無双ウーシュアン周裘海ジョウ・チウハイに別れを告げたが、周裘海ジョウ・チウハイは最後まで姿を見せず、二番弟子の雨田ユイティエンが伝言を代弁した。地宮で周裘海ジョウ・チウハイ無双ウーシュアンを救わなかったのは発丘のためであり、恨まないでほしいこと、そして丁雲斉ディン・ユンチーとの幸福な生活を祈り、将来子供ができたら発丘に預けてくれれば、発丘が立派に育て上げるという内容だった。

丁雲斉ディン・ユンチーは、無双ウーシュアンが自分のために生涯の自由を諦める選択をしたことに驚くが、無双ウーシュアンの決意は固く、翻意することはなかった。

二人は質素な式を挙げ、夫婦の契りを結ぶ。その最中、老婦人の声が響くが、姿は見えない。丁雲斉ディン・ユンチーは彼女の正体を知らなかった。

丁雲斉ディン・ユンチーは、このような粗末な環境で結婚式を挙げ、無双ウーシュアンに何も与えられないことを申し訳なく思う。しかし、無双ウーシュアンは愛する人と一緒にいられるだけで十分幸せであり、他には何も望まないと答える。

二人が交杯の儀を終えると、再び老婦人の声が聞こえる。丁雲斉ディン・ユンチーは興味を抱き、無双ウーシュアンと共に隣の家を訪ねる。ついに姿を現した謎の老婦人は、無双ウーシュアンと数合打ち合うが、古傷があるのか、すぐに息切れしてしまう。西洋医学を学んだ丁雲斉ディン・ユンチーは治療を申し出るが、老婦人は周裘海ジョウ・チウハイが差し向けた刺客だと疑い、拒絶する。

丁雲斉ディン・ユンチーは無理強いせず、無双ウーシュアンとその場を去る。老婦人の言葉から、丁雲斉ディン・ユンチーは彼女が老北風ラオ・ベイフォンであり、周裘海ジョウ・チウハイに20年間監禁されていたこと、そして彼女の武術が崔胭脂ツイ・イエンジーと価ていることから、彼女が崔胭脂ツイ・イエンジーの師匠である可能性が高いと推測する。

一方、駱雲松ルオ・ユンソン孫三玄スン・サンシュエンは、ここ数日、発丘の弟子たちを密かに監視していた。彼らが周裘海ジョウ・チウハイのために購入した薬の処方箋から、周裘海ジョウ・チウハイが重病で余命いくばくもないと判断。長引けば不利になるため、早急に手を打つことにする。

しかし、駱雲松ルオ・ユンソンたちは周裘海ジョウ・チウハイの病気が偽りであることを見抜けなかった。周裘海ジョウ・チウハイは彼らの動きを察知し、すでに対抗する準備を整えていた。

周裘海ジョウ・チウハイは密かに各門派の追魂令を集めており、多くの弟子の中で腹心は二番弟子の雨田ユイティエンだけだった。実は昆崙墟こんろんきょを狙っていたのは周裘海ジョウ・チウハイ自身であり、雨田ユイティエンに協力を命じ、発丘を継がせることを約束していた。

周裘海ジョウ・チウハイ丁雲斉ディン・ユンチーを発丘域に送ったもう一つの目的は、彼を通じて老北風ラオ・ベイフォンが持つ追魂令を手に入れ、漁夫の利を得ることだった。

孫三玄スン・サンシュエンは仲間を率いて発丘総本部に侵入する。五門の仲間であるため、孫三玄スン・サンシュエンは部下たちに、今回の目的は殺しではなく、主に丁雲斉ディン・ユンチーを救うことだと告げ、手加減するように命じる。

雨田ユイティエンは、孫三玄スン・サンシュエン駱雲松ルオ・ユンソンが不在の隙を狙い、楚風鈴チュー・フォンリンから追魂令を奪おうとする。しかし、駱九天ルオ・ジウティエンが駆けつけ、雨田ユイティエンと対峙。時間を稼いでいる間に、駱雲松ルオ・ユンソンたちが戻り楚風鈴チュー・フォンリンを救出する。追い詰められた雨田ユイティエンは自害し、「天龍ティエンロンはお前たちを許さない」という言葉を残す。

駱雲松ルオ・ユンソンは、捕らえた者を囮にして、天龍ティエンロンの出現を待つことにする。

駱雲松ルオ・ユンソンは、死んだはずの駱九天ルオ・ジウティエンが生きていて、しかも公職について自分たちを監視・保護していたことに驚き、問い詰める。駱九天ルオ・ジウティエンは、自分が密かに彼らを監督し保護する任務を負っていることを明かす。

第28話の感想

「天官の継承者 ディン・ユンチー ~ 秘宝と愛の物語」第28話は、波乱と急展開が続く物語の中で、人間ドラマと陰謀が交錯する回でした。

無双ウーシュアン丁雲斉ディン・ユンチーの結婚は、簡素ながらも二人の強い絆を感じさせる感動的な場面でした。しかし、そこに現れた謎の老婦人とのやり取りは、不穏な空気と新たな謎を生み出します。老婦人の正体や目的、そして周裘海ジョウ・チウハイとの関係が気になります。

つづく