉と共にいることを願い出る。その行動は周裘海を怒らせるが、周裘海は怒りのあまり無双の願いを聞き入れる。
周裘海は幼い頃から無双を育ててきたため、やはり彼女を不憫に思い、無双がどうしても丁雲斉に嫁ぎたいと言うなら、その気持ちを尊重し、江大学問に結婚の準備をさせる。
駱雲松たちは、周裘海を人質に取り、丁雲斉を解放させるため、発丘総壇を襲撃することを決意する。孫三玄は無謀な戦いになるかもしれないと知りつつも、丁雲斉のためには、戦わなければチャンスはないと言う。
三斤は町で無双が丁雲斉に嫁ぐという噂を聞き、急いで住処に戻り皆に伝える。楚風鈴はすぐにこのことを駱九天に伝え、彼に無双を止めるよう頼む。
予想通り、駱九天は無双のもとへ行き、考え直すよう説得する。今、発丘域に嫁ぐことは、彼女の人生を台無しにするに等しい。駱九天は死をもって止めようとし、必ず丁雲斉を救い出し、その後で結婚しても遅くはないと誓う。
しかし、無双は全く動じない。彼女は駱九天から銃を奪い、丁雲斉のいない日々は、生ける屍も同然で、毎日死ぬようなものだと告げる。無双の言葉は駱九天の心に響く。無双のいない日々、駱九天も同じように過ごしてきたからだ。彼はその苦しみを理解できる。
婚礼の時が迫る中、無双は駱九天に鳳冠を被せてもらい、見送ってほしいと頼む。
第27話の感想
「天官の継承者 ディン・ユンチー ~秘宝と愛の物語」第27話は、緊迫した状況の中で、登場人物たちの感情が大きく揺れ動く回でした。丁雲斉は無双への愛を貫き、追魂令を諦めるという大きな決断を下します。一方、無双もまた、丁雲斉への深い愛情から、自らの身を犠牲にする覚悟を見せます。
周裘海は、権力への執著と五門の支配という野望を露わにし、丁雲斉と無双の愛を引き裂こうとします。しかし、無双の固い決意と、彼女を思う周裘海の親心も描かれ、複雑な人間関係が浮き彫りになります。
駱雲松たちは、丁雲斉を救うために無謀とも思える行動に出ようとしますが、それは友情と信頼の深さを示しています。また、駱九天と無双のやり取りは、愛する人を失うことの苦しみを痛感させ、切ない場面でした。
つづく